広報ニュース

第59号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2016年9月21日)

インドの自動車労組、組合ネットワークの強化と不安定雇用との闘いを決議

2016-09-15

 

インダストリオール自動車・ゴム労組ワークショップの参加者は、プネー・チャカンにあるフォルクスワーゲンの組合事務所と工場を訪問

インダストリオール自動車・ゴム労組ワークショップの参加者は、プネー・チャカンにあるフォルクスワーゲンの組合事務所と工場を訪問

チェンナイ、ベンガルールおよびプネー各地域のインダストリオール加盟組織をはじめとする自動車労組が2016年9月13~15日、プネーでインドの自動車・ゴム労組ワークショップを開催、組合の力の強化を決議した。

 インダストリオール・グローバルユニオンがプネーで開催した2日間のワークショップに、フォード、BMW、ルノー日産、ダイムラー、タタ・モーターズ、アショク・レイランド、シュコダ、メルセデスベンツ、フォルクスワーゲン、ゼネラル・モーターズ、ボルボ、バジャジ・オート、JKタイヤ、グッドイヤー、CEAT、ビルラ・タイヤなど、自動車・タイヤ製造会社のインド子会社の労働組合代表が参加し、組合間の連携を改善して不安定労働者のために闘い、権利平等を勝ち取る戦略を検討した。

   ワークショップの討議では、インドの自動車部門労働者が直面する大きな課題を強調し、結社の自由に対する権利の行使を妨げる障害、効果的な団体交渉のために企業情報を入手する機会の欠如、不安定雇用の横行、社会的対話の余地の不足などを取り上げた。

   この行事にはフォード国際ネットワーク、フォルクスワーゲンとBMWのグローバル従業員代表委員会、自動車総連の代表が参加し、それぞれの多国籍企業の団体交渉・社会的対話慣行に関する組合戦略を共有した。参加者たちは、世界中で不安定雇用が大きな課題となっており、平等な社会を築き上げるには集団的な組合行動が不可欠であることを強調した。

  フォルクスワーゲンとダイムラー、BMW、シュコダの経営側代表がプレゼンを実施、各社における社会的対話の全般的状況について組合代表と意見交換し、効果的な労使協力の課題と機会をめぐって率直に討議した。

   ヘルムート・レンゼ自動車・ゴム部門担当部長が、組合ネットワークとグローバル枠組み協定の構築におけるインダストリオールの施策を説明し、次のように述べた。 「インドの組合は組合間の連携とネットワークを強化し、組合の力を高めて不安定労働者のために権利平等を勝ち取る必要がある。インダストリオールは真の社会的対話の余地を確保するために、インドの組合とともに絶えず前進していく」

   アプールヴァ・カイワール・インダストリオール南アジア地域事務所所長が、特にOEMやベンダー企業の不安定労働者と女性労働者のために、労働者の権利獲得に向けて組合が協調的努力を払う必要があると強調した。同所長は、自動車部門に女性がほとんど存在しないことを指摘し、インドの自動車労働者に女性労働者の勧誘を平等に優先することを促すとともに、組合に対しても、女性労働者が直面する問題に積極的に取り組み、組合機構で女性のリーダーシップを確保するよう求めた。

   チェンナイ、ベンガルールおよびプネー各地域から集まった自動車労組は、結社の自由に対する権利と団体交渉権を保護するために組合ネットワークを強化し、各製造工場で不安定雇用に抵抗するとともに、労働者の虐待に力を合わせて抵抗し、不当労働行為の犠牲者を支援することを決定した。チェンナイの自動車会社の組合は、ネットワークを結成して定期的に交流し、労働者の権利を保護する協調的行動に向けて情報を共有することに決めた。

   参加した組合代表全員がプネー・チャカンのフォルクスワーゲン工場も訪れ、工場の社会的対話慣行について経営幹部および労働者と会談した。

 

ブラジルの金属労働者、雇用と権利を求めてキャンペーン開始

2016-09-14

 

数千人の労働者が政府に成長促進・雇用創出策を要求

数千人の労働者が政府に成長促進・雇用創出策を要求

ブラジルのクリティバ金属労組(SMC)組合員1万5,000人が9月5日、ボルボとCNH、ボッシュ、WHBコレオ、ルノーの工場でデモを行い、権利を擁護して雇用増加と景気回復を求めるために全国キャンペーンを開始した。

 自動車工場の労働者は団結して大規模行進に参加、ブラジル政府に対し、労働権を損なわずに経済成長と雇用を促進する措置の採用を要求した。

 「残念ながら、一部の部門は危機を解決するために労働法の柔軟性を高める必要があると主張している。これは間違っている。経済を救うには国内市場を強化するしかない」とインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織CNTM「労働組合の力」の組合員であるセルジオ・バトカSMC会長は述べた。

 同労組は、消費と生産を促進するために収入の増加、信用を利用する機会の拡大、利下げを要求しており、この措置は経済を強化して外国投資を呼び込むと主張している。

 9月8日、CNTMとCNM/CUT(同じくインダストリオール傘下組織)に加盟する金属労組の指導者たちが、9月29日に共同全国ストを実施し、使用者と政府が提案している労働・社会保障改革への反対を表明すると発表した。

 

労働組合、中国の鉄鋼ダンピングに対するグローバルな措置を要求

2016-09-13

 

労働組合は2月にブリュッセルで鉄鋼ダンピングに反対して行進

労働組合は2月にブリュッセルで鉄鋼ダンピングに反対して行進

インダストリオール・グローバルユニオン、インダストリオール・ヨーロッパ、USW、ユナイトおよびコミュニティーの労働組合代表は、先週パリで開催された第81回OECD鉄鋼委員会において、鉄鋼ダンピングと闘う世界的な戦略を求めた。

 中国を中心とする大規模な過剰生産能力は依然、世界中で鉄鋼生産に関与する経済や地域社会を脅かし、混乱させている。労働組合は、鉄鋼生産能力危機の解決にソーシャル・パートナーを参加させなければならないと考えている。解雇に直面している労働者と地域社会に、移行を乗り切るための訓練と援助を提供し、再び経済に参加できるようにしなければならない。

 若年労働者にも、団体交渉で取り決められた見習・訓練プログラムによって機会を与えなければならない。この過程で中核的ILO基準を尊重・補強するとともに、短期的な利益によってではなく社会的・環境的付加価値によって成否を判断しなければならない。

 9月8日のOECD会合の翌日に政府協議が行われ、先ごろ中国のG20首脳サミットで決定された鉄鋼の過剰生産能力に関するグローバル・フォーラムの設置について討議した。残念なことに、労働組合代表と業界代表はこのOECDおよびG20加盟国との協議から締め出された。

 フェルナンド・ロペス・インダストリオール書記次長は次のように語った。「鉄鋼業は開発に不可欠だ。各国政府に働きかけ、鉄鋼業と雇用を台無しにしている不公正競争と鉄鋼ダンピングをやめさせなければならない。そのためには、あらゆる討議で組合を考慮に入れなければならない」

 

ベルギーのキャタピラー工場閉鎖で2,200人が失業の危機

2016-09-02

 

キャタピラー777ダンプカー 写真:Shaun Greiner / Wikimedia Commons

キャタピラー777ダンプカー
写真:Shaun Greiner / Wikimedia Commons

キャタピラーは今朝、2017年4月にシャルルロア・ゴスリースのベルギー本社を閉鎖し、2,200人の労働者全員を解雇すると発表した。

 この解雇は9月2日(金)午前8時30分に招集された臨時従業員代表委員会で発表され、この日はすでに地元でブラック・フライデーと呼ばれている。

 建設機器を製造している工場の労働者は驚きと怒りを表明し、大勢が出入口でピケを張った。労働者たちは工場の操業を維持するために、すでに給料や労働時間などの面で多くの犠牲を払っている。2014年3月にもコスト削減措置で1,331人の雇用が失われた。

 いくつかのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織(Algemeen Belgisch Vakverbond ABVV-Metaal、Centrale Nationale des Employes-CNE、ACV-CSC METEA、Federation des Metallurgistes FGTB Hainaut-Namur、SETCA-BBTK-Syndicat des Employes、Techniciens et Cadres de Belgique)がキャタピラー・ネットワークで活動しており、現在、対応を決定するために討議している。

 キャタピラーはプレスリリースで、フランスのグルノーブルと欧州域外のその他の現場への生産移転を発表した。北アイルランドの工場も閉鎖し、250人を解雇する。

 同社は、目標達成の失敗と市況の低迷が原因で今回の措置が必要だと主張している。しかし、ゴスリース工場は今も黒字である。キャタピラーは利益を増やすために人員削減を決定したのであり、2018年までに全世界で1万人の雇用を削減する計画を立てている。同社は2012年以降、すでに3万人の雇用を削減した。

 マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール機械エンジニアリング・素材産業担当部長は次のように述べた。

「これはベルギーで進行中の産業空洞化の一例であり、キャタピラーが投資収益しか考えておらず、忠実な労働者が払う犠牲など眼中にないことを示している」

「この黒字工場が閉鎖されるのは、それによってさらにコストを削減できると同社が考えたからだ。この過程で、従業員代表委員会との適切な協議はなかった。このような理由で、真の社会的対話を導入する必要がある」

「私たちは同僚を支持し、この困難な時期に必要なあらゆる支援と連帯を提供する」