広報ニュース

第17号インダストリオール・ウェブサイトニュース2013年11月4~13日)

気候変動は労働運動にとって脅威

2013-11-13

 インダストリオール・グローバルユニオンは気候対策の不備の解決策を提言する。すなわち、持続可能な産業政策を実施するための公正な移行であり、これは現在および将来の労働者のために希望に満ちた未来を生み出すものである。

 気候変動は、労働運動が支持・推進するものすべて、すなわち公平、社会的公正、ディーセント・ワーク(尊厳ある労働)を脅かす。科学は明確であり、気候の混乱を制御―もはや予防ではなく制御―する措置の必要性は明白かつ緊急である。最新の気候協議(COP19)と同時期に到来した台風ハイエン/ヨランダは、各国が確固たる意欲的な排出削減目標を緊急に受け入れる必要があることを明らかにしている。

 驚くに当たらないが、措置を先送りするために偽情報キャンペーンや雇用に関する脅迫が盛んに行われている。これは科学とは無関係であり、気候変動対策によって価値が損なわれるかもしれない数兆ドル相当の化石燃料のことしか考えていない行動である。 同様に、労働者に心から配慮する行動でもない。いま雇用を気づかうふりをしながら気候対策を否定している企業・政府は、数十年前から労働者と労働組合を攻撃してきた張本人なのである。

 ユルキ・ライナ・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は次のようにコメントしている。「これは階級闘争だ。億万長者が自分たちと資産の安全な避難所を準備している一方で、労働者が、そしてまた不公平なことに世界の最貧困層が気候変動の代償を払わされることになる」と。書記長は続けて、「各国政府は市民と将来世代のために今すぐ行動を起こさなければならない。私たちが求めているのは、温室効果ガス排出に関する公正かつ意欲的で拘束力のある協定であり、持続可能なエネルギー産業のディーセントな雇用と効率的でよりグリーンな生産を生み出す持続可能な産業政策であり、万人が公平・確実に食料や水、エネルギーを利用できる状況だ。そして、ここからその未来に到達するには公正な移行が必要だ」と述べている。

 変換が起ころうとしている。選択肢は、その変換が水やエネルギー、沃地などの資源をめぐる暴力的な争奪戦になるか、人権や社会的保護を完全に無視する生き残りをかけた土壇場の必死の措置になるか、それとも、現在の労働者を尊重・保護しつつ持続可能な産業で新しいディーセント・ワークを生み出す秩序正しい公正な移行になるかである。「カジノ経済はこれらの問題を解決しない温室効果ガス削減努力の影響を受ける可能性のある産業の労働者も含めて、すべての労働者にとって希望に満ちた未来を計画しなければならない。それこそ社会的公正だ」とライナ書記長は述べている。

 ユルキ・ライナ書記長は次のように結論づけた。「気候変動を無視したり、擁護できない主張を最後まで繰り返したりしても信憑性がない。もちろん、私たちには雇用や経済を心配する責任があるが、滅びた惑星に雇用は存在しない」と。

 

インドネシアで暴力を代償に最低賃金引き上げ

2013-11-08

 1031日と111日の全国デモで、インドネシアの労働者150万人が街頭に繰り出した。要求のいくつかは満たされたが、一部の地域で抗議行動に対して暴力が行使された。

 労働者の要求は、最低賃金の50%引き上げ、2019年までの段階的実施ではなく201411日からの国家医療保障制度の一斉実施、外部委託の撤廃、家事労働者に関する法律の制定、大衆組織法の廃止だった。ストの結果、いくつかの地方政府が最低賃金の3040%引き上げを約束した。しかし、ジャカルタ州知事はわずか9%の増額を選んだ。

 インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織FSPMIおよびインドネシア労働組合総連合(KSPI)のサイド・イクバル会長によると、「この増額では生活費をカバーできないため、『非現実的かつ不合理』である」と述べている。

 全国デモのあと、ボニー・ディアナント・インダストリオール東南アジア太平洋地域事務所代表がインドネシアを連帯訪問した。ボニー・ディアナント代表は労働組合代表と会談し、生活賃金と基本的な社会的保護を支援するというインダストリオール本部のメッセージを伝えた。

デモの暴力的終結

 合法的かつ平和的な抗議が雇われた暴漢に攻撃され、労働者28人が負傷した。うち17人が重傷で入院中、3人は重体である。この事態にサイド・イクバル会長は、「「労働者は権利を求めて闘っているときに攻撃された。警察はこれが起こるに任せ、暴漢が武器を持って労働者を襲撃する状況を放置した。これは悲劇であり、インドネシアの民主主義は脅威にさらされている。警察は事件の責任者を見つけ出し、法的措置を取る必要がある」と憤慨している。

ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は、インドネシアでのこの平和デモ参加者に対する攻撃に対して、「この人権と労働者のスト権の侵害はまったく容認できない。インダストリオールは暴力を非難し、インドネシアの状況を注意深く監視していく」と激しく非難した。

 

インドネシアのストが暴力的に終結

2013-11-05

 1031日と111日にインドネシアで全国ストが実施され、150万人以上が参加した。ほとんどの地域で平和デモが行われたが、暴力行為によって負傷者が出た。

 インドネシアの全国デモに合計150万人の労働者が集まり、特に最低賃金の引き上げを要求した。平和デモの呼びかけにもかかわらず、激しい衝突が発生した。デモ参加者17人が負傷し、1人は今も重体である。

「私たちは安全なデモを望んでいたが、自警武装集団が角材やナイフで労働者を攻撃した。政府・使用者が自警団に報酬を払ったとされている」と、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織FSPMIおよびインドネシア労働組合総連合(KSPI)のサイド・イクバル会長はコメントした。

 2日間のストを経て、ジャカルタ州知事と使用者団体は同州の最低賃金について合意した。労働組合によると、新しい最低賃金はまだ低すぎ、増額率9%はインフレ率以下で、低賃金制度への逆戻りになるという。

インダストリオール・グローバルユニオンのユルキ・ライナ書記長は、「インドネシアの組合員とその闘いを支持する。労働組合間の団結を引き続き強化し、政府・使用者によるこの労働者分断工作を阻止できるよう絶えず支援していく」と述べた。

 

 

全米自動車労組がケンタッキーでフォルシアを組織化

2013-11-04

 米国ケンタッキー州の自動車関連サプライヤー、フォルシア・インテリア・システムズで働く労働者の過半数が、労働者の利益を代表する組合として全米自動車労組(UAW)を承認した。選挙は20131025日に行われた。組合によると、この結果、工場の労働者172人が組合を通じて発言権を得ることになった。

 フォルシアのケンタッキー工場は2011年に開設され、フォードモーター社のルイビル組立工場やカンザスシティーのゼネラル・モーターズ社フェアファックス組立工場で製造される車両向けに自動車内装を生産している。

 UAWはケンタッキーでの組織化の成果達成に先立って、アラバマ州コットンデールにある別のフォルシア工場で労働者を組織化した。その工場では20127月、メルセデス・ベンツMクラス・スポーツ・ユーティリティー・ビークル用の座席を製造する労働者が組織化に成功し、賛成過半数で組合加入を票決した。UAWは、ルイビルとコットンデールのフォルシア工場およびアラバマ州タスカルーサ郊外のジョンソン・コントロールズでの組織化成功により、南部の自動車工場で存在感を高め続けている。

 UAW8地区責任者のゲーリー・キャスティールは、新規組合員に対して「皆さんをUAWファミリーに喜んでお迎えする」と挨拶し、次のように述べた。「至るところの、特に南部の自動車工場の労働者が、職場の民主主義に強い関心を示しており、労働組合に加入するという決定が正しい措置であることを知っている。これらの男女労働者は懸命に働いており、労働組合に加入すれば雇用保障が得られるだけでなく、家族と地域社会のためにもなることを理解している。フォルシアは、過半数承認プロセスの利用に同意し、不和を生じさせる破壊的な時代遅れの選挙プロセスに労働者を追い込む反組合的アプローチを採用しなかったことでも評価に値する」