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第153号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2022年12月26日)

世界の組合指導者が素材金属産業の未来めぐり議論

2022-10-14

【JCM記事要約】

  • 10月11日~12日、インダストリオール素材金属運営委員会がオンラインにて開催された。会合で参加者は、生産のデジタル化に伴う鉄鋼・アルミニウム産業の職務・技能要件や労働環境の変化への対応方法や、認定鉄鋼生産によって温室効果ガス(GHG)排出が少なく労働条件の良い鉄鋼生産を促進する方法の課題と機会について議論を行った。
  • インダストリオールのマティアス素材金属担当部長は、デジタル化によって生じている変化を乗り切り公正な移行にしなければならない、と述べた。また、インダストリオールのクリスティン書記次長は、参加者へ対し、この産業でより良く職場を保護するために行動を起こすよう求めた。

 

2022年10月14日:10月11-12日、インダストリオール素材金属運営委員会がオンライン会合を開催、世界的な危機に直面している鉄鋼・アルミ産業の未来について議論した。
                                                      

サンジョット・バダブカール(インドSMEFI)、デイブ・マッコール(米USW)両共同部会長が対話を主導した。

素材金属産業は、ロシアのウクライナ侵攻に起因する供給危機の被害を受けている。市場は不安定で、中国など一部の生産国は、過剰設備の増大と需要の低迷にもかかわらず能力を拡大している。加えて、2つの傾向がこの部門に大変革をもたらしている。温室効果ガス(GHG)排出を削減するために、特に全世界の産業GHG排出の3分の1を占める鉄鋼業で、生産体制の新設や変更が必要になっている。それから、この産業でカーボンニュートラルを達成するための新技術が必要である。そのような技術はすでに利用できるが、非常にコストが高く莫大な投資を必要とする。

生産のデジタル化に伴って、鉄鋼・アルミニウム産業の職務・技能要件や労働環境が変化している。インダストリー4.0は雇用――少なくとも伝統的な雇用にとって脅威である。組合指導者は運営委員会で、これらの変化への対応方法について議論した。インダストリオールは加盟組織を支援しているが、世界の生産能力・生産高の50%超を占めている最大の生産国である中国がGHG排出削減努力に参加しない限り、措置の効果は限られている。それどころか中国は、従来型の溶鉱炉で大量の低価格鉄鋼を生産している。

参加者は、認定鉄鋼生産によってGHG排出が少なく労働条件の良い鉄鋼生産を促進する方法の課題と機会について、マルチステークホルダー標準機構であるレスポンシブル・スチールのアニー・ヒートンCEOとも討議した。アニー・ヒートンは、すべてのインダストリオール加盟組織に対し、市民団体のメンバーとしてレスポンシブル・スチールに加わるよう勧めた。

クリスティン・オリビエ・インダストリオール書記次長が委員会で演説し、この産業でよりよく職場を保護するために行動を起こすよう求めた。

マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール素材金属担当部長が、加盟組織に次のように要請した。

「生じている変化を受け入れなければならない。デジタル化はこの部門を転換しており、CO2フットプリントの削減は産業・労働者双方にとって大きな課題だ。雇用と労働条件を守るために、加盟組織と組合員を導いて変化を乗り切らなければならない。これを公正な移行にしなければならないし、そうするつもりだ。これは私たちと姉妹組織インダストリオール・ヨーロッパ労働組合が、今月のOECD鉄鋼委員会でTUACとともに要求したことでもある。警戒を怠らず、加盟組織にさまざまな手段を提供していく。労働者に素材金属産業の移行の重荷を背負わせてはならない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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