広報ニュース

第32号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2015年1月)

トルコで金属労働者のスト禁止

2015-01-30

 

ビルレシク・メタル・イスの要望の横幕

トルコ政府は、インダストリオール加盟組織ビルレシク・メタル・イスが1月29日に19社で開始した金属産業のストを延期するために、内閣命令を発布した。この命令は、2月19日にストに入る予定の18社も対象としている。

 トルコの労働組合および労働協約に関する法律(第6356号)には、次のような規定がある。「閣僚会議は、要求または開始された合法的なストまたはロックアウトが公衆衛生または国家安全保障を損なう場合、命令によって60日間にわたり当該ストまたはロックアウトを停止することができる。この停止は、命令発布日に実施されるものとする」

  レジェップ・タイップ・エルドアン大統領、アフメト・ダウトオール首相および全閣僚が署名した政令は、この金属労働者のストを「国家安全保障を損なう」ものとみなしている。

  これはトルコの労働組合にとって初めての経験ではなく、2014年にも政権側は同じ主張に基づいてガラス部門と鉱業部門のストを禁止した。

 「トルコにはもはやスト権が存在しない」と、ケマル・ウズカン・インダストリオール・グローバルユニオン書記次長はコメントした。「この基本的権利は、トルコ憲法とトルコ政府が批准した国際基準によって保証されているが、紙の上でしか存在せず、現実には存在しない」と述べた。

  同法には次のような規定もある。「停止期間の有効期限前に合意に達しない場合は、6労働日以内に一方当事者から申請があれば、高等調停委員会が争議を解決する。申請がなかった場合、労働組合の権限は無効になるものとする」

  60日経過後にストを継続できる見込みがまったくないため、これは明らかに、いわゆる「延期」が実質上「禁止」であることを意味する。

 インダストリオール加盟組織ビルレシク・メタル・イスは、必ず国家評議会に政令の破棄を申請し、ストを継続できるように命令執行の停止を求める予定である。

  しかし、2014年のガラス産業事件で、国家評議会は過去の判例に反し、基本的権利の保護ではなく経済論議に基づいて政府に有利な判決を下したため、楽観視することはできない。

 ケマル・ウズカン書記次長はさらに、「トルコ政府が無謀にも基本的権利を侵害しているのは恥ずべきことだ。しかし、私たちは決してあきらめず、ビルレシク・メタル・イスへの支援・連帯を続けていく」と述べた。

 

トルコで金属労働者の大規模ストとグローバルに連帯

2015-01-29

 

トルコ金属部門のスト風景

インダストリオール・グローバルユニオンは、1月29日に始まった金属部門のストで、加盟組合ビルレシク・メタル・イスに対する支援を動員している。このストはトルコの金属産業で1万5,000人が働く約40の職場を対象としている。

  ビルレシク・メタル・イスの組合員は、金属産業使用者団体MESSとの3カ年労働協約案を拒否し、スト実施を票決した。

  ストの主な要求は以下のとおり。

●金属部門の低賃金を引き上げること。

●雇用区分や勤続年数による大きな賃金格差を縮小すること。

●協約期間を3年ではなく2年に維持すること。

 インダストリオール・グローバルユニオンのケマル・ウズカン書記次長は、「トルコの金属産業は、もっと高い賃金を払うことができるのだから、払わなければならない。私たちは、尊厳のある公正な賃金を求めて断固闘うビルレシクの同志を強く支持している」と述べた。

  この大規模ストは今日午前9時、大々的で活気に満ちた行進、動員およびピケによって始まった。ビルレシクは関連企業を2つに分け、うち半分で今日、残り半分で2月19日にストを行う。

  ビルレシクが組織化する関連40社のうち5社が労働法を悪用し、主にホワイトカラー従業員に圧力をかけ、8工場で職場スト権投票を要求させようと試みた。労働省が実施した5件のスト権投票すべてで、ストが全面的に支持された。

  関連企業の大多数が、ドイツ、フランス、アメリカ、オランダ、日本などに本社がある国際サプライヤーで、電気・暖房・機械システムを製造している。インダストリオールは、それらの多国籍企業に接触し、組合と会談して労働者の要求について誠実に協議するよう求めている。

  社員がストを票決したときにトルコの使用者が一般的に用いるもう1つの反組合的方法は、政府に対し、いわゆる「公衆衛生」と「国家安全保障」に関する論議に基づき、ストの60日間延期を要求することである。この悪しき労働法は、公衆安全または安全保障を危険にさらす場合はストを延期できるようにしており、実質的にストを完全に禁止している。

 スト中はビルレシクのスタッフ全員が無給で働き、すべての資源をこの行動に投入できるようにしている。インダストリオール・グローバルユニオンは来週、ピケに参加する。

 このページからスト中のビルレシク組合員に連帯メッセージを送ろう。

 

 

 

CTMが法廷審問でテクシッド、ガンダーソンおよびピトコの労働者を威嚇

2015-01-29

 

メキシコ・モンクローバの地方調停・仲裁委員会ビルを取り囲んだ非独立系のメキシコ労働組合連盟(CTM)から派遣された350人の暴漢たち

1月22日、非独立系のメキシコ労働組合連盟(CTM)から派遣された350人の暴漢が、メキシコ・モンクローバの地方調停・仲裁委員会ビルを取り囲んだ。同委員会は、ガンダーソン、テクシッドおよびピトコで、どの組合が団体交渉権を持つべきかに関する投票の予定を組んでほしいという全国鉱山労組(SNTMMSRM)の要請を審理していた。

 ビルの中にいたのは、鉱山労組組合員50人、同労組の法定代理人、テクシッドのイタリア人オブザーバー、CTM代表である。

 労働協約はテクシッドで900人、ガンダーソンで1,800人、ピトコで150人の労働者を対象としている。これら各社の労働者は全国鉱山労組への加入希望を表明しており、CTMの代表権に異議を唱えている。

民主的組合を求めて

 フィアット・クライスラー・グループ傘下のテクシッド・イエロの労働者は、2014年初めから自分たちの権利を求めて闘っている。4月18日、同社は3人の労働者を解雇し、80~100人の暴漢が、労働者の利益を擁護していないCTMではなく民主的組合への加入を決定した別の労働者11人を攻撃した。

  団体交渉のために民主的に代表を選出する労働者の権利は、国際労働機関(ILO)第87号条約によって保護される基本的権利である。したがってテクシッド・イエロは2014年4月22日、CTMではなくSNTMMSRMが同社従業員を代表すべきであることに同意した。同社は、解雇された労働者を復職させ、スト中の労働者に対して報復しないことも約束した。

  2014年5月、SNTMMSRMは労働者を代表するために闘いを開始し、同社の利益分配制度の一環として労働者に支払われる金額の少なさに不満を抱く労働者を勧誘した。4月の労働者および鉱山労組との合意に反して、テクシッドは11月26日、労働者のスポークスウーマン兼指導者であるイメルダ・ヒメネスを含む17人の労働者を解雇した。

連帯で暴力を回避

  昨年の暴力事件を教訓に、同労組はモンクローバの審問でさらなる暴力行為を防ぐために対策を講じ、連邦当局の注意を喚起するとともに、代理人とラウル・ベラ司教に助けを求めた。この連帯によって十分に、さらなる暴力行為を回避することができた。

 審問は2月25日まで延期された。その間にSNTMMSRMは、テクシッド、ガンダーソンおよびピトコの労働者が、CTMにとどまるかSNTMMSRMに移るかを決定できるようにするため、地方委員会を迂回して連邦委員会から投票の許可を取り付けようとしている。

  インダストリオール・グローバルユニオンとその加盟組織は、引き続き密接に状況を監視していく予定であり、民主的組合を求めて闘う3社の労働者の要求に無条件の支援を表明している。

 

1月29日にトルコで金属労働者数千人がスト決行へ

2015-01-14

 

スト決定の記者会見

 インダストリオール加盟組織のビルレシク・メタル・イスは今日、1月29日の金属産業スト決行を発表した。このストには、トルコの約40社で働く1万5,000人前後の労働者が参加する。

 ビルレシク・メタル・イスは、トルコの金属産業使用者連盟(MESS)との部門レベル交渉が決裂したあと、この決定を下した。使用者側の提示は組合の大集会で拒絶された。スト決定の対象は、シュナイダー、アルストム、マーレ、アペラム、ABB、ボザール、ベカルト、デルファイ・オートモーティブ、フェデラル・モーグル、プリズミアン、いすゞといった多国籍企業である。

  ビルレシク・メタル・イスは交渉の初めに憲章で、低賃金労働者と新規労働者の追加的改善を要求した。MESSは、この重要な要求を拒否し、これまで2年だった協約期間を3年に変更するよう主張した。トルコ経済が不安定な状況にあり、長期協約は組合員の購買力を低下させるため、ビルレシク・メタル・イスは、この主張は受け入れられないと判断した。

  その一方でMESSは、他の2つの金属労組と労働協約を締結している。ビルレシク・メタル・イスは、ゲブゼでの労働者全員による大集会と、交渉対象企業の職場委員全員による総会を経て、当初の要求を断固貫いてストを決行することを決定した。

本部での記者会見に臨むセルダログル会長(中央)

  ビルレシク・メタル・イスが全国レベルで加盟しているトルコ進歩労働組合連合(DISK)本部での記者会見で、アドナン・セルダログル会長はスト決定を発表し、「私たちは1月10日に状況全体を評価し、中央交渉委員である職場代表たちは、どんな犠牲を払っても不当な要求をすべて受け入れることは拒否し、ストを決行するという見解を表明した」「私たちは、今日の闘いから明日を目指す組合員、明日のために闘う組合員が生まれることを知っている」と述べた。

  ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は支援と連帯のメッセージで、組織としてこのストを全面的に支持するとして、「適正な賃金・労働条件を求めて闘うためにストを決行するという皆様方の決定に敬意を表します。全加盟組織に対し、ビルレシク・メタル・イスに支援・連帯を表明するよう促します。インダストリオールは、皆様方の闘いを支援するために今後ともできる限りのことをしていく所存です」と述べた。

スト決行の記者会見を終え、共闘の連帯の握手をするイス組合リーターたち