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第58号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2016年8月26日)

インダストリオール、安全性めぐり主要リフト/エスカレーター会社に要求

2016-07-19

インダストリオールは世界有数のリフト/エスカレーター会社4社に要求を突き付け、この部門における安全性向上を求めた。

インダストリオールはティッセンクルップ、オーチス、シンドラー、コネに書簡を送り、リフト/エスカレーター設置・保守の安全性向上に向けた詳細な目標を示すとともに、その目標を達成する方法についての協議を申し入れた。

この部門のインダストリオール加盟組織の代表が昨年ベルンの機械エンジニアリング会議で採択した要求決議がまとめられ、このたび発表された。「リフト/エスカレーター部門における労働面・技術面の安全性」と題する決議は部門の使用者に対し、労働者と技術者、顧客の安全を確保するために組合と協力するよう求めている。

インダストリオール機械エンジニアリング部会長を務めるオーストリアの加盟組織PRO-GEのライナー・ウィンマー会長はこう述べた。

「リフト/エスカレーター技術者・設置者の安全第一は言うまでもないが、利用者と顧客の安全も確保しなければならない。この部門で事故や災難を避けるために、できる限りのことをしなければならない。だから、私たちは使用者に労使共同の取り組みを要求している。特に、今後は認定・承認された会社や技術者だけに、リフト/エスカレーターの設置や保守を許可するよう求める。専門訓練を受けた人だけを技術者として雇用すべきだ。技術的専門知識のない下請業者に外部委託し、その下請業者が無資格の契約労働者を雇用するという流れを断ち切らなければならない」

この決議は、この部門のインダストリオール傘下組合による8項目の中核的要求を盛り込んでいる。

1. 設置・保守は、部門の規則に従う登録企業が行わなければならない(すなわちリフト指令)。

2. 労働者は、設置・保守を行うために必要な能力と免許を取得しなければならない。労働者は認可契約企業に雇用されるべきであり、外注労働やフリーランス労働は最小限に抑えるべきである。さらに企業は、これらの要件を満たしていることを当局に報告しなければならない。

3. 登録企業は、監督当局に定期的に従業員リストを提出しなければならない。

4. 認可企業による安全要件とサービス水準要件の達成に関して、透明性と情報アクセスを確保することが不可欠である。すべての利害関係者だけでなくサービスを購入する顧客にも、この情報が提供されるよう保証するための手段や制度の実施を促進しなければならない。

5. この部門でフリーランス労働者や非認可企業への下請けを制限し、最小限に抑える方法を研究する。

6. 認可企業は責任保険に加入し、設置・保守活動で利用される下請会社だけでなく、その労働者も保険の対象となるよう保証しなければならない。

7. 地域安全代表の採用を勧告し、この部門で危険作業に関する特別手続きを要求する。

8. 重大な過失を繰り返している企業の認可取り消しを要求する。

これらの目標を達成するには、リフト/エスカレーター部門における労使間協力が非常に重要である。経営側は従業員の専門知識を必要としており、従業員と顧客はリップサービスにとどまらない経営側の関与を必要としている。

この決議は、インダストリオールがウィーン宣言の要求を概説した2014年のオーストリア会合に端を発する。

インダストリオールでこの部門を担当するマティアス・ハートウィッチ担当部長は、こう語っている。

「また別の決議について議論し、採択しただけではない。私たちが成し遂げたのは、リフト/エスカレーター部門全体の未来に関する世界中の労働組合代表と従業員代表委員会との徹底的な議論だ。私たちは、自分たちが何を求め、何を必要としているか知っている。この活動的なグループが、長年かけてそのような協力関係を何とか生み出したことは大きな喜びだ。今度は企業側が、従業員と労働組合の知識や献身から本当に利益を得るために、私たちの申し出を受け入れて社会的対話を開始しなければならない。このまたとない機会を企業が活用してくれることを願っている」

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