タイの労働組合連合、ILO第87号・第98号条約批准の要求を強化
2025-10-30

タイのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織が主導する26の労働者団体から成る連合、ILO C8798推進ネットワークは、政府に結社の自由と団体交渉に関する国際労働機関第87号および第98号条約の批准を要請するキャンペーンの拡大を決定した。
ネットワークの代表は10月22日にTEAM訓練センターで会合を開き、これまでのキャンペーンの進展を見直した。会合では、自分たちの努力がタイ政府、タイの欧州連合代表団ならびに一般大衆から、ますます注目を集めるようになっていることに留意した。
この連合は今後、EU代表団への関与を強化し、第87号条約・第98号条約批准をEU-タイ自由貿易協定の必須条件に含めるよう強く要求していく予定である。
参加者は、政治的な移行と、労働不安や移民労働者の組織化に対する懸念が批准を遅らせているという労働省の説明への不満を表明した。伝えられるところでは、同省は両条約を同時に批准するのではなく、まず第98号条約を批准することを検討している。
タイ産業労働組合総連合(CILT)のラレイ・ヨーペンスック会長は、同時批准への長年にわたる要求を繰り返した。
「私たちの立場は明確であり、政府は第87号条約と第98号条約の両方を批准すべきだ」とヨーペンスックは述べた。
「タイの労働運動は30年間これを求めて闘ってきたが、支配層エリート全員が私たちを無視している。すべての政党に対し、2026年3月の総選挙の前に両条約の批准を選挙公約に盛り込むよう求める」
インダストリオール東南アジア地域事務所のラモン・セルテーザ所長は連合の努力を称賛し、キャンペーンの戦略的評価は将来の支援運動を強化すると述べた。
「インダストリオールは、この有意義なキャンペーンを軸に引き続きグローバルな連帯支援を結集していく」とセルテーザは述べた。
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Thai labour coalition steps up push for ratification of ILO Conventions 87 and 98 | IndustriALL
組織化で公正な未来を――労働者が変化を方向付けなければならない
2025-10-30

数日後に、世界各地から1000人を超える労働組合代議員が、第4回インダストリオール・グローバルユニオン大会のためにシドニーに集まる。私たちは協力して、「組織化で公正な未来を」をテーマに向こう4年間の方針を設定する。
アトレ・ホイエ・インダストリオール・グローバルユニオン書記長の言葉
数日後に、世界各地から1000人を超える労働組合代議員が、第4回インダストリオール・グローバルユニオン大会のためにシドニーに集まる。私たちは協力して、「組織化で公正な未来を」をテーマに向こう4年間の方針を設定する。
この大会は重大な節目に開催される。あらゆる場所の労働者が、危機の同時発生、不平等の拡大、気候非常事態、デジタル・ディスラプション、企業の力の集中拡大によって打撃を受けている。この変化のまっただ中で、私たちの使命はかつてないほど明確になっている――労働者の権利を守り、民主的で公平かつ公正な未来を形作ることである。
団結と連帯を基礎とする私たちの集団としての強さは、グローバル資本に抵抗し、利益よりも人を優先する新しいグローバル化モデルを求めて闘う力を与えてくれる。
権利の擁護、力の強化
インダストリオールのアイデンティティーの中心には最も基本的な任務がある。すなわち、労働者の組織化と組合結成・加入権の擁護である。ここで真の力が生まれる。労働者は組織化する際、ただ賃上げや職場の安全向上について交渉するだけではない。帰属意識を生み出し、誇りと決意を高め、恐れを強さに変えるのである。
「組織化で公正な未来を」は単なるテーマではなく、約束である。私たちの闘いを結びつけ、団結によって公正を勝ち取る、世界的な運動を引き続き強化していく。
任意の約束から拘束力のある権利へ
あまりにも長い間、多国籍企業は任意の行動規範の陰に隠れてきた。多国籍企業が高尚な声明やもっともらしい報告によって搾取を覆い隠している一方で、労働者は貧困賃金や危険な条件、弾圧に直面し続けている。
任意の約束では不十分であることが分かっている。強制力がなければ、権利は机上の空論のままである。だから、人権デュー・ディリジェンス法と法的拘束力のある協定は極めて重要なのである。インダストリオールは、それらに効果があることを証明した。H&Mやエイソスとのグローバル協定、安全衛生に関する国際アコードは、サプライチェーン全体で人命を救って基準を改善している。
これらの成功を足場に前進しなければならない。自発的なイニシアティブを越えて進み、すべての場所の労働者のために拘束力と強制力のある権利を要求するときである。
デジタル化――技術は人の役に立たなければならない
オートメーション、人工知能、アルゴリズム管理は、誰も想像しなかったほど急速に産業の形を変えている。多くの職場で、労働者は人間によってではなくデータによって管理されている。アルゴリズムがシフトを決定したり、業績を追跡したりしており、誰が残って誰が出て行くかにさえ影響を与えている。
あまりにも頻繁に、これらのシステムは不透明で不公平である。政府は立ち遅れている。AIに真正面から取り組んでいる労働協約はほんの一握りである。一方、労働者が監視や不安定、差別に直面しているのを尻目に、企業収益は増えている。
そこでインダストリオールは、人工知能に関する包括的な政策文書、どうすれば組合はAIに対応し、公平性と透明性、説明責任によって技術が統治されるようにすることができるかについての青写真を発表した。
私たちの責任は明確である――人が技術に貢献するのではなく、技術が人に貢献するようにすること。団体交渉を通して、デジタル時代の労働者のために透明性と尊厳、統制権を確保しなければならない。
人と地球にとって公正な移行
持続可能な産業への移行は、地球の生存に必要不可欠である。だが、成功するには公正な移行でなければならない。良質な雇用の喪失と地域社会の破壊の上に成り立つグリーントランジションは、公正なものではない。
公正な移行は、人と地球の両方を保護しなければならない。社会的対話と団体交渉、公共投資を原動力としなければならない。古い機会を犠牲にせずに、新しい機会を創出しなければならない。産業転換が進む中で、労働者が議論に参加しなければならない。労働者が主導すれば、移行は真に公正なものになるからである。
公正な未来のために団結
シドニーでの会合で、私たちは共通の目的のもとに集まる。前途に待ち受ける課題は非常に大きいが、私たちの力も大きい。仕事と産業、そして地球の未来は、私たちの今の選択によって形成される。
「組織化で公正な未来を」は大会のテーマであるだけではない。それは私たちの在り方である。労働者が団結して歴史の流れを方向付けるという宣言である。私たちが固く結束すれば、その連帯より強い力はないのだから。
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Organizing for a just future: workers must shape the change | IndustriALL
グローバル・ユニオン、国連条約交渉で強力な企業の説明責任を要請
2025-11-03

先週ジュネーブで第11回交渉が終了したことを受けて、インダストリオールと他のグローバル・ユニオンは、ビジネスと人権に関する拘束力のある国連条約への支持を再確認し、企業にサプライチェーンの人権侵害に対する責任を負わせなければならないと強調した。
交渉開始から10年、グローバル・ユニオンは「国際人権法で、多国籍企業をはじめとする企業の活動を規制する明白な条項を書き直す」という議長の提案を歓迎した。この提案は、建設的に交渉を促進できる妥協案を考えようとする真摯な努力を示している。
「拘束力のある国連条約は、グローバル企業を公正と人権尊重の枠内で活動させるうえで欠かせない。何度も言ってきたように、自主的な取り組みは労働者と地域社会を守っていない。グローバル事業全体で企業に責任を負わせる法的拘束力のあるルールが必要だ」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。
この条約に関する労働組合の優先課題は以下のとおりである。
- 幅広い対象範囲:労働者の基本的権利も含めて、国際的に認知されたすべての人権の包摂
- 包括的な適用範囲:規模や部門に関係なく、すべての企業の包摂
- 規制の域外適用:多国籍企業による人権侵害の犠牲者の司法アクセス
- 人権デュー・ディリジェンス:企業向けの義務的な方針・手順
- 企業の説明責任:人権法に基づく企業の明確な義務
- 国際執行:確固たる世界的な監視・実施メカニズム
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Global unions urge strong corporate accountability in UN treaty talks | IndustriALL
誰もが平等に――女性の力がインダストリオールの世界的な運動の中心
2025-11-03

第4回インダストリオール大会の前日、「誰もが平等に」の旗印を掲げて、すべての地域・部門から350人を超える女性が女性大会に集まり、エネルギーと彩り、強い信念で会議室を満たした。
この1日は女性間の連帯・団結の精神を発散し、闘いの物語が強さの物語になり、メンターシップとリーダーシップ、ビジョンが融合して集団的な力の共同宣言になった。
平等の基調を打ち出す
女性大会の冒頭に、クリスティーナ・オリビエ・インダストリオール書記次長が歓迎の挨拶に立ち、過去と現在の年長者たちに敬意を払い、この行事は6年ぶりの対面女性大会だと述べた。
「みんなよくやった」と彼女は、この再会の時を何年も待っていた聴衆に語りかけた。
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長が、ジェンダー平等の推進に精力的に取り組んできた女性委員会とその指導者を祝福した。書記長は、女性が今や世界大会代議員の43%を占めていることを称賛した、この比率は2016年リオ大会の28%から上昇し、明らかな進歩の兆候を示しているが、引き続き取り組んでいく必要もある。
「女性が対等な立場で組合に加わらなければ公正な未来はない」と書記長は出席者に念を押した。
「『誰もが平等に』というテーマは単なるスローガンではなく、協力して私たちの運動の未来を築くという約束だ」
イルバナ・スマイロビッチ女性委員会共同議長が、平等は団結なしでは達成できないと強調した。
「強さと連帯を示さなければならない」と彼女は述べ、包括的な組合と職場を生み出すために男女が団結するよう求めた。
マリー・ニルソン・インダストリオール会長が、心からの省察によって基調を打ち出し、シドニーに発つ前日に3人目の孫(女の子)が生まれたと述べた。
「彼女は大きくなったら、祖母が自分のバリケードになっていたことを知るだろう」
彼女の言葉は、その日の雰囲気をうまく捉えていた――勇気とつながり、そして将来世代のために公正で平等な世界を求める闘いである。
オーストラリアは関連産業でジェンダー平等を求める闘いを先導
この精力的なセッションでは、鉱業・エネルギー労組(MEU)のジャッキー・ウッズが司会を務め、建設、鉱業、製造業、医療および繊維部門の女性が参加。根強い障害を報告するだけでなく、それを克服するための組合組織化の力についても話し合った。
木材供給・繊維労組(TFTU)のジェニー・クルシェルが、女性がどこまで来たか、どれだけの仕事が残っているかを強調した。
「賃金平等は私たちの偉業の1つだが、まだ格差が見られる。公正労働委員会の支援を受けて、使用者は現在、平等を可能にする変革に対応し始めている」
「私の職場では70人中10人が女性だ」とMEUのクレア・ベイリーが述べた。「組合加入を常態にする必要があり、この部門に女性がいることを常態にする必要がある」
オーストラリア労組(AWU)のステーシー・シンナールが、自身の指導者への道筋を熟考した。
「私の組合では、私のジェンダーは重要ではないが、取るに足りないものでもない。私の存在に困惑する男性がまだいる。そのような状況を利用して女性を擁護している」
木材供給・繊維労組(TFTU)のグエット・グエンは、組合加入で人生が変わった。
「組合のおかげで自分の権利に気づき、それ以来、労働者を代表しようと決意している」
オーストラリア製造労組(AMWU)のルネ・ポートランドが、具体的な進展を誇りに思っていると述べた。
「PPEに関する説明会を開き、女性が教育を受けて知識を身につけるようにしている。当組合はそれを実現している」
パネリストたちは共同で、粘り強さによる進展、メンターシップ、認知度、男性優位の産業における平等への集団的要求を生き生きと表現した。見通しは明るく、クリーンエネルギーとSTEMで新たなチャンスが生まれている。
「女性を念頭に置いて明日の方針が立案されるようにしなければならない」と1人の発言者が述べた。
組織化で公正な未来を――権限、公正および転換
力強い世代間セッションに、インダストリオールの女性副会長であるクリスティアーネ・ベナー、ロクサーヌ・ブラウン、ローズ・オマモならびにルシネイデ・バルジョンが参加し、ジェンダー平等がどのように仕事の未来を形成しなければならないかに検討を加えた。
ロクサーヌ・ブラウンUSW副会長がステージから聴衆に力を与えた。
「1、2、3、パワー! パワーを感じるか?」と彼女は大声で叫び、数百人がその言葉を繰り返した。「心の中のその感情、それを覚えておく必要がある。それこそグローバルな労働運動の目的であり、インダストリオールにあるものだ」
彼女の言葉は、この日の鼓動を捉えていた――女性が組織化すれば、職場が変わるだけでなく世界が変わるという信念である。
副会長たちは、公正な移行、デジタル化、公正な未来の基礎としての平等について語った。
ドイツで女性として初めて主要産別組合の指導者となったクリスティアーネ・ベナーIGメタル会長が、組織文化の変革について話した。
「ジェンダー平等は女性の問題ではなく、民主主義の問題だ」と彼女は述べた。「力を共有すれば、私たちが受け継いだ世界ではなく、私たちが生きている世界を反映する、より強力な組合を構築できる」
ケニアAUKMのローズ・オマモが、男女労働者を団結させる共闘を参加者に思い出させた。
「ともに闘い、ともに勝利する。女性が立ち上がれば、組合も立ち上がる」と彼女は述べた。「平等は力を奪うものではなく、力を結集するものだ」
そして、ブラジルCNQ-CUTのルシネイデ・バルジョンが、すべての女性に及ぶ代表の重要性を力説した。
「ブラジルでは、女性の委員会や集団によって、すべての女性、アフリカ系ブラジル人、先住民および労働者階級に耳目が集まるようにしている。それが変革を実現する方法だ」
副会長たちは、ジェンダーを変革する組合、女性を含むだけでなく女性に主導権も与える組合を要求した。「私たちは強い女性に依存している」と1人のパネリストは述べた。
「公正な未来は、それが平等である場合のみ実現可能だ」
ジェンダー主流化と安全なサプライチェーンの構築
このセッションでは、日本最大の産別組合UAゼンセンの永島智子会長の司会で、ジェンダー平等をグローバル・サプライチェーンと産業移行の基礎とする方法を探った。永島会長は繊維、化学、エネルギーおよびサービス部門の労働者190万人を代表して、ジェンダー主流化は平等のためだけでなく、持続可能な産業と公正な経済の構築にも欠かせないと強調した。
このセッションは、進展のモデルとして繊維・衣料・製靴・皮革部門を強調した。
パキスタンHBWWFのゼフラ・カーンとインダストリオール部門担当部長のクリスティーナ・ハジャゴス=クローゼンが、平等の権利、職場の安全、ジェンダーに基づく暴力とハラスメント(GBVH)のゼロ容認を促進するTGSLジェンダー方針を発表した。この方針は、集団行動によって原則を慣行に変え、最も脆弱な層を保護するとともに、生産や交渉にあたって女性が主導権を握るための道を作れるようにするにはどうすればよいかを示している。
トルコÖz İplik İşのフルヤ・ピナル・ウズカンとスウェーデンIFメタルのハイディ・ランピネンが、H&Mとのグローバル枠組み協定(GFA)が、GBVHと闘い、労使関係を強化し、100万人を超えるサプライチェーン労働者の安全な職場を確保するうえで、強力な手段となっていることを報告した。
会場からの介入で、この活動を全部門に広げなければならないことが強調された。インドネシアFSPMIのプリハナニ・ボエナディ電子部門共同議長が、参加者に警戒を怠らないよう促した。「GBVHと闘い続けなければならない。すべての部門がTGSL方針と足並みをそろえ、その教訓を生かすべきだ」
フランスCFE-CGC Métallurgieのコリン・シェウィンが、女性労働者がたびたび目に見えない圧力にさらされていることを強調した。
「女性は重い精神的負担を強いられており、キャリアを伸ばす能力を制限されている。本当の平等がほしければ、この負担の軽減に取り組まなければならない」
ここでの議論ではっきりしたのは、原料から小売に至るバリューチェーンのすべての部分にジェンダー平等を組み込み、公正な移行と人権デュー・ディリジェンス、労使関係を調和させて、万人に公正、尊厳、安全を提供するようにしなければならないということである。
組合の力を構築するための女性のメンタリング
このメンタリングセッションは、女性大会で最も刺激になる瞬間の1つとして際立ち、世代や大陸を超えた連帯がどのように真の労働組合の力に変わり得るかの実例を示した。
このセッションは、2019年の女性大会で初めて設定されたビジョンを反映していた。すなわち、女性がメンターシップを通して成長すれば、彼女らとともに運動全体も成長するということである。
セッションではメンターとメンティーが力強く証言し、指導と根気、信頼によって自信をリーダーシップに変えられることを説明した。
ペルーのウェンディー・キャロル・カルバハル・レオンが、自分の権利や労働組合主義の意味を理解するうえでメンターシップがどう役立ったかを共有した。
「私は組合加入の意味を理解するようになった。メンターシップは、90分の授乳時間の達成のような権利を認識するのに役立ち、権利を求めて立ち上がる力を与えてくれた」
ガーナのアグネス・アマ・アガマスが、この経験によって労働運動における自身の役割をどのように再定義したかを説明した。
「目標達成の方法を学んだ。私は今、所属組合で最も若い女性であり、これは若い男女に等しく道を開いている。このプログラムのおかげで、私の状況は大きく変わった」
ガーナのジョイス・マク・アッピアが、このプロセスの互恵的性質を取り上げた。
「メンターになったことは私に骨組みを与えてくれた。自分がメンティーたちにとって、すべてを満たす存在にはなれないことを悟った。辛抱強く話を聞くことが重要だ。メンターとして、私自身も指導を受けている」
米IAMAWのニコール・フィアーズとディー・コルバートが、同労組のLEADS指導教育プログラムの原則を発表した。
「雇用に関する公正と地域社会へのサービスの原則に根差している」
「ジェンダー平等は労働運動を強化する。私たちはトーチを渡すだけでなく、互いに照らし合っている」
ここでの議論は、メンターシップは慈善行為ではなく集団的な権利拡大戦略であることを再確認した。メンターシップは女性が先導する道を開き、世代間の橋渡しをして、個人の成長を組織の強さに変える。
共通の目的を掲げる運動
女性大会の最後に、インダストリオールの2025〜2029年ジェンダー平等ロードマップ草案が発表された。この案は明確な優先事項を提示している。すなわち、女性の参加とリーダーシップの拡大、同盟者としての男性の関与、賃金平等の達成、無給介護労働への対処、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントの根絶、人権デュー・ディリジェンスと公正な移行プロセスへのジェンダー・トランスフォーマティブ・アプローチの統合である。
このロードマップは、具体的な手順や意識向上、訓練、ツールや資料の開発、同盟の構築、部門の垣根を越えたフォローアップの強化を概説しており、次の女性委員会がインダストリオールの組織機構や方針、アクション・プランにジェンダー平等を体系的に埋め込む基礎となる。
イルバナ・スマイロビッチが、締めくくりの言葉で感情と感謝の念を込めて語り、登壇者全員の勇気と強い信念を認めた。この日の力強い交流を振り返り、強さと脆さの両方が現れた場だったと表現した。流された涙は弱さの表れではなく、共感と共通の目的の表れだったと彼女は述べた。女性は他者を優先することが多いが、力を取り戻し、主導権を握り、他者を前方に牽引し続けるためには、自分自身を優先しなければならないときもある。
ルミレッズ・マレーシアで労働組合権侵害
2025-11-04

アップル向けに生産しているルミレッズ・マレーシアで、重大な労働組合権の侵害が報告されている。労働者と組合代表によると、11月4-7日に予定されている組合認証選挙を控えて、広範囲にわたる威嚇や干渉が見られる。
半島マレーシア電子産業従業員組合北部地域(EIEUNR)からの報告によると、経営陣はさまざまな反組合的慣行に関与している。例えば、組合支持者であることが分かっている約200人を有権者リストから除外することによって有権者の適格性を操作したり、組合を支持すれば強制送還や労働許可の非更新、社宅からの立ち退きを行うと言って移民労働者を脅したり、会合を開いて一方的に話をしたりする(報告によれば、組合を拒絶することが賃金・給付増額の条件だという)といった行為である。この会合では、記録されないようにするために労働者の携帯電話が没収された。
その他の申し立てとして、組合支持者に対するハラスメントや中傷、組合指導者に関する偽情報の拡散、監視や懲戒の脅し、労働者に「反対」票を促したり、組合加入を拒絶する動機を与えたりする賄賂や強制が挙げられる。伝えられるところでは、勤続年数の長い従業員を有権者リストから除外し、実質的に参加権を与えなかったという。
インダストリオール・グローバルユニオンはルミレッズCEOのスティーブ・バーロウに書簡を送り、報告された行為について深い懸念を表明した。
「これらの行動は、マレーシアの法律とマレーシアが批准済みのILO第98号条約で保障されている、労働者の結社の自由に対する権利および団体交渉権の甚だしい侵害に相当する」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は述べた。
インダストリオールはルミレッズに対し、即時に是正措置を講じるよう求めた。例えば、すべての反組合活動をやめ、公正で威嚇のない選挙を確保すること、組織化して自分で選んだ組合に加入する労働者の権利を尊重すること、組合員と指導者を報復から保護すること、ルミレッズ・マレーシア労働者の合法的代表としてのEIEUNRと誠実な対話を行うことである。
「これらの組合つぶし行動は、倫理的行為、持続可能性および人権に対するルミレッズの公約に反する」とホイエは付け加えた。
「アップルなど主要な世界的ブランドへのサプライヤーとして、ルミレッズには自社の事業全体で国際労働基準を支持する責任がある」
インダストリオールは、ルミレッズの主要クライアントであるアップルにも、ルミレッズ・マレーシアで結社の自由に対する労働者の権利の侵害に取り組むよう強く促している。
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Trade union rights violations at Lumileds Malaysia | IndustriALL
高等裁判所がSAILボカロ労働者370人の正規雇用化を命令
2025-11-05

労働者の権利にとって大きな勝利が達成され、ジャールカンド州高等裁判所がSAILボカロ製鉄所の経営陣に対し、長期契約労働者370人の正規雇用を指示、2006年に始まった法廷闘争が終わった。
ユニオンズ・ユナイテッド加盟組織のジャールカンド革命労組(JKMU)が申し立てたこの提訴は、ボカロ製鉄所の主要生産単位で雇用される労働者に関するものだった。関連労働者は、いずれも7年以上にわたって雇用されていた。
同労組は2006年に初めて紛争を提起し、産業審判所は労働者に有利な判決を下した。しかし経営側は最高裁判所に上訴、高裁は今回、産業審判所が賃金・給付全額支給で労働者を常用雇用するよう命じた先の決定を支持した。
ゴータム・モディー・ユニオンズ・ユナイテッド会長は、この判決を「インドの労働者の画期的な勝利」と呼んだ。
「SAILボカロ製鉄所では、1万人を超える不安定労働者が危険な状況下で常勤の仕事を遂行しているが、正規雇用と適正賃金、基本的な保護を与えられていないままだ。度重なる正規雇用化の勧告にもかかわらず、同社は相変わらず請負業者を通して労働者を搾取し、組合の努力を弾圧し、不安定と差別を永続させている。この裁定は、我が国の産業を構築・維持する人々が安全で尊厳のある雇用に値することを再確認している。すべての労働者が公正、権利、そして尊厳と安全に根差した未来を勝ち取るまで、不安定雇用との闘いは続く」
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は述べた。
「この判決は、インドの鉄鋼業を何十年も支えてきた労働者が不安定なままであってはならない、ということを力強く断言している。SAILは、常勤の仕事をしている労働者の尊厳と平等、常用雇用を支持しなければならない」
【原文記事URL】
High Court orders regularization of 370 SAIL Bokaro workers | IndustriALL
世界的な鉄鋼危機が悪化する中で緊急行動を要求
2025-11-11

11月4-5日にパリでOECD鉄鋼委員会が開かれた際、組合は世界的な鉄鋼危機に関して緊急の行動要請を行った。この危機の解決策は、公正な移行を推進するために、労働者を協議に参加させ、企業に責任を負わせ、社会的保護を保証しなければならない、と組合は言う。
「鉄鋼部門は、アンバランスな貿易・資本の流れが世界レベルでもたらす課題を最も明確に示す実例の1つだ」とベロニカ・ニルソンTUAC書記長は述べた。
「パラダイムを――短期的利益と補助金による過剰設備から、持続可能な雇用、労働者の権利、国内支出による需要拡大へと――転換しない限り、鉄鋼部門は不公平な世界貿易と気候移行という双子の課題に耐えられない」
TUACとインダストリオール・グローバルユニオン、インダストリオール・ヨーロッパ労働組合の共同声明は、市場と生産能力、貿易の流れが討議の中心になっているが、人間的・社会的側面はもはや付け足しであってはならないと強調している。
「この移行の責任は労働者だけで担うことはできないし、担わせてはならない」とアトレ・ホイエ・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は付け加えた。
「多国籍製鉄会社は、株主に報酬を与えたり、生産を最もコストの低い国に移転させたりするだけでなく、労働者と安全な職場、アップスキリング、脱炭素化に利益を再投資しなければならない」
組合は特に次の点を強調している。
- 世界の鉄鋼過剰生産能力は2027年までに7億2100万トンに達し、最も効率的なメーカーにさえ非常に大きな圧力をかけると予想される。
- ヨーロッパとラテンアメリカで閉鎖または転換されている施設の多くは高炭素溶鉱炉/BOF工場であり、両地域の鉄鋼業の未来について社会面・雇用面で深刻な懸念をもたらしている。
- 公的助成金や貿易措置は社会的要件――雇用維持、訓練、社会的対話、労働者代表――に関連付け、「公正な移行」が「株主だけのための移行」にならないようにしなければならない。
- 組合は各国政府とOECD鉄鋼委員会に対し、産業・貿易・気候政策枠組みに労働権と労働者の参加、企業の注意義務を盛り込むことを求める。
「ヨーロッパの鉄鋼業は、世界的な過剰生産能力の重圧のもとでは成功することができない。貿易措置は確固たる産業政策と連動し、雇用を守ってグリーントランジションを推進しなければならない」とジュディス・カートン=ダーリング・インダストリオール・ヨーロッパ労働組合書記長は述べた。
「鉄鋼労働者はグローバルな産業・気候転換の中心にあり、彼らの発言権とディーセント・ワークを保証しなければならない。さもなければ地域全体が置き去りにされるだろう」
組合は、実際的な解決策――信頼できる脱炭素化ロードマップ、労働者主導の公正な移行計画、雇用・権利・環境を保護する強力な世界的枠組みなど――に関して、業界や政府、OECDと協力する用意がいつでもできている。
【原文記事URL】
Unions demand urgent action as global steel crisis worsens | IndustriALL
