広報ニュース

第168号インダストリオール・ウェブサイトニュース

世界中の組合がGFGアライアンス/リバティー・スチールの放漫経営の終結を要求

2024-02-07

2024年2月7日:インダストリオール・ヨーロッパ労働組合とインダストリオール・グローバルユニオン――いずれもヨーロッパと全世界の鉱業、エネルギー産業および製造業で数百万人の労働者を代表――は、世界中のGFGアライアンス/リバティー・スチール労組との緊急対策会議後、ヨーロッパの戦略的な鉄鋼生産を危険にさらしているグプタ氏の無責任経営の終結を要求している。


GFGアライアンス/リバティー・スチールの欧州工場は、次のような最悪の危機に見舞われている。

  • いくつかの溶鉱炉が稼働しておらず、生産能力が劇的な低水準にあり、一部の工場では1%にまで落ち込んでいる。
  • チェコ、ポーランド、ルーマニア、ベルギー、ルクセンブルク、イタリア、ハンガリーで2万人を超える鉄鋼労働者が、仕事がなくて自宅待機しているか、先行きを見極めようと不安な気持ちで待っている。
  • チェコの状況は壊滅的であり、オストラバで6,000人の労働者が生産再開の知らせを待っているだけでなく、3万人の間接雇用と下請業者117社が危険にさらされている。先週、チェコの産業貿易大臣がグプタ氏に正式に通告し、法的措置も辞さない姿勢を示した。
  • 現在、欧州の鉄鋼施設への損害を修復して生産を再開し、グリーンスチールに投資するために数百万ユーロが必要である。

労働組合がグプタ氏のずさんな経営について国家・欧州レベルの公的機関に警告したにもかかわらず、グプタ氏およびグローバル労働組合代表団との会合開催を求める再三の要求が聞き入れられなかったため、GFGアライアンス/リバティー・スチール労組は攻勢に出ており、以下を強く促している。

  • グプタ氏が完全な透明性(財務の強化を含む)を提供すること。
  • 欧州委員会がヨーロッパで鉄鋼生産を擁護するために危機対応タスクフォースを設置すること。
  • 各国政府がグプタ氏に公的資金を与える際、社会的条件と産業計画への専心を義務づけること。

クリスティン・オリビエ・インダストリオール・グローバルユニオン書記次長は言う。

「GFGアライアンス/リバティー・スチールの状況は単なる危機ではなく、緊急集団行動の明快な呼びかけだ。私たちは、数千人の雇用と未来の産業構造の根幹を脅かす破滅的状況を回避するために、経営側が直ちに包括的な説明責任を果たすよう要求する。連帯すべき時は今だ。労働者と鉄鋼業の存続を守るするために全世界で団結しなければならない」

ジュディス・カートン=ダーリング・インダストリオール・ヨーロッパ労働組合共同書記長代行は言う。

「GFG現場の労働者は限界に達している。鉄鋼業は戦略産業であり、気候行動と安全保障に欠かせない。この産業を無責任な所有者のおもちゃにしてはならない――私たちの産業の未来は何よりも重要だ。現在、欧州全域の鉄鋼労働者にとって困難な時期にあるが、GFGの現場では、労働者が企業の放漫経営と投資の不足、尊重の欠如の犠牲になっている」

 

ストライキ権が必要な5つの理由

2024-02-07

2024年2月7日:ストライキ権は結社の自由の不可欠な要素である。ストライキの多くは、賃上げや労働条件の改善を求めるものである。もしストライキ権がなくなれば、企業はより大きな利益を上げ、労働者の賃金は下がり、労働条件は悪化するだろう。


スト権は結社の自由の不可欠な要素であり、ILO第87号条約で保護されている。労働の一時停止は交渉プロセスにおける重要な交渉手段であり、その主な目的は労働者と使用者のパワーバランスを変えることである。

以下は、私たちにスト権が必要な5つの主な理由である:

  1. ストライキは最後の手段であるが、労働者が自らを守るための唯一の手段であることもある。
  2. 使用者の完全な言いなりになることを避ける。
  3. 労働者と使用者の力の均衡を保つ。
  4. スト権がなければ、ますます多くの政府が争議行為を禁止し、ストを決行する人々を罰するだろう。
  5. ほとんどのストライキは、賃金や労働条件の改善をめぐって行われている。ストライキの恐れがなければ、企業はより大きな利益を上げることができる一方で、労働条件は悪化する。

 スト権を制限すれば、すべての人に深刻な影響が及ぶ。

スト権は世界中の多くの国で攻撃を受けている。また、労働者の権利に関する国際基準を定める国際労働機関(ILO)でも、使用者と政府から攻撃を受けている。

2015年、ILOの使用者グループと一部の政府は、153カ国が批准し、ストライキの権利を支持している結社の自由に関するILO第87号条約に異議を唱えた。世界中の組合がこの基本的権利を守るために抗議した。

しかし、昨年11月のILO理事会で、使用者グループはスト権に関する基準設定項目を議題に含めることを提案した。この提案の中で使用者グループは、スト権を「 規制」するために第87号条約に付属書を添付することを要求し、同時に第87号条約がスト権を保護し ていることを否定している。

インダストリオールはITUCその他のグローバル・ユニオンとともに、使用者グルー プの提案に強く反発しており、ILOは国際司法裁判所にこれを付託した。

 

グローバル・ユニオン、ガザの大量虐殺に関するICJ裁定受けて統一行動を要求

2024-01-31

2024年1月31日:下記に署名するグローバル・ユニオンは、ガザ地区におけるジェノサイド条約の適用に関して南アフリカがイスラエルに対して起こした提訴で出された国際司法裁判所(ICJ)命令に留意する。この件は国際的な法の支配と効果的な執行が極めて重大であることを示している。


ICJの拘束力のある暫定的措置は、ガザ地区の住民の保護とさらなる被害の防止という緊急課題に取り組んでいる。ICJと同条約は弱い立場にある人々の人権と安全を保護するために存在し、国際社会の支援に頼っている。今こそ、国際的な法秩序に対する信頼を深める時である。

グローバル・ユニオンは事態の重大性を強調する。ガザ地区では、教員、医療従事者、運輸労働者、ジャーナリスト、国連スタッフ、国際援助要員、その他多くの人々を含む傘下の組合員たちが、職務中に殺害されている。

私たちはイスラエルに対し、ICJの命令に従い、大虐殺行為の防止、虐殺扇動の処罰、ガザのパレスチナ人への基本サービスと人道援助の提供促進のために、直ちに措置を取るよう要請する。

署名者は、国際社会に以下の行動も要請する。

  • すべてのジェノサイド条約締約国が、大量虐殺防止義務を果たすこと。国連安全保障理事会と加盟国は、暫定的措置の完全実施を確保するために協調的行動を取らなければならない。
  • 国際刑事裁判所検察官が、イスラエルとパレスチナの武装勢力による戦争犯罪と人道に反する罪の申し立ての調査を促進すること。犯人を裁判にかけて将来の違反を防止するには、徹底的かつ独立した調査が重要である。
  • 各国指導者が、暴力よりも外交と対話を優先させること。人質全員の釈放を確保し、すべてのパレスチナ人とイスラエル人の安全・保安を保証する即時かつ永続的な停戦を目指して努力する。

ガザの住民と傘下の組合員は、国連の内部調査への支持を表明しつつ、UNWRAによる救命支援に依存している。グローバル・ユニオンは、パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金供給を停止している国々に再考を促す。

下記のグローバル・ユニオンは、世界中で経済のあらゆる部門において何百万もの労働者を代表している。私たちは世界中で人権・労働組合権を促進・保護すべく専心しており、労働者を守るために引き続き声を上げていく。

国際建設林業労働組合連盟 Building and Woodworkers International

教育インターナショナル Education International

インダストリオール IndustriALL

国際ジャーナリスト連盟 International Federation of Journalists

国際運輸労連 International Transport Workers’ Federation

国際公務労連 Public Services International

UNIグローバルユニオン UNI Global Union

以上

写真:2015年12月16日、ハーグ:ハーグにある国連の主要司法機関、国際司法裁判所の法廷と裁判官席――Ankoe Light

 

グローバル・ユニオン、EUにEBAとMADE in Myanmarプログラムの撤回を要求

2024-02-01

2024年2月1日:ミャンマーの軍事クーデター3周年にあたり、グローバル・ユニオンはEUに対し、国内で人権侵害が横行している中で対ミャンマー政策の再評価を求める。軍事政権は4000人以上を殺害、2万6000人近くを逮捕し、自由労働組合を含む市民社会組織の活動停止を命じている。


世界の労働組合の代表として、EUが対ミャンマー政策――特に武器以外すべて(EBA)特恵貿易政策と、ミャンマーのアパレル産業における適正な雇用のためのマルチステークホルダー同盟プログラム(MADE in Myanmar)への支援――を再評価するようお願いするために、お手紙を差し上げた次第です。

EBAはミャンマーの民主化プロセスの承認として2013年に導入されました。軍事クーデターから3年、このプロセスが後退していることは今や明らかであり、EBAを撤回すべきだと私たちは考えています。

MADE in Myanmarは、EUがEUの衣料ブランドと協力して財政面で支援しており、労働権擁護団体と労働組合を支援して労働者の苦情に対処すると主張しています。軍事政権によって禁止されたミャンマーの労働組合は、このプログラムは見せかけであり、その狙いは労働権侵害をごまかし、ミャンマーを安く便利な調達場所としている衣料ブランドに政治的保護を提供することだと非難しています。軍事政権は抗議と労働者の行動を抑え込むために、相変わらず労働組合員を逮捕し、軍隊を利用しています。

軍事政権は4,000人以上を殺害、2万6,000人近くを逮捕し、自由労働組合を含む市民社会組織の活動停止を命じています。多くの国家公務員(20万人の教員を含む)が政権のために働くことを拒否し、市民的不服従運動に加わりましました。大勢が殺害されたり投獄されたりし、失業して極度の苦境を経験している人たちもいます。EUは、飢餓の危機に取り組むための最近の1,050万ユーロ援助パッケージにおいて、これを認めています。

EUは2021年2月にクーデターを非難し、最悪の侵害への関与で告発された個人と組織に的を絞った制裁を科しています。EUはクーデター2周年を控えた2023年1月、事態が改善しなければ、さらなる対策を実施すると警告しました。それらの措置を講じるべき時を過ぎたと私たちは考えています。

ミャンマーの労働組合によれば、組合の禁止と結社の自由の欠如は、労働者が現代の奴隷制の状況に直面していることを意味します。この所見はILO調査委員会によって確認され、同委員会は結社の自由条約と強制労働条約の広範囲にわたる侵害を報告しました。つまり、現代の奴隷制の状況下で作られた衣料が、EUの財政的・政治的支援のもと、EU企業によってEUの消費者に販売されているということです。

EUはILO報告の発表に先立って、報告結果を考慮して政策を検討すると述べました。報告は明確であり、労働組合指導者に対する暴力、逮捕状の発行とパスポートの取り消し、強制労働の事例、人間の盾の利用、強制徴兵、戒厳令の実施を詳述しています。結社の自由を行使できない環境ではデュー・ディリジェンスの実施が不可能であることを考えれば、MADE in Myanmarプログラムは支持できません。

軍事政権は危うい立場にあると広く考えられており、武装勢力に領土を奪われ、政権が支配している地域でも絶えず抵抗に直面しています。多くの公務員が軍事政権のために働くことを拒絶しているため、国家はかろうじて機能している状況です。政権は、輸送や発電の燃料、武器や弾薬を買うために、何としても外貨を必要としています。

EBAを通した対ミャンマー貿易とMADE in Myanmarを通したEU投資を支援することによって、EUは崩壊寸前の独裁政権に命綱を与えています。制裁の延長、貿易特恵の撤回、ミャンマーにおけるEUブランド支援の打ち切りは、軍事政権を劇的に弱めて民主主義への復帰を早めるでしょう。

2020年11月に民主的に選ばれた政党が結成した国民統一政府(NUG)は、政権崩壊と同時に民主化プロセスを再開する準備を整えています。NUGは主な労働組合連盟および民主的な使用者団体と三者構成機構を設置しており、民主主義が回復すればILO報告の勧告を実施すると誓約しています。

この機構はEUの価値観を反映しており、支援に値します。EUは、代わりの民主的政府が待機しているのに抑圧的な政権と取引することは許容できない、という明確なメッセージを送らなければなりません。EBAとMADE in Myanmarプログラムの撤回を強くお勧めします。

敬具

グローバル・ユニオン評議会に加盟する下記組織の書記長:UNI Global UnionEIITUCBWI, IAEA, IndustriALLIFJITFIUFPSITUAC