広報ニュース

第45号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2015年12月)

NXPアジア労働組合ネットワークが発足!

2015-12-22

 

フィリピン、タイ、台湾のNXP関連労働組合会議(12月19日、マニラ)

フィリピン、タイ、台湾のNXP関連労働組合会議(12月19日、マニラ)

 世界的な半導体サプライヤーであるNXP関連事業で働く労働者を組織するフィリピン、タイ、台湾の労働組合指導者が12月19日にフィリピン・マニラで会合を開き、アジア組合ネットワークを立ち上げた。現地NXP経営陣が労働者に対して敵対的な態度を取っているため、参加組合の多くが争議に直面している。

 2013年にタイ・バンコクのラックシー区にあるNXPマニュファクチャリングで、数百人の組合員が生産ラインから去ることを余儀なくされた。会社の念書に署名して24日連続12時間労働の新しい交代勤務制を受け入れ、仕事を確保するか、それとも退職するかの選択を迫られたのである。

 同社は2014年、法定休日の休暇取得を理由にフィリピン・カブヤオ経済特区の工場で選出組合役員24人全員を解雇した。

 同年、NXP経営陣は突然、台湾の高雄工場で祝祭日手当を廃止した。

 参加者は以下の目標について議論した。

●現在の職場状況と組合活動に関する情報を共有・交換すること。
●調和的・協調的な構造に基づくアジア組合ネットワークの開発方法について議論すること。
●グローバル・レベルでネットワークを構築するための今後の措置を立案すること。

 参加者は各組合の連絡担当者と、効果的なコミュニケーションを促進する地域コーディネーターも任命した。

 NXPは12月7日にフリースケールを買収した結果、世界有数の半導体メーカーとなった。現在、世界中で4万5,000人を雇用しており、中国、ドイツ、マレーシア、オランダ、フィリピン、シンガポール、台湾、イギリス、アメリカに研究開発・製造施設がある。

 NXPと旧フリースケールとの統合プロセスが加速しているため、2016年はNXP労働者全員にとって重要な年になるだろう。インダストリオール・グローバルユニオンはNXP労働組合ネットワークを支援し、未組織の旧フリースケール職場での組織化活動にも力を入れる。

 

インダストリオール、中国で最初の自動車ワークショップを開催

2015-12-21

 

中国で初の自動車ワークショップ(11月24-26日)参加者が上海で工場訪問

中国で初の自動車ワークショップ(11月24-26日)参加者が上海で工場訪問

 インダストリオール・グローバルユニオンは先月、中国で初めて自動車ワークショップを開催。この自動車部門会合は11月24~26日に上海と北京で開かれた。

 ワークショップには、フォルクスワーゲン、BMW、ダイムラー、PSA、ルノー、ボルボ、ABボルボ、ホンダ、トヨタなどの自動車会社代表と、IGメタル(ドイツ)、IFメタル(スウェーデン)、ユニフォー(カナダ)、自動車総連(日本)の加盟組織代表が参加した。

 参加者は寧波(上海近郊)のフォルクスワーゲン工場、ドイツ大使館、北京のダイムラー工場も訪れ、経営側代表だけでなくフォルクスワーゲン、BMW、ダイムラーの工会とも会談した。

 ワークショップの目的は、工場レベルで中国の労働組合員との協力関係を築き、経験を交換し、中国の組合活動に関する知識を深めることである。

 もう1つの重要な側面は、中国の自動車市場と、e-モビリティーや接続技術をめぐる最近の動向をよりよく理解することだった。

 中国の自動車産業はヨーロッパや日本、アメリカとほぼ同水準にあるか、さらに進んでいると言ってもよい。中国政府はこの発展を強力に支援し、中国はこの分野で手ごわい競争相手になると予想される。

 中国の中山大学のBoy Luthje教授が報告の中で中国の労使関係について説明し、労働基準と団体交渉、民主的な職場代表を産業再編成の重要要素としなければならないと強調した。

 フォルクスワーゲン世界従業員代表委員会のフランク・パッタが、中国各地の現場およびそれらの代表機関との協力・調整モデルを提示した。

 参加者はドイツ大使館で、中国の自動車市場の発展に関する見識を得た。成長は減速しているが、同時に中国ブランドは特に電気自動車の分野で外資系企業よりはるかに急速に成長している。

 ABボルボやダイムラー、フォルクスワーゲン、BMWなど、さまざまな自動車会社のグローバル・ネットワークに、すでに中国人が参加している。

ヘルムート・レンゼ・インダストリオール自動車・ゴム担当部長

ヘルムート・レンゼ・インダストリオール自動車・ゴム担当部長

 ヘルムート・レンゼ・インダストリオール自動車担当部長は言う。

「これらのワークショップにより、工場レベルで中国の同僚との協力・交流を長期的に発展させるうえで、さらに一歩前進した。新技術の出現で自動車業界が地殻変動に見舞われようとしているため、中国は重要なパートナーだ」

 

ユナイトが英国政府に香港条約の批准を要求

2015-12-17

 イギリスとアイルランドのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織ユナイト・ザ・ユニオンはデービッド・キャメロン政権に対し、「危険で持続不可能な船舶解撤の問題を効果的に解決する行動に加わり、直ちに香港条約を批准する」よう要求した。

 ユナイト・ザ・ユニオンは英国最大の労働組合であり、イギリスの造船・船舶修繕業に従事している数万人の男女労働者を代表している。

 イアン・ワッデル・ユナイト航空宇宙・造船担当全国役員からキャメロン首相への書簡全文を読むには下記を参照:
http://www.industriall-union.org/sites/default/files/uploads/documents/Jyrki_Letters/david_cameron_hk_convention_letter.pdf

 

インダストリオール・グローバルユニオン、プノンペン執行委員会でカンボジアの労働者を支持

2015-12-10

12月10日の国際人権デーに生活賃金を求めて示威運動を行うインダストリオール加盟組織

12月10日の国際人権デーに生活賃金を求めて示威運動を行うインダストリオール加盟組織

 2015年12月9~10日にカンボジア・プノンペンでインダストリオール執行委員会が開催され、約200人の代議員が参加した。この会合は、カンボジアの衣料労働者60万人への支持を表明して同国で開かれた。

 ベルトホルト・フーバー・インダストリオール会長が開会を宣言、現在の難民危機について話し、難民との連帯を求めた。「私たちならびに同志のために、保護を求めている人々に連帯を表明すべきだ。すべての人々に未来に対する権利がある。それこそ労働組合員が求めて闘わなければならない権利だ。有志連合も結成しなければならない」

 フーバー会長は、カンボジア労働・職業訓練省のサット・サモス国務次官や、インダストリオールが先ごろグローバル枠組み協定を締結したH&Mの代表をはじめとする来賓を歓迎した。

インダストリオール執行委員会で演説するカンボジア労働・職業訓練省のサット・サモス国務次官

インダストリオール執行委員会で演説するカンボジア労働・職業訓練省のサット・サモス国務次官

 サット・サモス国務次官は開会の辞で次のように述べた。「私たちの主な関心事には雇用だけでなく、労働条件とカンボジアへの投資も含まれる。この会合がカンボジアの労使関係調和に効果を上げてくれるよう願っている」

カンボジアの衣料労働者に生活賃金を インダストリオールは、カンボジアその他のアジア諸国における生活賃金を求める行動、団体交渉および組織化に関するパネル・ディスカッションを行い、これには、ヘン・スー労働省官房長官、ケン・ルーGMAC書記長、ヨナ・ウィガーホールH&M持続可能性カントリー・マネージャーをはじめ、カンボジア、ミャンマー、インドネシアの労働組合代表が参加した。

 ユルキ・ライナ書記長は、「インダストリオールは組合加入権と団体交渉権を求めてグローバルな闘いを敢行している」と述べた。さらに、「この闘いは必ずしも簡単ではないが、カンボジアの労働組合は組織化に活発に取り組んでいる。聞くところによれば、衣料部門の組合組織率は60%にも達している」「しかし、カンボジアの最低賃金はまだ生活賃金に届いておらず、バングラデシュ、ミャンマー、ベトナムなど他の域内各国でも状況は同じだ。そして、このような状況にある限り、私たちの闘いは続く」と述べた。

 ヘン・スー労働省官房長官は、労働者の賃上げ要求を支持しながらも、次のように語った。「カンボジア政府は単独では行動できない。アジアのすべての国々で低賃金労働力の搾取をなくすために、ブランドや投資家と協力する必要がある」

 H&M持続可能性カントリーマネージャーのヨナ・ウィガーホール氏は「新しいアプローチを支持し、H&Mは全世界で賃金改善に取り組んでいる」と述べた。

 カンボジアのインダストリオール加盟組合8団体は政府に対し、労働組合側の要求を検討して対話を行うよう促している。

「最低賃金を引き上げる必要がある。インダストリオールの調査によると、140米ドルは生活賃金ではない」とインダストリオール加盟組織NIFTUCのラス・ミネア書記長は指摘した。ラス・ミネア書記長はカンボジアの衣料労働者の生活条件にも触れ、「ひしめき合って極貧生活を送っていることが多く、嫌がらせが横行している」と説明し、「カンボジアの労働者がいずれ生活賃金と人並みの生活を手に入れることを願っている」と述べた。

 ユルキ・ライナ書記長は、カンボジアの加盟組織に対してインダストリオール全体としての支持を表明した。「カンボジアの衣料労働者は要求を掲げ、その実現を目指して結集している。インダストリオールは生活賃金を求める闘いを支援しており、新しい産業レベル交渉メカニズムに向けて引き続きブランドと協力していく。政府、ブランドおよびサプライヤーすべてが責任を分担する必要がある」と述べた。

キャンペーンの組織化
 インダストリオールは、いくつかのキャンペーンを実施している。リオ・ティント・キャンペーンは、これまで世界中で労使紛争を引き起こしてきた、この大手採鉱会社に焦点を合わせている。このキャンペーンの目的は、リオ・ティントを中心に強力な組合ネットワークを構築し、組合による労働者の組織化を支援し、組合員数を増やすことである。

 まだ、課題はあるが、このキャンペーンはオーストラリア、インドネシア、マダガスカルで組織化を成功させ、約1,000人の新規組合員を勧誘したことが報告されている。リオ・ティント・キャンペーンは不安定雇用と安全衛生に重点を置き、投資家との対話を続けている。少なくとも54カ国の組合が大々的に団結を表明し、10月7日にストップ不安定雇用を求めて行動を起こした。リオ・ティントとラファージュホルシムのグローバル組合ネットワークも世界的な行動を取った。

 フェルナンド・ロペス・インダストリオール書記次長が、主要国であるメキシコとコロンビアのキャンペーンと行動について執行委員会に報告した。結社の自由と団体交渉の実施を求めてメキシコ政府に圧力をかけ、大きな政治的進展があった。

 ペーニャ・ニエト政権に圧力を加え、ILO第98号条約の批准を含む労働法改革を提案している。鉱山労組とSMEも、5年に及ぶ闘いを経て組合員のために勝利を収めた。ホンダやPKC、バータ・サンダックといった企業でもキャンペーンが続いている。

 「インダストリオールは気候変動に取り組む組合だ」とユルキ・ライナが述べ、ブライアン・コーラー・インダストリオール持続可能性担当部長がパリのCOP21から直接報告した。「今週末に合意に達すると確信している。執行委員会に対し、持続可能な世界に向かう動きを支援し、この合意がインダストリオール関連部門にどのような影響を与えるか検討する会合の開催を承認するよう求める」

 インダストリオール執行委員会は、47本の既存GFAと、新たにGFAを締結する見込みのある企業との間で進行中の交渉を評価した。グローバル・ユニオンは、中立性、組合の職場立ち入り権、拘束力のある紛争解決の3つの政治的テーマに基づき、GFAの実施とGFAを利用した組織化にさらに重点を絞っている。

 モニカ・ケンペール書記次長兼インダストリオール女性担当部長が、9月にオーストリア・ウィーンで開催された女性世界会議について報告した。この会議では、インダストリオールの組織機構と指導部で40%の女性代表割り当てを求める決議が全会一致で承認された。

グローバルな組合の連帯を求める緊急決議
 インダストリオールは、中東・北部アフリカ(MENA)地域をめぐる討議で、特に職場において、すべての難民に責任を持って取り組む方針を確認した。

 イラク電力労働者・専門技術者一般労組のハシュメヤ・アルサーダウィ会長が、イラクでは悲惨な治安状況から人々が逃れており、テロや若年失業、悪法、移住がかつてないほど悪化しているが、それでもインダストリオールはイラクで活動を拡大していると語った。これは社会的公正を目指す政策やプログラムの実施が有効であることを表しており、社会的公正なくして平和はあり得ない。

 アルサーダウィ会長は、インダストリオールがイラクを訪れ、新しい労働法に取り組み、イラクのインダストリオール協議会を通して組合の団結に努めていることを称賛した。

 トルコ・エネルギー水道ガス労組のムスタファ・シャヒンが、難民危機によって賃金に下方圧力が加わり、250万人の難民がいるトルコでは不安定雇用が増加していると説明した。シャヒンは、難民にもトルコの労働者と同じ権利を与えるべきだと訴え、インダストリオール代表団によるトルコの難民キャンプ訪問を求めた。

 イタリアの加盟組織FIM-CISLのジャンニ・アリオッティが、イタリアの製造業において奴隷のような条件で働いている難民の状況に注意を促し、搾取を防止するために関係者全員(裁判所、法執行機関、使用者、労働組合)が連携して取り組むよう求めた。

 インダストリオール執行委員会は、いくつかの国々で攻撃されている組合を支持した。例えば、フィンランドの組合は右翼政権の攻撃にさらされている。「これらの法律が発効すれば、契約制度と組合の交渉権が損なわれる」とヨルマ・マリネンPRO会長は述べた。

 韓国政府は組合権を攻撃し、組合事務所を弾圧して一斉捜査し、不届きにも平和的な集会を非難している。インダストリオールは、反撃している韓国の労働者との連帯を表明した。

 ユナイトとワーカーズ・ユナイティングのベン・リチャーズが、イギリスの退行的な労働組合法について報告した。「すでにどこの国よりも制限的なスト関連法がある。だが、サッチャー主義のネオリベラル現政権が提出した労働組合法案は、スト権を極端に制限し、スト参加者の代わりに派遣労働者を雇用することを認め、労働党への組合の資金援助を大幅に制限するといった措置を盛り込んでいる。対抗する方法は国際連帯しかない!」

 執行委員会はいくつかの緊急決議を採択した。

●フィンランドにおける政府の組合権攻撃に関する決議
●現在の形の環太平洋パートナーシップ協定(TPPA)に反対する決議
●政府の弾圧に抵抗する韓国の組合への支援要請
●テロに反対する声明
●カンボジアの衣料労働者との連帯決議
●オーストラリアの労働者の権利を弱体化させているアルコアに反対する決議

 

インドネシアで300万人が生活賃金を求めてスト

2015-12-10

労働者に暴力を振るう警察

労働者に暴力を振るう警察

抗議の行進

抗議の行進

 11月24~27日にインドネシアで労働組合が平和的なデモと行動を組織し、約300万人の労働者が参加した。だが、警察はまたしても暴力で対応し、何人かの組合活動家を拘留した。

インドネシアのナショナルセンター3団体、KSPI(FSPMI、Farkes、SPN、KEP、ISI)、KSPSI(CEMWU)およびKSBSI(ロメニック、FPE、Garteks)は、労働省と使用者、警察からの強い圧力にもかかわらず大規模動員をかけた。労働省と使用者、警察は、このストを違法とし、制裁・処罰を科すと言ってデモ参加者を威嚇した。

目撃者の話によると、政府の最低賃金改革案に抗議していたデモ参加者に対し、警察は催涙ガスと放水銃を利用した。何人かの労働組合活動家が拘留されたが、その後釈放された。

この全国ストは、政府が最低賃金案を発表したことに対応して行われた。この案が実施されれば、労働者はさらに5年にわたって貧困生活を強いられるだろう。

新規則によると、最低賃金はインフレ率と経済成長率に基づいて計算され、実際問題として労働者の賃金は最低生活水準をはるかに下回るだろう。

ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は次のように述べた。

「インドネシアの労働者に対する、この絶え間ない激しい攻撃を非難する。私たちは、政府が平和デモに対する暴力的対応を許していることに深く失望している」

「全国ストにかかわったデモ参加者に対する告訴をすべて直ちに取り下げるよう要求する。組合員は適正な生活条件を受けるに値する。これからも、生活賃金を求めて闘うインドネシアと世界各国の加盟組織を支援していく」

組合は政府に以下のとおり要求している。

●労働法2003年第13号第88条および第89条に抵触する、最低賃金に関する政府規則2015年第78号を撤回すること。
●現行の最低賃金計算慣行を妨げ、労働者の構造的貧困を生み出す最低賃金規則を拒否すること。
●最低賃金を2.6%引き上げ、2016年のすべての賃金を50万インドネシア・ルピア(36米ドル)増額するとともに、各部門の賃金を最低賃金より高くすること。

 

 

インダストリオールで女性参画率40%を目指して

2015-12-09

ブラジルの加盟組織CNTMのモニカ・ベローゾが、女性の代表を促進するために男性の援助を要求

ブラジルの加盟組織CNTMのモニカ・ベローゾが、女性の代表を促進するために男性の支援を要求

 インダストリオール・グローバルユニオンにおける女性参画率40%の実施・達成は、12月8日にプノンペンで開催されたインダストリオール女性委員会の重要な議題だった。

 女性委員会は、インダストリオール執行委員会の前日にカンボジアで開かれた。9月にウィーンで開催された女性世界会議で、割り当てを求める決議が満場一致で採択されたところである。

モニカ・ケンペール・インダストリオール書記次長はこう述べた。「この決議は軽々しく採択したものではない。私たち女性委員会のメンバーに委ねられた任務だ。インダストリオールの規約、意思決定機関および組織機構のすべてで、女性代表の参加を確保しなければならない」

 ケンペールは、同じくウィーンの世界会議で採択された平等憲章も、今後参照していくべきだと強調した。「執行委員会は、これらの問題にも検討を加え、女性のニーズと女性の保護に責任を負うべきだ。トップダウンとボトムアップの両面から取り組まなければならない」

 さまざまな部門・地域を代表するタスクフォースが、インダストリオールの組織機構で女性の代表を促進するために、具体的措置の立案に取り組んでいる。目的は、2016年10月のブラジル・リオ大会で、インダストリオール規約とすべての関連文書に割り当てを導入することである。

 重要な点は、女性委員会が全加盟組織に対し、リオの執行委員指名で40%の割り当てを守るよう促したことである。インダストリオール規約の第28条と第29条を改訂する必要があることが再び指摘された。

 女性委員会を常設委員会とし、議長を自動的にインダストリオール副会長または同様の指導的地位に就かせることが提案された。

 また、加盟組合で女性組合員数を増やすためにインダストリオールの援助も要求された。

 その一方で、代表、医療、女性に対する暴力、母性保護といった女性問題を、すべてのインダストリオール活動に盛り込むべきである。

 最後に女性委員会は、10月にインダストリオール女性・事務技術職担当部長を退任し、モニカ・ケンペールに道を譲ったキャロル・ブルースの指導力を称賛した。

 

インダストリオール・グローバルユニオン、カンボジアの労働者を支持

2015-12-09

2015年10月7日、不安定雇用に反対して行動を起こしたカンボジアの衣料労働者

2015年10月7日、不安定雇用に反対して行動を起こしたカンボジアの衣料労働者

 12月9~10日にプノンペンで開かれたインダストリオール・グローバルユニオン執行委員会に200人前後の代議員が集まり、世界中の労働組合の闘い、生活賃金、団体交渉、カンボジアの労働者への支持表明といった議題を取り上げた。カンボジアの衣料産業では60万人の労働者が働いている。この部門で生活賃金を目指す世界的な行動の一環として、インダストリオールはカンボジアの加盟組織8団体と協力して賃上げを要求している。

 ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は、最近の最低賃金引き上げは、家族を養っていくために十分な賃金を求める労働者の期待に応えていないとして、「カンボジアの組合による現在の要求は、ブランド各社に対する労働者の不満や、組合の13項目の要求に対して政府・使用者から回答がない状況を反映している。労働者によると、カンボジアから調達しているブランドは生活賃金を保証しなければならない」「だからインダストリオールにとって、カンボジアから調達しているブランドと協力して産業レベル団体交渉の実現を目指し、賃金を改善できるようにすることが、よりいっそうの急務となっている。責任ある購買慣行に支えられた全国交渉を達成し、ワールドクラスの製造基準に向けて前進すべきだ。カンボジアの工場から調達している衣料ブランドは、衣料労働者が生活賃金を稼げるよう確保するために責任を分担しなければならない」と述べた。

 労働・職業訓練省のサット・サモス国務次官が、執行委員会で開会の辞を述べる予定である。

 この地域の複雑な情勢を強調するために、インダストリオールは、カンボジアをはじめとするアジア諸国の生活賃金行動、団体交渉および組織化に関するパネル・ディスカッションを行う。パネリストとして、ヘン・スー・カンボジア政府代表、スウェーデン系小売大手H&Mの代表、ケン・ルーGMAC書記長、それにカンボジア、ミャンマー、インドネシアの労働組合代表が参加する。

 この国の重要な衣料産業の長期的成功には継続的対話が欠かせない、とユルキ・ライナは言う。「インダストリオールは、衣料労働者の生活条件を継続的に改善していきたいと考えており、この国の製造基盤の多角化計画も支持する」「そして、新しい労働組合法と、結社の自由および団体交渉に関するILO条約との整合性を確保したい」と述べた。

 

東南アジアの女性組合幹部が権利を要求

2015-12-01

 カンボジア、インドネシア、ミャンマー、フィリピンのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織の女性指導者約50人が11月に会合を開催、全国・地方組合の全レベルで女性・ジェンダー機構を強化し、各国で母性保護を改善すべく取り組んだ。どの国でも、特に繊維・衣料・製靴・皮革産業と電子産業で大勢の女性労働者が働いている。

 11月24~25日に開催されたこの2日間の会議「男女平等の達成と職場における母性保護の改善」で、地域の母性保護キャンペーンが始まった。カンボジア、インドネシア、フィリピン、ミャンマーでの母性保護に関する研究が発表され、制度の違いと弱点が紹介された。

 約1,600人の女性を対象とする研究の結果、カンボジアでは政策・意思決定レベルの女性参画率が40%以上であり、場所によっては90%にも達していることが分かった。しかし、女性労働者の労働条件はとても適正とは言えず、母性保護のレベルは国際基準をはるかに下回っている。

 インドネシアでは、多くの女性が週6日、1日9時間以上働いており、26%が常に夜勤に従事している。女性の7%が、妊娠を理由とする意に沿わない異動を体験していた。16%が妊娠中の休暇取得を許可されず、23%が復職時に職場での授乳を認められなかったと報告した。

 ミャンマーでは、研究の結果、特に女性・ジェンダー政策に関して職場に大きな制限や課題のあることが確認された。研究対象職場のほぼすべて(97%)で、例えば訓練や昇進の機会が与えられていなかった。インタビューした女性の94%が、セクシャル・ハラスメントや女性に対する暴力と闘う政策のことを知らなかった。

 フィリピンでは、85%の女性労働者が問題なく出産手当を受給し、出産休暇後に職場に復帰していた。しかし、契約・派遣労働者を取り巻く状況は悪く、妊娠すると契約が自動的に打ち切られる。そしてインフォーマル・セクターや非標準的な雇用形態で働く女性は、出産手当がまったくない。

 フィリピンの現行出産手当は1997年から実施されており、出産休暇日数の面で他の東南アジア諸国に後れを取っている。

 ワークショップ参加者は、女性が各国で実施すべき戦略・活動を盛り込んだ具体的な行動計画を考案した。また、母性保護に関するILO条約の批准や、連合団体・地方組合レベルにおけるジェンダー割り当てを要求する方針も確認した。

 

スペシャル・レポート:世界一危険な仕事、船舶解撤の浄化

2015-12-15

チッタゴン船舶解撤場

チッタゴン船舶解撤場

 この産業の労働者は危険で不安定な労働条件に直面しており、訓練や安全設備、医療サービスはほとんどなく、貧困賃金に甘んじている。インダストリオール・グローバルユニオンは、南アジアの解撤場で組織化を支援するためにキャンペーンを展開しており、海運業が盛んな国々の政府に対し、労働者の安全に責任を持つよう要求している。

インダストリオールは、バングラデシュにあるこの写真のような解撤場で、労働条件を改善するためにキャンペーンを展開している

インダストリオールは、バングラデシュにあるこの写真のような解撤場で、労働条件を改善するためにキャンペーンを展開している

 有毒化学物質やアスベスト、油を扱うことの多い環境下で、労働者はブロートーチや大ハンマーを使って船舶を解体しており、作業に要する期間は6~8カ月、大型タンカーの場合は最大1年に及ぶ。クレーンの移動、鋼板の落下、ガス爆発、金属コイルの破損はすべて、常に解撤場につきまとうリスクである。12時間労働が標準で、日給は2米ドルしかない。

 公式の統計はないが、地域の組合の推定では、バングラデシュ、パキスタン、インドの現場で毎年、数百人が死亡したり重傷を負ったりしている。組合やNGOによると、バングラデシュの実際の数字は報告件数の20倍に上る可能性がある。

 世界の船舶は先進国の先端造船所で造られている。平均25~30年後に維持費が高くなり、船は廃棄物として売られる。70%以上の船が船舶リサイクル会社に直接、あるいはシンガポールやドバイのブローカーを通して売却され、最終的にインド、バングラデシュまたはパキスタンの海岸にたどり着く。

 この3カ国の船の墓場で、労働者はまず再利用できる部品をすべて船から取り外し、エンジンや冷蔵庫、はしご、ガスボンベといった部品を地域で販売する川下産業に供給する。

 続いて、巨大な遠洋定期船の解体作業が始まる。船舶解撤の利益の8割前後が鉄鋼販売から得られ、鉄鋼は労働集約的プロセスによって手作業で切断される。

毎年約1,000隻の船舶(100総トン超)を解体

 2014年に船舶の解撤・再生が行われた国は以下のとおりである。

> インド29.8%

> バングラデシュ24.2%

> 中国21.9%

> パキスタン18%

 この危険な仕事を遂行しているのは出稼ぎ労働者、バングラデシュ、パキスタン、インドの貧しい農村地域出身の若者たちである。ほとんどの船舶解撤労働者は、雇い主の人材斡旋会社に故郷の村から解撤場へ連れてこられるまで、一度も海を見たことがない。労働者たちは解撤場に隣接するごく簡素な宿泊設備に住み、たいていきれいな飲料水も適切な衛生設備もない環境で生活し、多くの場合、地方都市へ行ってみることもない。

 バングラデシュの船舶解撤組合指導者のナジム・ウディンは言う。「職場で発言権がないので、日常的な虐待がまかり通っている。船舶解撤労働者は悲惨な状況にあり、賃金は日払いで、仕事がなければ収入もない。有給休暇はまったくなく、ボーナスも給与金も雇用保障もない」「ここでは過去2カ月に8人の労働者が死亡した。使用者は労働者の遺族にいっさい補償金を支払わない。最高裁は亡くなった労働者それぞれの遺族に50万タカ(6,400米ドル)の補償金を支払うよう命じたが、使用者はこの判決を尊重していない」

組織化が鍵

 このような状況下における労働組合組織化は困難ではあるが、極めて重要である。インドの加盟組織SMEFIはインダストリオールの支援により、世界最大の船舶解撤場アランを組織化している。インダストリオール加盟組織はバングラデシュとパキスタンの現場を組織化しているが、現地の組合組織率は非常に低い。

 ムンバイとアラン(インド)の世界最大の船舶解撤労組の指導者であるV・V・ラネー造船部会副部会長は、次のように述べた。「チッタゴン船舶解撤場も、私たちが現地の労働者を組織化する前はアランと同じような状況だった。私たちはバングラデシュの船舶解撤労働者を支持する」と。

 ムンバイの有力な港湾労組が隣接する船舶解撤場にターゲットを絞って組織化した2003年、初めてインドの船舶解撤労働者の労働組合化が成功した。この組合は組合員を勧誘する前に、船舶解撤労働者に飲料水と救急箱を提供した。1日12時間労働にもかかわらず、使用者はこのような設備を提供していなかったのである。

 ムンバイの船舶解撤労働者は現在、同労組が導入してくれた最も重要な改善として、職場における発言権の獲得、安全衛生に対する意識、労働法に対する意識、必需品の提供、使用者による保護具の提供を挙げている。

 同労組は2004年からアランに組織化の焦点を絞り、680キロメートル北のはるかに大きいムンバイの現場と同様に、インド西海岸でも組織化を成功させようと努力した。

 この組合は1年かけて調査し、労働者に必需品を提供したうえで組合員の勧誘に着手した。飲料水、救急車、基本的安全衛生、救急訓練を提供し、労働者との定期会合を開いた。

 労働者は失業を恐れているため、組合は当初、アランの現場で献身的な活動家を確保するのに苦労した。組合員数が総勢1万5,019人となった今、解雇の心配はない。

血液型が記載された組合員証を見せるムンバイの労働者

血液型が記載された組合員証を見せるムンバイの労働者

 同労組が解撤場で実現した最も重要な実績の1つは、新規組合員の血液検査を行い、組合員証に血液型を記載するようにしたことである。労働者は、これが事故発生時に極めて重要な情報となる場合が多いことを知っている。組合員証は通常、労働者が持っている唯一の身分証明書でもある。

 この組合がムンバイ、アラン両方の現場に導入したもう1つの重要な制度は、新規労働者全員を対象とする基本的な安全衛生訓練の実施である。

 ムンバイの使用者の多くはアランでも活動しているが、どちらの現場でも当局が土地の大部分を所有し、船舶解撤請負業者に貸与しているため、政府による監視が厳しい。バングラデシュとパキスタンでは造船所の多くが個人所有である。

環境侵害

 乾ドックで船舶解撤作業を行えば、船舶から発生するすべての汚染物質を安全に排出・処分することができるが、乾ドック施設の建設には多額の投資が必要となる。トルコでは小型船舶が乾ドックで解体されている。

 アランでは、満潮時に船を砂浜に引き上げて解体している。これはバングラデシュ・チッタゴンの解体方法よりも環境への侵害が少ない。チッタゴンでは、浜辺の海上で直接船舶を解体しているため、油や化学的毒素がベンガル湾に流れ込んでいる。

 インド海運省は現在、環境保護運動家から圧力を受けて、ムンバイ船舶解撤場の閉鎖を検討している。しかし、この有力組合は、解撤場の労働者全員が他の場所で同じ賃金の雇用を保障されるまで閉鎖してはならない、と主張している。

 環境保護運動家は労働組合とともに、政府と海運会社に圧力を加え、香港条約への支持を要求すべく助力している。この条約が遵守されれば、環境だけでなく労働者の安全衛生も大幅に改善するだろう。

パキスタンの危険な解撤場

 パキスタンのガダニ解撤場は世界で3番目に大きい現場で、平均1万~15,000人の労働者を雇用している。通常、労働者は週7日、多くの場合1日少なくとも12時間は働き、有給休暇も給付もなく、月給は生活賃金の半分の1万2,000パキスタン・ルピー(113米ドル)である。

 ガダニには安全設備がほとんどない。訓練は実施されず、きれいな飲料水も救急箱もない。船で切断作業を行う労働者は昇降設備も安全ベルトも支給されず、その結果、労働者が甲板から浜に落ちる事故が多発している。アスベストや有毒化学物質が広く使用されているが、安全に処分されていない。

 インダストリオールに加盟するNTUFはガダニ解撤場で年間最大19件の死亡事故を報告しているが、実際の件数ははるかに多いと見られる。50キロメートル以内に機能的な病院はない。組合の報告によると、労働者は組合に加入すれば解雇されることを知っている。

香港条約の実現を目指すインダストリオール・キャンペーン

 国連の国際海事機関(IMO)は2009年、船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約を採択した。この包括的な条約が適切に実施されれば危険な船舶解撤作業の安全性がはるかに高まるので、インダストリオールは同条約の批准を求めて運動している。

 この条約の労働安全衛生条項には、船舶における危険性物質の管理や、船舶解撤現場でのリスク管理、労働者向けの安全訓練と防護用具の確保が盛り込まれている。

 条約発効のために満たさなければならない条件は、15カ国が批准し、批准国が世界の商船の40%をカバーすることである。現在のところ、ノルウェー、コンゴ、フランスしか批准していない。まだ完全に批准しているわけではないが、イタリア、セントキッツネービス、トルコ、オランダも署名している。

 第1の条件よりも、第2の条件の達成の方が難しい。総トン数で世界の船舶の40%を占める国々の批准を達成するには、日本や韓国、中国のような主要造船・船舶解撤国と、5大オープン・レジストリー国であるパナマ、リベリア、マーシャル諸島共和国、シンガポール、バハマのうち1カ国以上の支持が必要である。船主は便宜置籍を利用して上記5カ国の1つで船舶を登録し、規制や税金を回避している。

 アランにある船舶リサイクル施設のうちの2社、KalthiaとPriya Blueは2015年9月、香港条約への適合証明を発給された。

 条約が実施されれば、すべてのIMO加盟国は、条約に従う解撤場で船舶をリサイクルしなければならない。

 強力な造船労組は、連帯の精神に則って、また持続可能な造船業には持続可能な船舶解撤が必要であることから、船舶解撤労働者を支持している。

 インダストリオール加盟組織は、日本、オーストラリア、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、インドで、政府による香港条約の批准に向けたロビー活動を主導している。

 2014年11月のインダストリオール造船・船舶解撤世界会議では、19カ国から集まったこの部門の組合が、香港条約の批准を求めて運動することを決議した。

 この決議は以下の事実を踏まえて採択された。

「南アジア地域の船舶解撤場では毎年、何百人もの船舶解撤労働者が重大な業務災害で命を落としている。職業病の発生はほとんど知られていないが、極めて高いと思われる。ほとんどの労働者にとって、60歳まで生き延びることは夢にすぎない」

 このキャンペーンは2015年5月のインダストリオール執行委員会で本格的に開始された。そして、2015年11月にチッタゴンのインダストリオール造船・船舶解撤アクション・グループ会合で、香港条約の批准に関する世界的行動へのコミットメントが再確認された。

 松崎寛インダストリオール造船・船舶解撤産業担当部長は、この産業の浄化キャンペーンを調整している。船舶解撤産業の浄化キャンペーンとして、「この産業全体が、安全・健康・清潔で持続可能な雇用に対する権利を労働者に提供する責任を負っている。私たちは解撤場で強力な組合を構築し、容認できない労働条件に反対しようと決意を固めている」「インダストリオール・グローバルユニオンは、すべての国際海事機関(IMO)加盟国が、今すぐ船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約を批准するよう要求する!」ことを打ち出している。

 工藤智司インダストリオール造船・船舶解撤共同部会長(基幹労連委員長)は、日本におけるロビー活動を主導している。工藤氏は2015年9月、太田昭宏国土交通大臣(当時)に直接、日本政府による香港条約批准の推進を求めた。大臣は、日本は条約を批准すると前向きに対応した。

 IGメタル沿岸地域支部は2015年9月、ドイツ政府に行動を求めた。同労組のマインハルト・ガイケン地域書記は、ハンブルクで造船所労働者に支持されながら、目立つように大きなプラカードに書かれた要求をドイツの海事調整官に手渡した。ウベ・ベックマイヤー政務次官は、香港条約の速やかな批准の達成を書面で約束した。

 オーストラリアの加盟組織AMWUは、香港条約を支援するために政府に働きかけ、オーストラリア労働党内部で決議案を提出した。

 デンマークでは、COインダストリがデンマーク船主協会と連携して2015年9月、デンマーク環境・食料大臣に書簡を送り、可能な限り早く香港条約を批准するよう政府に求めた。

 この書簡はデンマーク政府に対し、EU加盟国とともに、香港条約の批准をめぐる南アジア諸国との対話を主導することも促している。

 アラン船舶解撤労組もインド政府に批准を働きかけている。この問題は10月7日のディーセント・ワーク世界行動デーに、同労組の一般向けキャンペーンの中心的要求となった。

 インド政府は日本の政府と企業からも条約の批准を求められている。適切な廃棄物処理施設を備えた半乾ドックなど、アランの解撤施設を改善するために日本から資金が提供されている。2015年初めにアランを訪れた日本の政府当局者、労働組合、海運業界代表および専門家から成るハイレベル代表団は、「インドに香港条約批准の用意があるなら日本は力になれる」と述べた。

 2015年11月にはインダストリオール代表団がバングラデシュ工業省と会談し、条約の批准を求めて働きかけた。V・V・ラネー副部会長はキャンペーン要求を手渡し、こう説明した。「バングラデシュによる批准は、すべての当事者に相互に利益をもたらすだろう。海運会社は責任ある方法で船舶をリサイクルするよう強い圧力を受けるようになっているため、香港条約の遵守はバングラデシュの解撤場に投資や安全衛生訓練、ビジネスをもたらすだろう」

 同省の長官は代表団に対し、2015年末に船舶リサイクル法が議会に提出される予定であり、条約の批准につながるだろうと語った。

 その他いくつかの国々の政府も批准を目指して努力している。欧州連合内部でも、ベルギーはじめヨーロッパ諸国政府による批准を求めて、圧力が強まると予想される。ヨーロッパの船舶は世界の船舶の20%を占めており、ほとんどがバングラデシュで解体されているという。

 中国とトルコには、すでに条約の技術的要件にほぼ適合する船舶リサイクル産業があり、両国は批准に近づいている。

 ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は、このキャンペーンを優先している。「南アジアでは13万人の労働者による造船作業の大部分が、時代遅れの条件のもとで行われている。香港条約の採択から3年が経過していながら、3カ国しか批准していないのは恥ずべきことだ。主要造船・船舶解撤国がまだ批准しておらず、これらの国々が批准するまでキャンペーンは終わらない。もちろん、世界一危険な仕事の浄化を目指す私たちのキャンペーンの目的は、この条約の批准を達成することだけではない。インダストリオールは産業全体で組合の強化に取り組んでいるが、香港条約によって状況が変わるだろう」

 韓国の労働組合代表団はスイス滞在中に、ジュネーブに本社を置く世界第2位のコンテナ輸送会社で、HHIの主要顧客であるMSCとの会談も求める予定である。

 

UAW、テネシーのフォルクスワーゲンで組合選挙に勝利

2015-12-09

いずれチャタヌーガのフォルクスワーゲンでブルーカラー労働者全員を完全に組織化するであろう第42支部

いずれチャタヌーガのフォルクスワーゲンでブルーカラー労働者全員を完全に組織化するであろう第42支部

 テネシー州チャタヌーガのフォルクスワーゲンは米国南部で初めて、労働組合のある外資系自動車工場になる。インダストリオール・グローバルユニオンに加盟するUAWの第42支部は12月3~4日、この大規模工場で熟練従業員164人による職場選挙に勝利を収めた。

有能な2人のオルグ担当者:クリス・ニーダムとトレーシー・ロメロ

有能な2人のオルグ担当者:クリス・ニーダムとトレーシー・ロメロ

 熟練労働者は組立機械の維持修繕に従事しているので、工場の重要なブルーカラー労働者グループである。約71%が組合に賛成票を投じた。

 これは全従業員1,450人を対象とする完全な労働組合の結成に向けた前向きな一歩である。ベルトホルト・フーバー・インダストリオール会長は第42支部に書簡を送り、「皆様方の成功は労使関係の新時代の幕開けを象徴するものとなるでしょう」と祝福した。

 フォルクスワーゲンは全国労働関係委員会に上訴し、組合選挙はチャタヌーガ工場全体のブルーカラー労働者全員を対象に実施すべきだと主張した。この上訴は棄却されると予想される。

 UAWは2014年2月の全体職場選挙に僅差で敗れた。この選挙は、ひどい外部干渉のせいで自由でも公正でもなかった。テネシー州出身の上院議員は投票前、労働者がUAWへの加入に賛成票を投じれば工場は生産を拡大しないと虚偽の主張をした。

 UAWは、米国南部諸州で他の外資系自動車工場を組織化するために、キャンペーンを展開する予定である。同労組は現在、ミシシッピ州の日産とアラバマ州のメルセデスで、組合を求めている労働者を支援するために重大な労働権侵害と闘っている。

 マイク・キャントレル第42支部長は投票後に語った。「私たちは第42支部創設当初から、団体交渉に至る道は複数あると言ってきた。そして、これらの道をたどっていけば、やがてフォルクスワーゲンで労働者全員が発言権を得ることができると信じている」。第42支部は、可能な限り早く新しい交渉単位の団体交渉を開始すべく取り組むことにしている。

 ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は、チャタヌーガのフォルクスワーゲン工場で完全な労働組合が登録されるまで、そして登録後も、第42支部に国際支援を提供すると約束した。「私たちはチャタヌーガの第42支部の勇敢な同志と素晴らしいUAW組織化チームを誇りに思っている。チャタヌーガの労働者の大多数がUAWに加入したがっていることは分かっているが、反組合的な政治家や企業の干渉があるため、このような段階的アプローチが必要だ。この組織化は、いずれさらに大きな勝利を収めるだろう」

 

 

プロフィール:マレーシアで権利を求めて闘うオルグ

2015-12-04

マレーシアのPAPMYパナソニック工場でピケを張るEIWUの活動家たち 写真提供:EIWU

マレーシアのPAPMYパナソニック工場でピケを張るEIWUの活動家たち
写真提供:EIWU

 マレーシアのインダストリオール加盟組織12団体のうち2団体、電機産業労組(EIWU)と電子産業従業員組合連合(EIEU連合)は、この国で電子労働者を組織化するという困難な仕事に取り組んでいる。

 ここ50年間、マレーシアの国内総生産(GDP)は年率平均6.5%で増加しており、アジア諸国で最高の記録を達成している。好景気の電子産業は、この成長に貢献している大きな要因の1つである。

 この産業は、「東洋のシリコン・アイランド」と呼ばれるようになったマレーシア初の自由貿易地区バヤンルパスで1972年に誕生し、その後他の州に拡大した。

 2013年には、およそ35万人が電子産業で働いていた。そのうち最大60%が主としてインドネシアからの移民労働者だが、ネパール、バングラデシュ、ミャンマー、フィリピン、ベトナム、カンボジア、インド出身の労働者もいる。

 これらの移民労働者はほとんどが未組織で、高い就職斡旋手数料、低賃金や賃金の遅配・不払い、給付の不支給、危険な労働条件、不適切な宿泊設備など、職場で多数の問題に直面しており、法的保護が不十分であるために使用者による虐待にさらされやすい。労働者の約70~80%が女性である。

組合承認に関する法律

 インダストリオール加盟組織のEIWUとEIEU連合は状況を改善したいと考え、電子労働者の組織化推進を決めた。しかし、両組合は2つの深刻な問題に突き当たっている。マレーシアの抑圧的な労働組合法・労働法と、移民労働者とのコミュニケーションを妨げる言葉の壁である。それに加えて、専従オルグと弁護士も足りない。

 マニヤム・プーバンEIWU書記長は、労使関係法はマレーシアの労働組合にとって大きな障害だと言う。「この法律によると、労働組合は使用者による承認を申請しなければならず、それを受けて使用者が人的資源省への組合登録要請により、組合を承認するか否かを決める。人的資源省が承認を却下すれば、組合員は解雇から保護されない」

 無記名投票で組合支持率が51%に達すれば、承認を得ることができる。しかし、交渉単位の規模が法律で定められていないため、使用者は票を不正に操作することができる。例えば、投票権を持っていないが、棄権によって反対票を投じたとみなされる臨時労働者や移民労働者を追加することができる。このため、50%の最低基準を達成するのは難しい。

 しかし、問題はあるものの組合は意欲を失っていない。2014年、EIEUとEIWUは共に、ASEAN地域の電子労働者を対象とするインダストリオールの5カ年組織化プロジェクトに参加した。インドネシア、タイ、ベトナム、台湾のインダストリオール加盟組織の労働組合員600人が組織化訓練を受け、直ちに効果があった。

 マレーシアでは、経営側による強い抵抗と組合つぶし戦術にもかかわらず、EIEU北部地域が多国籍エレクトロニクス企業で900人を超える労働者の組織化に成功。初めて、移民労働者も対象とする団体交渉協約を取り決めた。

 マニヤムEIWU書記長は組合組織化活動についてこう説明する。「成功するか失敗するかにかかわらず活動を続けている。新しい会社を確認し、そこの労働者との接触を試みている。そして会合を開き、労働組合とその機能について簡単に説明している」

 女性の役割を承認するための措置として、2014年にインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織から成る女性委員会が設置された。EIWU代表のクマリが議長に選出された。女性の問題が議題に含められ、インダストリオール・マレーシア協議会の優先課題に組み込まれるよう確保していく。

 インダストリオールは2015年6月、マレーシアでICT電機・電子世界会議を開催した。この会議の主な議題は組織化と不安定労働との闘いだった。

 

レポート:産業革命インダストリー4.0が進行中

2015-12-04

 

日本の工場の組立ラインで従業員と並んで働く人型ロボット 写真提供:ロイター/Issei Kato

日本の工場の組立ラインで従業員と並んで働く人型ロボット
写真提供:ロイター/Issei Kato

フォックスコンは2020年までに生産ライン労働者の30%をロボットに置き換える予定 写真提供:ロイター/Bobby Yip

フォックスコンは2020年までに生産ライン労働者の30%をロボットに置き換える予定
写真提供:ロイター/Bobby Yip

 製造業の世界はとてつもない転換を遂げようとしている。一説によれば、私たちは今、物の作り方を変える第4の産業革命を経験している。そして、労働者に対する影響は極めて大きいだろう。

 インダストリー4.0は2011年にドイツで初めて作られた用語で、第4の産業革命とみなされる製造業のコンピューター化を指す。

 18世紀末に起こった最初の産業革命では、水と蒸気で動く機械を利用した製造業が誕生。第2の産業革命は20世紀初めに起こり、電力によって量産ラインが稼働した。3番目の革命は1970年代以降、アナログ機械生産からデジタル電子技術への移行とともに起こった。

 第4の産業革命、すなわちインダストリー4.0は、スマート技術とリアルタイム・データを利用して生産性を高め、コストを削減する。

 スマート工場で、人間が関与しなくても機械や保管・生産システムによって複雑な作業を行い、情報を交換し、互いに指示を出し合うことができる。

 アンゲラ・メルケル・ドイツ首相は2015年1月にダボスの世界経済フォーラムで演説し、インダストリー4.0を「オンラインの世界と工業生産の世界の融合に速やかに対処する」方法と呼んだ。

 インダストリー4.0は、モノのインターネット――ITシステムと通信し、センサーで検出できる技術を埋め込まれた物――に大きく依存している。

 クラウド・コンピューティングも、何十億ものセンサーや機器、それらが生み出す情報やデータの流れをサポートするために不可欠である。

 データ分析の進歩により、強力なソフトウェアによって、製造システムから送られてくるこのすべての情報(ビッグデータ)をリアルタイムで分析できるようになっている。これは多国籍企業に非常に大きなメリットをもたらし、サプライチェーン全体で最新の生産関連情報を利用できるようにする。また、企業は予測の精度を高めることによって、より敏感に景気動向に対応し、よりうまく計画を立てることもできる。

 さらに、3D印刷の発展に伴って研究開発コストを大幅に削減し、生産施設がまったく必要とされなくなる可能性さえある。

労働者はどうなるのか?

 デジタル化が新規雇用を創出することは間違いないが、創出量は部門によって異なるだろう。そして、ロボットがますます高度化して機械が相互に管理し合うようになる中で、労働力は必要とされなくなっていくのだろうか。

「実際にどのような影響が出るのかはまだ分からない」と、先ごろトロントで開かれたインダストリオール自動車作業部会で、この話題について語ったドイツの加盟組織IGメタルのクリスタイン・ブルンクホルストは言う。「反復作業や困難な仕事がロボットに任せられるようになり、労働者にとって人間工学的改善があるかもしれないが、労働者はスマート工場について行くために新しい技能を速やかに伸ばす必要がある」

 自動車部門でスマート化しているのは生産方法だけではない――ネットに接続された自律走行車が自動車産業と運転そのものを再び変革するかもしれない。

「新技術の計画、構成および維持の分野では大量の新規熟練雇用が生まれる可能性があるが、低熟練労働者は割を食うだろう」とブルンクホルストは言う。

 スマート技術やスマートシステムは、労働者の行動や業績の幅広い管理・監視につながるおそれもある。スマート工場は個人の柔軟性に依存するところが大きく、不安定雇用が増えると予想される。

 IGメタルは現在、従業員代表委員会に迫り来る変化を認識させようとしており、労働者に対する影響を評価する研究を計画している。「現在のところ、これらの新技術は自動車業界で確立されているので、私たち労働組合は移行に影響を及ぼそうとしている」とブルンクホルストは言う。

 一方、120万人を雇用するiPhoneメーカーのフォックスコンは、5年後には生産ラインで働く労働者の30%をロボットに置き換えると発表した。

 松崎寛インダストリオールICT電機・電子担当部長は言う。「インダストリー4.0は想像を絶するスピードでさまざまな産業に浸透していくだろう。労働組合は、雇用や労働条件、労働者の権利に対する大きな影響に備え、公正な移行に向けた活動に集中しなければならない」

 

各国政府が鉄鋼危機めぐり討議、中国は欠席

2015-12-03

スペインのアルセロール・ミッタル工場

スペインのアルセロール・ミッタル工場

 OECDハイレベル鉄鋼委員会はフランスのパリで最新の会合を開き、現在のグローバルな鉄鋼危機について議論した。鉄鋼部門にとって重要なこの時期、参加した政労使関係者140人以上の中に、ある国の政府当局者の姿はなかった――中国である。

 フェルナンド・ロペス・インダストリオール書記次長は次のように述べた。「どの国の政府であれ、自国の利益になると思う国際機関には加わり、難問を突きつける機関からは手を引こうとする態度は容認できない」

 この部門の最新情勢を見ると、全世界で発生している貿易問題の約30%が鉄鋼部門関連である。現在、鉄鋼部門は貿易を歪曲する措置の影響を最も大きく受けており、実施されたすべての措置のほぼ20%が鉄鋼部門に影響を与えている。

 鉄鋼にかかわる不公正取引事件は急速に増加しており、これまでにない高水準に達している。現在貿易措置が増加している主な原因は過剰生産能力で、その結果、世界の鉄鋼市場が供給過剰に陥り、貿易が混乱している。インダストリオールは2015年ピッツバーグ宣言で、中国は9,000万トンの鉄鋼を世界市場で投げ売りしているとの見方を強調した。

 中国、エジプト、パキスタン、インドネシア、インド、マレーシア、モロッコ、タイ、トルコなど、これまで一般に鉄鋼貿易救済措置を利用していなかった国々が、今ではそのような手段に訴えている。

 鉄鋼部門にとって重要なこの時期に、インダストリオールはOECDへの提出物の中で下記5項目の再生計画を示した。

1. OECDは現在行われている鉄鋼ダンピングをなくすために、より積極的な役割を果たし、WTOルールの尊重を確保しなければならない。
2. OECDは鉄鋼部門の状況を正常化するメカニズムを検討・勧告すべきである。そのようなメカニズムの1つは雇用調整税だろう(これは国境調整税のような機能を果たすだろうが、評価基準の中で現地の雇用に対する影響を調べなければならない)。
3. OECDは、ハイレベル鉄鋼委員会の関係者全員が責任を持って行動し、自らの措置に対して説明責任を負うようにすべきである。
4. 今後の会合の議題に必ず、進行中の貿易事件とその当事者に関する最新情報を盛り込むべきである。
5. OECD事務局は、現在の状況を放置した場合に、加盟国で鉄鋼業の今後の持続可能性にどのような影響があると予想されるか調査すべきである。

 ロブ・ジョンストンがインダストリオールを代表して発言し、参加者に以下のとおり伝えた。「この部門が直面しているのは、もはや単なる問題ではなく、危機と言っていいことは明らかだと思う。無策の代価として組合員は雇用や地域社会を失っている。行動が必要であり、今こそ行動を起こす必要がある」