広報ニュース

第190号インダストリオール・ウェブサイトニュース

ICT電子労組、不確実な時代に打開策を討議

2025-04-17

この部門は、世界の不安定性の増大、技術的混乱、企業合併の増加を特徴とする激動の時代を経験している。インダストリオール・グローバルユニオンが開催したICT電機・電子部門のオンライン運営委員会に30人以上の労働組合代表が出席し、この問題をめぐって議論した。


開会にあたって、神保政史、プリハナニ・ボエナディ両共同部会長とクリスティーナ・オリビエ・インダストリオール書記次長が基調を打ち出した―革新と不平等の岐路に立っている部門の労働者にとって、これまで以上にリスクが高まっている。この会合では、サプライチェーンの変化から労働者の権利、労働安全衛生(労働者のメンタルヘルスを含む)、人工知能の影響に至る火急の主題を取り上げた。

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合ICT部門ネットワークのアン=マリー・ショピネ議長が、EUとアメリカの貿易摩擦、規制撤廃、投資の減少など、欧州ICT電機・電子産業の主要な課題を強調。戦略的自主性、アップスキリング、AI規制の強化、労働安全衛生対策の改善の必要性を力説するとともに、労働者保護と産業政策決定における労働組合の極めて重要な役割を再確認した。

討議を通じた主なメッセージは、世界の電子労働者が多方面から圧力をかけられているということだった。企業が記録的利益を上げているにもかかわらず、製造業の中心地の賃金は停滞したままである。アレクサンダー・イワーノウ・インダストリオールICT電機・電子担当部長によると、地政学的緊張と「中国以外ならどこでも」戦略に起因するサプライチェーンの変化を受けて不安定性が高まっており、労働者が保護の低下と組合権尊重の欠如にさらされている。

ILOのキャスパー・エドモンズが、特に部門の製造拠点であるアジアにおけるディーセント・ワーク関連の大きな課題(非標準的な雇用、長時間労働、労働安全衛生問題、権利侵害など)を強調し、グローバル・サプライチェーンで公平性と社会的公正を確保するために、より強力な労働基準と義務的な人権デュー・ディリジェンスが緊急に必要だと力説した。

インダストリオールは、エレクトロニクス製造で女性に最も影響を及ぼしている問題 ― 化学物質の曝露、リプロダクティブ・ヘルス、ジェンダーに基づく暴力 ― に取り組むために、一方の性に特化した労働安全衛生ツールキットを開発している。このツールキットは、特に鉱物とバッテリーの重要なサプライチェーンにおいて、労働安全衛生に関する部門横断的な努力の調和を求める幅広い活動の一環である。

ウォルトン・パントランド・キャンペーン担当部長が、世界中の組合の主な課題としての組織化について話し、勢力図、企業研究、動員戦略をはじめ、サプライチェーンで組合を開発するための手段を示した。

参加者は会合の終わりに、関税の引き上げから気候変動まで世界状況が混乱しているが、産業を基礎から建て直す先例のない機会があることを確認した。

「集団行動を通してのみ、デジタルでグリーンな移行が利益のためだけでなく人々のためにも役立つようにすることができる」とクリスティーナ・オリビエは締めくくった。

写真提供:インドネシア・チカランの電子工場労働者 © ILO/Asrian Mirza

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/ict-and-electronics-unions-debate-the-way-forward-in-uncertain-times

次のニュース »