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第118号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2020年12月25日)

トルコの組合、自動車産業で力を強化するために団結

2020-12-15

<JCM記事要約>

  • 労働基本権の侵害されているトルコにおいて、すでに結ばれているグローバル枠組み協定(GFA)などにより組合の力を強化し、トルコの自動車部門サプライチェーンを規制する方法に関するオンラインワークショップが行われた。
  • ワークショップでは、多国籍企業のデューデリジェンス・プロセスにおいて、労働者の声がより重要な役割を演じるようになるべく、自動車サプライチェーンの課題や経験、紛争事例の紹介の他、組織化にあたって組合が直面している問題の共有がされ、複数の加盟組織がトルコの自動車労働者への連帯支援を表明した。
  • インダストリオールは、このワークショップは重要な出発点であり、トルコの労使関係は複雑だが、組合の力を強化して国際連帯を表明すれば、私たちには新しい制度を求めて闘う力がある、と強調した。

 

12月8〜9日のワークショップに、金属部門のトルコのインダストリオール加盟組織3団体(トルコ・メタル、ウズチェリク・イス、ビルレシク・メタル・イス)とアメリカ、フランス、イタリア、ドイツから参加者が集まり、グローバル枠組み協定その他の国際文書を組織化の手段として使う方法をめぐり討議した。

結社の自由と団体交渉権はトルコの憲法で規定されている権利だが、労働組合活動は多くの障害に直面している。組織化と組合承認の達成に至る道は障害だらけである。トルコは、労働者の基本的権利の尊重を確保していないことで、ILOやEUによって日ごろから批判されている。

これを受けてインダストリオールは、グローバル枠組み協定(GFA)など発展中の文書を通して組合の力を強化し、トルコの自動車部門サプライチェーンを規制する方法に関するワークショップを企画、トルコの金属部門の加盟組織3団体が集まった。

GFAは多国籍企業の事業全体で労働者の利益を保護するのに役立つ。GFAは、それらの基準が個々の国に存在するかどうかに関係なく、企業のグローバル事業全体で最高水準の労働組合権、安全衛生・環境活動、作業原則を導入する。インダストリオールはルノー、MAN、ダイムラー、フォルクスワーゲン、フォードとGFAを締結しており、全社がトルコで大規模に事業を展開している。

「トルコでは労働基本権が組織的に侵害されているため、私たちはグローバルユニオンとして、そのことを世界に伝える責任がある。多国籍企業に認識させ、その情報に基づいて行動させなければならない」とゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車担当部長は述べた。

「多国籍企業のデューデリジェンス・プロセスにおいて、労働者の声がより重要な役割を演じるようにする必要がある。労働組合を主要な情報源として認めさせなければならない」

トルコの組合指導者は、自動車サプライチェーンの課題や経験、紛争事例を共有した。

「私たちは組織化にあたって重大な困難に直面しており、組合として、権利を守り、さらに強化していくことが重要だ。私たちは支援を必要としており、私たちにとって国際連帯は欠かせない」とYunus Degirmenciウズチェリク・イス会長がサンパの組合つぶしについて述べた。

Pevrul Kavlakトルコ・メタル会長は、組織化にあたって組合が直面している問題を繰り返し強調した。

「たとえ私たちが職場で労働者の過半数を組織化し、団結権を持っていても、使用者は私たちに対して訴訟を起こすことがある。こういうことが何度も起こっており、職場の組織化がほとんど不可能になっている。私たち全員が、単独では闘えないことを知っている。団結する必要がある」

ビルレシク・メタル・イスのアドナン・セルダログル会長は、団結の必要性を力説した。

「政府による反労働者的な法律の可決、組合つぶし、侵害に抗議する労働者のレイオフに直面して、組合同士が反目している余裕がないことは明らかだ。勝つために力を合わせなければならない」

自動車メーカーのフォルクスワーゲン、MAN、メルセデスの代表がワークショップに参加し、どのようにサプライチェーンで持続可能性と労働者の権利の尊重を確保しているかについて参加者に話した。

VWのフィリップ・ブレックマンによると、このドイツ企業はサプライヤー全社に対し、結社の自由、労働・健康保護、非差別の保証を義務づけている。何万ものサプライヤーや下位サプライヤーがいるフォルクスワーゲンは、全世界で多数の監査を実施し、自己評価データベースを維持している。

MANトルコのMustafa Iskifoğluが、問題が発生する前に対話することの必要性を指摘し、そのために同社には労使双方が署名した憲章があると述べた。

メルセデス・ベンツ・トルコのYiğit Özgünelが、ブルサ市のサプライヤーBodo Bodeにおけるトルコ・メタルの組織化活動で、同社の介入が役割を果たした経緯を説明した。

会合参加者は、グローバルな連帯の必要性と重要性を認めた。国際運動は組合の基本的権利を保護しなければならず、力をつけなければならない。フォード労働者を組織化している米UAW、フランスのFGMM-CFDTとFTM-CGT、ドイツIGメタル、イタリアFIM-CISLが、トルコの自動車労働者への連帯支援を表明した。

ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長が、トルコの自動車部門で組合の力を強化する必要があると強調した。

「私たちは、サプライチェーン全体がCOVID-19の影響を受けている危機的な時期に集まった。このワークショップは絶好の重要な出発点になる。今後の措置はマッピング、ワークショップ、多国籍企業の組織化だ」

「トルコの労使関係は複雑だが、組合の力を強化して国際連帯を表明すれば、私たちには新しい制度を求めて闘う力がある」

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

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