広報ニュース

第21号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2014年2月3~14日)

インダストリオール、スペインのスト権非合法化に反対

2014-02-14

 インダストリオール・グローバルユニオンはスペインの司法長官に対し、2010929日にゼネストに参加したあと禁固8年を求刑されているエアバス組合員たちの公正な裁判を訴えた。インダストリオール加盟組織FI-CC.OOおよびMCA-UGTの組合員である8人の労働者が、マドリードのヘタフェで航空機部品を製造する従業員2,000人以上のエアバス工場前でデモをしたあと逮捕された。 長引く公判を経て、組合員たちの出廷が迫っており、検察側は各人に禁固83カ月を求刑している。

 「この過度に長い刑期は罪状とまったく不釣り合いであり、スペインにおけるスト権の非合法化に向けた危険な一歩だ」「民主主義に対する侮辱であるのみならず、ポスト・フランコ時代には前例のない動きでもある」とユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は述べている。

  インダストリオールはスペインの司法長官に書簡を送り、正当な権利を行使してエアバス工場前でデモを実施していた労働者に対する冤罪と極端な求刑を非難した。 この書簡はスペイン当局に対し、労働者の権利を侵害する政策を廃止して民主的自由の弾圧をやめることも求めている。

「労働・労使関係の臨時雇用化、失業、福祉削減、労働権の撤廃から労働者階級を守るためにデモをしていた8人の労働者について、公正な裁判を要求します」とライナ書記長は書簡の中に書いている。

 FI-CC.OOMCA-UGTは、この冤罪事件は労働組合組織に対抗するスペイン当局の幅広いキャンペーンの一部だと考えている。

 インダストリオールはFI-CC.OOおよびMCA-UGTとともに、司法手続きが労働組合員の迫害だけに集中しており、2010929日に警察が虐待的な不法行為によってデモ参加者に発砲し、数十人を負傷させた事実を考慮していないことも疑問視している。

 

インドネシアの最低賃金を生活賃金並みに!

2014-02-14

 

インドネシアの首都ジャカルタに結集した3万人の労働者

 インダストリオール加盟組織FSPMI/総連合KSPIのサイド・イクバル会長は、2月14日、インドネシアの首都ジャカルタで開かれた記者会見で、インダストリオール・グローバルユニオンのユルキ・ライナ書記長とともに、インドネシア政府に対して、「低賃金を生活賃金レベルに引き上げ、すべての労働者が社会保障の利益を得られるようにしなければならない」との明確なメッセージを送った。

 ユルキ・ライナ・インダストリオール・グローバル・ユニオン書記長は、インドネシアの労働組合によるキャンペーンに対し、インダストリオールの全面的な支援を表明した。このキャンペーンは、生活賃金を確保するための継続的な最低賃金増額、社会保障改革、ディーセントな雇用に向けた外部委託の制限を要求している。

 ユルキ・ライナ書記長は2月13日(木)に労働省長官と会談し、「賃上げは恐れるようなものではない」というメッセージを伝えた。記者会見で同書記長は、「昨年、多くのアジア諸国で最低賃金が引き上げられた。バングラデシュの労働組合は2013年に何とか77%の増額を獲得したが、中国の最低賃金はすでにインドネシアより高い。インドネシアの労働者とその家族は、そろそろ自分たちが実際に創出に貢献した利益の分け前を受け取らなければならない」と述べた。

 サイド・イクバルFSPMI/KSPI会長は、「組合側は2015年に最低賃金の30%引き上げを求める」と述べ、「福祉国家を建設したければ十分な最低賃金が必要だ。私たちはもう待たない」と訴えた。

 今週、3万人の労働者が最低賃金の引き上げと政府が約束した国民健康保険への適用を求めて結集し、KSPI組合員も多数参加しジャカルタの街頭に要求実現を求めてデモ行進に繰り出した。

 国民皆保険は本年2014年1月からインドネシアの全国民に適用されることになっているが、まだ1,000万人以上が適用を受けていない。現在、201571日実施で合意済みの年金改革の確保に対する関心が高まっている。社会保障の拡充は、労働者がインフォーマル・セクターからフォーマル・セクターに移動するうえで役立つと言われている。すでに採択された年金改革を妨害しようとする使用者側の試みは、社会の平和と、全市民の繁栄に向けたインドネシアの前進を妨げる脅威となっている。

 ユルキ・ライナ書記長は次のように結論づけた。「インドネシアの労働組合は多くを達成したが、これからも闘いが待ち受けている。しかし、労働組合の団結力と要求実現への熱き情熱、そして強固な組織力によって、最低賃金が適正賃金に近づくことを私は確信している。インドネシアの労働組合の今回のキャンペーン行動は、私たちインダストリオールの加盟組合全員に良い刺激を与えてくれる」

 

加盟組織が産業開発における組合の意見の重要性を強調

2014-02-13

 インダストリオールは、持続可能な産業政策に関して政府・企業に影響を及ぼすという戦略的な目標を掲げて前進している。強力な産業政策を促進し、労働者が関連産業の今後の方向性に関して発言権を持てるようにするというアクション・プランの目標に沿って、加盟組織と一連の地域協議を実施した。

 この協議の結果は、加盟組織が計画している今後の措置に関する情報とともに、6カ国語で発表されたばかりの最新文書に記載されている。 日本語版のダウンロードは下記をアクセスしてください。

 http://www.industriall-union.org/sites/default/files/uploads/documents/Sustainability/Update/template_jp_v3.pdf

  インダストリオールの持続可能な産業政策イニシアティブにおける次の段階は、関連組合と協力して各産業部門別の行動計画を立案することだ。これらの計画は今後1年間に、関連加盟組織が各部門別活動の中で立案する。

  主要な行事は20144月にマドリードで開かれるインダストリオール・エネルギー会議で、加盟組織がエネルギー部門における持続可能性への取り組みを討議する。これはさらに、エネルギー政策に関するインダストリオールの視点を形成するうえでも役立つだろう。

 すべての加盟組織に対し、進展について実質的な討議が行われる2016年の次期大会に向けて、インダストリオールの持続可能な産業政策の策定に関与するよう勧める。

 ユルキ・ライナ書記長は加盟組織に最新情報を発表した際、次のように語った。「関連産業と雇用、地球の未来に関する決定を多国籍企業と市場要因に任せることはできない。インダストリオールを通して、産業労働者の意見を考慮させることができる」

 

ホンダ・メキシコの組合員迫害を阻止せよ!

2014-02-11

 インダストリオール・グローバルユニオンに加盟するホンダ・メキシコ合同労組(STUHM)の指導者3人と同伴していた活動家1人が、ホンダ工場の外でリーフレットを配布していたところを拘留された。警察官は逮捕に際して過剰な実力を行使し、数時間監禁して身体的・精神的な拷問にかけた。

  組合幹部たちは、組合を支持する最近の判決を労働者に知らせるために、25日午後に工場の外でリーフレットを配っていたときに逮捕された。拘留されたのは、組合員のラウル・セレスティノ・パラレスとエステバン・アセロ、ラウル・ロハス、それに同伴していた活動家1人である。

 警察によると、拘留の理由は治安妨害だという。うち2人は罰金を払ったあと釈放された。残る2人の指導者は送検され、警察官に対する傷害未遂で起訴された。

 ホセ・ルイス・ソロリオSTUHM書記長によると、指導者の1人はちょうど書記長に電話をかけていたときに警察官に攻撃された。これは組合に追い打ちをかける弾圧行為である。指導者たちは警察車で移送中に暴行を受けた。拘留中、精神的拷問にかけられ、絶えず銃口を向けられ、火のついているタバコを皮膚に押しつけられた。

 STUHMは、警察が「STUHMの活動を妨害するために不合理な過度の重罪で起訴する」ことによって、組合員2人の拘留を継続すると威嚇したことを確認した。

 2人の組合員は他の労働組合と市民社会組織からの圧力のおかげで釈放された。しかしソロリオ書記長は、STUHMに対する弾圧・威嚇の即時中止を要求し、次のような警告も発した。「この野蛮な行為にも、組合員は落胆したり怯えたりしない。労働当局は職場選挙を実施し、労働者が団体交渉で自分たちを代表する組合を選べるようにしなければならない」

 STUHMは、すべての労働組合と市民社会組織、一般大衆に対し、事態の行方を見守り、「私たちはこの闘いで決して屈しないので」STUHMとの連帯を表明するよう求めている。

 インダストリオール・グローバルユニオンは、STUHMを支持する判決(http://www.industriall-union.org/legal-victory-for-honda-workers-independent-union-in-mexico)の直後にこの種の威嚇が発生したことを非難するとともに、当局と会社側に対し、自ら選んだ組合に加入する労働者の権利の尊重を改めて要求している。

 

インドで投獄されたマルチ・スズキ労働者の釈放求めて2,000人がデモ行進

2014-02-03

 2,000人を超えるデモ参加者が1月31日(金)にインド・ニューデリーの街頭でデモを繰り広げ、20127月に逮捕されたマルチ・スズキ労働者147人の釈放を求めた。

 インドの首都ニューデリーにあるジャンタル・マンタルで131日に行われた大規模なデモは、2014115日に隣接するハリヤナ州で始まった2週間のパダヤトラ(大行進)の最後を飾った。

  労働者とその家族、学生、社会運動家がマルチ・スズキ労組の旗の下に集まり、労働者147人の即時釈放と停職中の労働者2,300人の復職を要求した。

  また、2012718日にマネサールのマルチ・スズキ工場でアブニシュ・クマール人事担当部長が亡くなった事故の司法調査も求めた。

  デモ終了後、インド大統領への要求書が手渡された。

 著名な組合指導者のタパン・クマール・セン議員が、国内外の資本主義集団に対抗するマルチ・スズキ労働者の持続的な闘いを称賛した。有名な社会運動家のアルンダティ・ロイとヨーゲンドラ・ヤーダブも、インド政府の反労働者的政策を批判した。

 インダストリオール南アジア地域事務所のSMF・パシャが、マルチ・スズキの労働者とその家族への連帯メッセージを発表した。

 この抗議行動は、AITUCHMSCITUNTUIAIUTUCSarva Karamchari Sangh-Jal Board労働者、Samtamulak Mahila SangathanJanrang-Delhiをはじめ、他の多くの労働組合によって支持された。

  デモ参加者は最後に、当局が要求に応じるまで労働者を支援すると誓約した。