広報ニュース

第44号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2015年11月))

インダストリオール・グローバルユニオンとH&Mがグローバル枠組み協定を締結

2015-11-03

 5,000万人の労働者を代表する世界最大の部門別労働組合組織インダストリオール・グローバルユニオンと世界有数の衣料小売会社H&Mは、スウェーデンの労働組合IFメタルとともに、衣料労働者160万人の利益を保護するグローバル枠組み協定を締結した。
 この革新的なグローバル枠組み協定(GFA)は、H&Mのサプライチェーン全体で労働者の基本的権利に対する取り組みを新たな水準に引き上げている。協定の対象は、H&Mの仕入先メーカーが運営する約1,900の工場で雇用される衣料労働者160万人である。
 この協定は、労働市場における両当事者の連携は、衣料労働者のための継続的改善と適切に機能する労使関係の創出にとって重要である、という共通の信念に基づいている。
 H&Mが最初に署名した画期的な「バングラデシュにおける火災予防および建設物の安全に関わる協定」の立案者の1人であるユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は、このGFAについてこうコメントした。「この協定はインダストリオール・グローバルユニオンとH&Mとの関係に刺激的な新しい一章を開くものだ。組織労働者、建設的な労使関係、産業レベルの労働協約を通した生活賃金、安全な職場に基づく持続可能な衣料産業への道筋を固めている」
 H&Mのカール・ヨハン・パーソンCEOは次のようにコメントした。
「団体交渉をはじめ適切に機能する労使関係は、サプライチェーンで公正な生活賃金を達成し、労働条件を改善するうえで鍵となる。インダストリオールおよびIFメタルとの連携は、この分野ですでに進行中の活動に貢献するとともに、安定した調達市場の創出に役立つと私たちは信じている」
 この協定は、まずカンボジアやバングラデシュ、ミャンマー、トルコといった国々で国家監視委員会の設置を計画しており、工場の生産現場から上に向かう協定の実施を保護し、労働市場で両当事者間の対話を促進しようとしている。
 この連携は、労使間で適切に機能する対話を促進することによって、紛争を平和的に解決し、紛争が発生した工場レベルで主に取り組むことも目指している。
 アンデシュ・フェルベIFメタル会長は次のようにコメントした。
「この協定は国家レベル・国際レベルで、労働市場の両当事者から成る独自の委員会制度を生み出す。労働組合と組合員、サプライヤー、使用者団体はもちろん、現在、労働組合が存在しない工場の使用者とのコミュニケーションや訓練も通して協約を実施することが、最も重要な任務になる」
 このGFAは以下の通り定めている。

●関連ソーシャル・パートナー間で、工場レベル、企業レベルおよび産業レベルにおいて労働協約の締結を共同で促進する。
●労働者は、安全衛生に関する権利の一部として、危険な作業を拒否する権利を有する。
●両当事者は、使用者責任、労働者の権利・義務、労使関係、団体交渉協約、平和的な紛争解決に関して、労使双方の代表を対象に訓練を行う。
●H&Mは、自社の直接サプライヤーが職場で人権・労働組合権を尊重するよう確保するために、可能な限りの影響力を積極的に行使する。
●労働者代表は差別されず、職場で代表機能を遂行するための立ち入り権を有する。
グローバル枠組み協定
 グローバル枠組み協定(GFA)は、締約多国籍企業のすべての事業で雇用される労働者の利益を保護する。
 GFAは労働組合と企業がグローバル・レベルで取り決める。労働組合権、安全衛生および労使関係原則に関する可能な限り高い基準を定めており、その国に存在する基準にかかわらず、企業は全世界の事業でこれを遵守しなければならない。

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