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第210号インダストリオール・ウェブサイトニュース

アルセロール・ミッタル・シェルビーのストが40日を経過

2026-03-04

溶銑炉から出てくる金属を鋳造する鉄鋼労働者

オハイオ州シェルビーのアルセロール・ミッタルで働く鉄鋼労働者は40日以上にわたってストをしており、インダストリオールに加盟している全米鉄鋼労組(USW)第3057支部の組合員約450人が、労働条件と勤務スケジュール、医療を保護する公正な労働協約を要求している。


このストライキは、交渉決裂後の1月13日午後11時59分に始まった。交渉は昨年9月2日に始まったが、協議が行き詰まり、最後の労使会合が開かれたのは1月28日である。それ以降、さらなる交渉は予定されていない。

USW国際代表のスティーブ・アッカーマンによれば、これは第3057支部の歴史上最長のストであり、2021年に11日間続き、4年協約に至った紛争をすでに上回っている。

労働者はピケラインを維持

スト開始当初から、労働者たちはウェストメインストリート沿いのシェルビー工場前で、決意を固めて目立つ形で存在を維持してきた。組合員は冬の寒さに耐えながら毎日ピケラインを歩き、プラカードを掲げたり、通る車に手を振ったり、焚き火の周りに集まって暖を取ったりしている。

交渉単位の労働者はスト中の賃金を支給されず、1月末で健康保険給付金を打ち切られた。USWによれば、こうした圧力にもかかわらず、ピケラインの連帯と地域社会からの支持は依然として強い。

「USW第3057支部が地域から得ている支持には圧倒的される。これほど素晴らしい勤勉な労働者たちが公正な協約を求めて闘っている姿を目にするのは残念だ。USWは交渉を継続する用意と意思がある」とスティーブ・アッカーマンは述べた。

主要な問題――勤務スケジュール、文言、医療

USWの報告によると、交渉の主な争点は協約の文言変更案、勤務スケジュールの変更、医療条項の修正などである。労働者にとって、これらの問題は雇用保障、ワーク・ライフ・バランス、費用のかからない医療を受ける機会の核心に触れるものである。

シェルビー工場はオハイオ州最大のアルセロール・ミッタル施設であり、マリオンにも工場がある。ストが続く中、組合代表は、混乱が長期化すれば会社の熟練労働力に損害を与える恐れがあると警告する。

「貴重な従業員を失うことになるので残念だ。おそらくすでに失っているだろう」とスティーブ・アッカーマンは述べた。

有意義な交渉を要求

USW第3057支部は、いつでも交渉の席に戻る用意があることを繰り返し表明した。組合側はアルセロール・ミッタル経営陣に対し、誠意を持って交渉を再開し、労働者の貢献を尊重して適正な労働条件を確保する合意に達するよう求めている。

シェルビーでスト中の鉄鋼労働者にとって、メッセージは明確である――長年鉄鋼を生産し地域経済を支えてきた彼らは、自らの尊厳と経験、献身を反映する公正な労働協約を求めて団結している。

アレクサンダー・イワーノウ・インダストリオール素材金属担当部長は次のように述べた。

「シェルビーの鉄鋼労働者の決意は、連帯が本当に意味することを示している。この労働者たちは、公正な勤務スケジュールや適正な医療だけでなく、職場における尊厳と敬意も求めて立ち上がっている。アルセロール・ミッタルは誠意を持って交渉の席に戻り、労働者の技能、献身、貢献を認める協約を取り決めるべきだ。工場の持続可能な未来は公正な労働協約にかかっている」

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は次のように述べた。

「アルセロール・ミッタルのようなグローバル企業の主要施設で団体交渉が長期にわたって停止すれば、グループ内の社会的対話と労使関係のガバナンスの効果について深刻な懸念を引き起こす。団体交渉と結社の自由の尊重は、基本的な国際労働基準であり、安定した責任ある労使関係に不可欠な柱だ。アルセロール・ミッタルは誠意を持って直ちに有意義な交渉を再開し、労働者の技能、献身、貢献を認める公正な協約を目指して努力しなければならない」

写真:シャッターストック

【原文記事URL】
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言葉から権限へ――フェミニスト労働組合主義をインダストリオールの中心に

2026-03-05

2025年11月にシドニーの第4回インダストリオール大会でフェミニスト決議について発言する女性代議員

2025年11月、シドニーの第4回インダストリオール大会に代議員が集まる中、フェミニスト労働組合主義が注目の的となった。ローズ・オマモ副会長が、組織にとって決定的な瞬間となるであろう決議の政治的基調を打ち出した。


「この決議は、フェミニズムを、変革を起こす政治的プロジェクトとして受け入れるよう求めている。これは抑圧の根本原因に立ち向かうための手段だ」

副会長の介入は手続きに関するものではなく、方向性を示すものだった。インダストリオールで長期にわたってフェミニスト労働組合主義を提唱してきた彼女の言葉は、女性委員会による長年の組織化活動を反映していた。その活動が決議を方向付け、この瞬間に向けて弾みをつけたのである。フェミニズムは付随的なテーマではなく、権力の政治的枠組みだ、彼女は明言した。

投票が行われたとき、反対票はなく、棄権もなかった。

これは象徴的な瞬間ではなかった。戦略的な転換点であり、フェミニスト労働組合主義を組織の議題の中心に据えるために、インダストリオール加盟組織が熟考したうえで下した政治的決断である。

シドニーでの出来事は構造的変化を示していた。フェミニズムは、もはや組合の討議の周辺に位置づけられるものではなくなった。組織化戦略や交渉優先事項、グローバルな方向性の中核を成すものとして認識されたのである。

フェミニスト決議は、公正な移行から貿易政策、組織化からグローバル枠組み協定、労働安全衛生から企業説明責任に至るまで、インダストリオールのすべての活動分野でフェミニスト労働組合主義を主流化しなければならないと明記している。

これは付け足しではなく、組織の進むべき方向性を定義している。

変革を起こす政治的プロジェクトとしてのフェミニズム

ローズ・オマモが政治的方向性を定めたとすれば、会場からの最初の介入は、フェミニスト労働組合主義が男性指導者も含めた集団的な取り組みであることを示した。

南アフリカSACTWUのエティエンヌ・ブロックが、まず所属組合の女性指導者たち──会長、書記長、国際代表──の名前を挙げた。これは大げさな言い方ではなく、具体的な力関係の変化を認める発言だった。

「私の組合の会長は女性で、書記長も女性だ……私はこれを誇りに思っている」

この言葉は目的意識のある誇りを表現しており、進歩を認めながらも、自己満足を拒んでいた。

「今大会では、女性代議員が40%を超えている。だが、40%は平等ではない。足場とするべき基礎だ」

討論の最初の発言者として、そして男性労働組合員として、彼のメッセージは明確だった――フェミニスト的変革は女性だけの問題ではなく、組合の問題である。代表だけが目的ではない。構造的な平等が目的である。

決議はこの方針を反映しており、組織化戦略、団体交渉、組合統治にフェミニストの思考を反映させることを要求している。

女性のリーダーシップは、目に見えるだけでなく、権限と資源を与えられ、意思決定プロセスに組み込まれなければならない。

家父長制的な組合文化への挑戦

いくつかの加盟組織が組合内部の力学について率直に語った。

マダガスカルFESATIのレオンティン・ムボラノメナが明言した。

「クオータ制を導入したり、女性に肩書きを与えたりすることはできる。だが、私たちはクオータ制を信用していない。女性は実質的な責任を担わず、意思決定も下していない」

彼女の言葉が心に響いたのは、考えたくない真実を突いていたからである。形式的な包含が自動的に権限をもたらすわけではない。フェミニスト労働組合主義は、意思決定プロセスと説明責任、リーダーシップ文化の構造変化を要求する。

ブラジルCNM CUTのマリア・トラバソン・ラモスが政治的課題を明確にした。

「フェミニズムは日常業務の一部でなければならない。空虚な言葉ではなく、公正を求めて闘う現実の方針だ。強いフェミニズムなくして強い労働組合はありえない」

この論理は決議全体に広がっている。フェミニストの原則に基づいて、組合の機構や方針、キャンペーンを方向付けなければならない。目的は人目を引くことではなく、変革である。

職場の現実が基礎

ここでの討議は、女性労働者が組織的な差別や暴力にさらされている分野の実体験に根差していた。

INTWFインドのルクミニ・VPが次のように説明した。

「職場で女性従業員が日常的に嫌がらせや差別を受けているのを目撃してきた」

インドネシアFSP KEPのエンダン・ワユニンギシが、フェミニスト組織化を労働安全衛生と直接結びつけた。

「女性は女性委員会に加わるだけでなく、すべての委員会に参画しなければならない。女性労働者は特にOHS分野で、リプロダクティブ・ヘルスの保護やセクシャルハラスメントからの自由などの保護を必要としている」

この決議は、OHS基準を拡大して性と生殖に関する健康と権利を明確に含めるとともに、サプライチェーン全体でジェンダー変革的訓練を要求。労働協約や労働枠組みにおいて、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントの防止を制度化する取り組みを強化している。

インドネシアFSP2KIのスジャナ・プルバが端的に述べた。

「セクハラや差別は一切容認してはならない」

これらの要求は、透明性のある賃金慣行と構造的な仕組みによってジェンダーに基づく賃金・昇進格差をなくすことを求める決議の要請と一致する。

フェミニスト政治経済学

決議の最も先見性のある側面の1つは、フェミニスト政治経済学の採用である。

この原文は、ジェンダー公正を世界貿易体制、新自由主義的構造改革、気候危機と結びつけており、インダストリオール内部で協調的なフェミニスト政治経済戦略を立てて貿易政策と連帯対応を策定することを求めている。

フィリピンPTGWOのダリウス・ゲレロが、この関連性を明確に述べた。

「私たちは富裕税と気候の公平性を強く要求している。この2つが、私たちの闘いの目標である公正な移行の中心となるようにしたい」

決議は、介護労働と女性の経済的主体性を組み込んだジェンダー公正な移行を要求している。介護労働を、正式なものにして保護し、団体交渉や経済政策に統合しなければならない基礎的労働と認識している。これにより、フェミニスト労働組合主義は単なる代表を超えて経済改革に移行する。

反発に断固対抗

この決議は、右翼権威主義とフェミニズムに対する反発の高まりにも言及。労働組合に対し、市民的スペースの擁護と弾圧に直面する女性活動家の保護を委任している。

モロッコSNP-CDTのラミア・サファが、より広範な課題をこう表現した。

「女性の解放はこの社会の解放だ」

現在の世界情勢において、これは中立的立場ではなく、戦略的立場である。

リーダーシップと制度的主体性

クリスティーナ・オリビエ書記次長が大会を振り返って、この決議は組織の政治的方向性を決定づける瞬間だと述べた。

「この決議は、フェミニズムがインダストリオールにとって枝葉の問題ではないことを明確にしている。フェミニズムは、私たちが組織化し、交渉し、闘う方法の中核にある。不平等と反発にさらされた現在の世界情勢において、この立場を取ることは任意ではなく、必要なことだ」

彼女は、全会一致の採決は内外に強力なメッセージを送ったと強調する。

「加盟組織は声をそろえて発言している。フェミニスト労働組合主義は私たちの運動が進むべき方向だ」

指導部にとって、決議の意義は採択されたことだけにあるのではなく、この決議が今後、組織化戦略や交渉優先事項、制度化された文化の具体的な変革を求めている点にある。

言葉から権限へ

この決議は、すべての多様性の女性労働者のリーダーシップ、経験および権利を中心とする、フェミニスト労働組合主義の共通のビジョンを支持している。

加盟組織はシドニーでただ文書を採択しただけではない。企業の力、気候の不公平、経済的不平等に立ち向かうための中心的な組織化の枠組みとして、フェミニズムを主張したのである。

  • 代表から改革へ
  • 承認から権限の再分配へ
  • 言葉から権限へ

フェミニスト労働組合主義は約束から、インダストリオールの議題の中心となる戦略へと移行した。そうすることで、インダストリオールは自らを、明快かつ信念を持って現在の政治的課題に立ち向かう準備を整えた先見性のあるグローバル・ユニオンと位置付けている。

【原文記事URL】
Feminist trade unionism IndustriALL

 

「すべての人に価値がある。そうでなければ誰にも価値がない」――インダストリオール会長紹介

2026-03-11

2025年にシドニーの第4回インダストリオール大会で演説するクリスティアーネ・ベナー(iv)

冒頭の話は自分自身の経歴ではなかった。クリスティアーネ・ベナーは、昨年11月にシドニーの第4回インダストリオール大会で代議員に自己紹介した際、まず母親の話から始めた。ひとり親家庭だったこと。お金が月末までもたなかったこと。


「私の母はシングルマザーで、月末まで生活費がもたないことがたびたびあった」

彼女の政治活動はそこから始まった――講義室でも組合事務所でもなく、経済的不安定が日常の現実だった家庭で。彼女は機械製造会社で工業事務員としての訓練を受け、若い労働者としてIGメタルに加入、そして青年代表機関に、さらに従業員代表委員会に選出された。

「組合におけるフェミニズムとは、実践的で日常的な力関係の変化だ」

組合役員に就任する前はシカゴで過ごした。ジェンダー研究に専念し、マルコムXの友人である黒人公民権活動家とともに働き、貧困地域出身の若者向けにサマーキャンプを企画した。

「この時代は間違いなく、人種差別、特に黒人に対する構造的に根強い差別についての私の見解や感受性を方向付けた」と彼女は大会で語った。

ドイツに戻って産業社会学の研究を続け、1997年、IGメタルに組合役員として加わった。2023年、IGメタル会長に就任し、同労組の132年の歴史で初の女性指導者となる。2年後、インダストリオール加盟組織は彼女を会長に選出した。

彼女は自分の生い立ちと闘いの目的を切り離したことがない。

歴史的瞬間と次に起こること

彼女が選出されたタイミングは偶然ではない。同じシドニー大会で、インダストリオール加盟組織は画期的なフェミニスト決議を満場一致で採択し、反対票も棄権票もなかった。クリスティアーネ・ベナーにとって、この2つの出来事はつながっている。

2025年11月5日にシドニーの第4回インダストリオール大会で演説するクリスティアーネ・ベナー

「私にとって、全会一致での採択は力強い国際連帯の瞬間だった。これはフェミニズムがもはや周辺的な問題ではなく、私たちの共通の政治的枠組みであることを示している。インダストリオールにとって、この瞬間は私たちが進む方向性に関する明確な決断を表している――フェミニスト労働組合活動は、労働組合組織化や労働協約交渉、私たちのグローバルな方向性において戦略の中心にある」

この決議は、公正な移行からグローバル・サプライチェーン、団体交渉に至るまで、インダストリオール活動全体でフェミニストの原則を主流化することを求めている。それは重要な取り組みである。問題は、どのように実践されるかである。

「戦略的決定が下される場から始めたい。女性が組織的に協議に参加し、真の意思決定権を持つようになったら、変化が起きていることが分かる。フェミニストの視点が私たちの自然な活動の一部となったとき、変化が明らかになるだろう」

権限は与えられるものではない

IGメタル内部で20年以上にわたってフェミニスト機構を築いてきた経験から、彼女は何よりも学んだことが1つある。

「フェミニスト組合は自然に生まれるものではないことを学んだ。女性に実際に権限を与える構造が必要だ――透明な賃金体系、ワーク・ライフ・バランス、真の参加、女性が意見を表明できる場。そして家父長制のパターンを積極的に変える勇気が必要だ。組合におけるフェミニズムとは、実践的で日常的な力関係の変化だ」

これは特にいま重要である。世界中で、女性労働者が勝ち取った利益が攻撃を受けている。資金を得て成長している組織的な右翼運動が、生殖権、職場での保護、フェミニスト政治そのものの正当性を標的にしている。

その反発の最前線に立つ女性たちにとって、会長の主張は明確である。

「皆さんは1人ではない。この反発が私たちに向けられているのは、私たちの運動が強くなっているからだ。怖がることはない。組織化し、国際的にネットワークを築き、主張し続けよう。私たち世界の労働組合運動は、尊厳と安全と平等を求めて闘うすべての女性を支援する」

声を上げる

会長は大会で最年少の代議員たちに語りかけ、もう1つ明確に伝えた――彼女自身の道筋を作った組合の青年活動は、任意の活動ではなく、運動を広げていく方法である。

インダストリオール・グローバル青年大会(2025年11月3日、シドニー)でのクリスティアーネ・ベナー

所属組合で自分の意見を述べるようになったばかりの若い女性労働者への会長のメッセージは、彼女自身が聞きたかった言葉と同じである。

「皆さんの声には効果がある。声を上げれば、自分たちのために、そして将来世代のために構造を変えることができる」

生活費が月末までもたない家庭から、5000万人の労働者を代表するグローバル・ユニオンの会長に上り詰めた彼女は、抽象的な話をしているのではない。

彼女は何が必要かを知っている。そして、変化が可能であることも。

【原文記事URL】
“Everybody counts or nobody counts”: meet IndustriALL’s president – industriall-union

 

組合権なくして女性のための司法なし

2026-03-12

SPMI労働者集会、2014年、ジャカルタ

ニューヨークで国連女性の地位委員会の第70回年次総会(UNCSW70)が開催される中、インダストリオール・グローバルユニオンは世界中の労働組合組織とともに、仕事の世界における女性の権利について具体的措置を取るよう各国政府に求めている。


インダストリオールと他のグローバル・ユニオン・フェデレーションによる要求は、仕事の世界における女性の司法アクセスに重点を置いている。何百万人もの女性が、差別的な法律、資金不足の制度、意思決定への構造的な障壁によって、この権利を与えられていない。

司法は組合権と不可分

司法アクセスは団結権と切り離すことができない。結社の自由と団体交渉権は、すべての労働者――サプライチェーン労働者、インフォーマル経済労働者、移民労働者、官民両部門の労働者に適用されなければならない。グローバル・サプライチェーン全体で、女性は最も不安定な職に過度に集中しており、多くの場合、組合に加入しておらず、苦情処理制度も利用できない。各国政府は、女性労働組合指導者に対する迫害をなくすために措置を講じ、法的支援や料金免除によって手頃な価格の司法を提供しなければならない。

ジェンダー賃金格差を解消――約束ではなく執行によって

ジェンダー賃金格差を解消するには、ILO第100号および第111号条約の批准と実施、団体交渉や法定手続きを通じた最低生活賃金の確立、賃金透明化法の導入、女性中心の職業の再評価が必要である。執行にあたっては、労働監督の強化、利用しやすい苦情処理手続き、官民両部門における給与データの完全な透明性によって支えなければならない。

190号条約の批准――そして実現

各国政府は、ILO第190号条約および第206号勧告を批准・実施し、仕事の世界全体であらゆる形態のジェンダーに基づく暴力やハラスメント(家庭内暴力やフェミサイドを含む)を禁止する包括的な戦略を策定しなければならない。報告の仕組みは、安全かつ内密でジェンダーに対応し、報復からの完全な保護を確保するものでなければならない。これらの政策の立案、監視および執行には、労働組合を関与させなければならない。

ケア、デジタル化およびディーセント・ワーク

不安定雇用やインフォーマル雇用に就く労働者にも労働法を適用しなければならない。国家がケアの提供に第一義的な責任を負うことを認め、ケアへの公共投資と無償ケア労働の再分配を行わなければならない。

デジタル化については、人工知能やプラットフォーム労働に関する政策決定においてジェンダーの視点を主流化し、デジタルジェンダーデバイドをなくさなければならない。

クリスティーナ・オリビエ・インダストリオール書記次長は言う。

「ニューヨークで交渉が続いているが、CSW70の合意結論は具体的で実施できる約束を果たすものでなければならない。女性による司法へのアクセスは平和と民主主義の支えであり、各国政府はそれに応じて行動しなければならない」

声明全文

【原文記事URL】
Women workers’ rights: trade union demands at CSW70

 

職場におけるジェンダートランスフォーメーションを実現する5つの方法

2026-03-12

世界の女性労働者たちのコラージュ

働く女性なら、この気持ちが分かっているだろう。隣の男性と同じくらい懸命に働いているのに、収入が少ない。家事の負担が男性より重く、そのために職場で不利になる。会合で率直に発言すると、話を遮られてしまう。


職場のジェンダー不平等は、偶然に起こるものではない。組織構造や、誰がルールを作るか、誰のためにルールが立案されたか、誰が取り残されているかに組み込まれている。それを変えることが、ジェンダートランスフォーメーションの意味するところである。以下、それを実現するための5つの方法を示す。

1.「すべての人を等しく扱う」ことが平等と同じではないことを認識する

多くの職場が、男女を平等に扱っていると言うだろう。だが、特に1つのグループを念頭に置いてルールが作られた場合は、平等な待遇は平等な結果と同じではない。

安全装置を例に取ろう。何十年もの間、安全装備は平均的な男性の体格に合わせて設計されていた。女性は体に合わない装備で間に合わせるしかなく、その結果、負傷率が高くなった。ルールは誰にとっても「同じ」だったが、結果はそうではなかった。

ジェンダートランスフォーメーションとは、この問題を認識するだけでなく、さらに踏み込んだ行動を起こすことを意味する。つまり、ルールそのものを変え、その作成に女性を関与させ、誰がその仕事をするかについての前提を疑い、安全・賃金・昇進制度がすべての人にとって有効となるようにすることである。

あらゆる職場方針を判断する優れた基準――誰のために立案されたか、誰を除外しているか?

2.誰も評価しない仕事を評価する

ほとんどの女性が、有給の勤務時間の前後に家事をこなしている。料理や掃除、子育て、高齢の親の介護は、家族や地域社会を支える仕事だが、給与明細やGDPの数字には表れない。

国際労働機関(ILO)によると、世界全体で無償のケア労働の76.2%を女性が担っており、この割合は男性の3倍を超えている。ケアの責任があるために賃金労働にまったく就いていない女性が推定7億800万人いるのに対し、男性は4000万人である。ILOの計算によると、現在の変化のペースでは、この格差を埋めるのに210年かかる。

ケアの責任は女性の後について職場にまで入り込み、女性がどの仕事を引き受けることができるか、どの時間帯に働けるか、どこまで昇進できるかを左右するため、これは労働者にとって重要である。真のジェンダー平等とは、この労働を認識し、より公平に再分配するとともに、父親が実際に取得できる育児休暇、手頃な価格の保育サービス、キャリアを破綻させない柔軟な労働によって、それに配慮する職場を作ることを意味する。

3.賃金格差を埋め、使用者に格差解消を証明させる

世界的に、女性の収入は男性より約20%少ない。国連が簡潔に述べている――同じ価値の仕事で男性が1ドル稼ぐのに対し、女性の収入は77セントである。母親が最も大きな打撃を受けており、子どもが1人増えるごとに賃金が下がるが、父親の賃金は上昇することが多い。

格差の一部は、あからさまな差別が原因である。しかし格差の多くは、より根深い問題を反映している――主に女性が行う仕事は、主に男性が行う同等の仕事よりも低く評価されているのである。ケアワーカーの収入は、技能と責任は同等であるにもかかわらず、警備員の収入のごく一部である。

格差の解消は、その可視化から始まる。使用者に対し、性別や役割別に分類した給料データの公表を義務付け、格差を隠蔽できないようにすべきである。そうすれば労働者や組合は、そのデータを使って交渉や法廷、公の場で不公正な賃金に異議を唱えることができる。インダストリオールの賃金平等ツールキットは、労働組合によるジェンダー賃金格差への取り組み(意識向上から、賃金の透明性をめぐる使用者との交渉まで)の一助とするために、特別に開発された無料の実用的なガイドである。

4.ルールだけでなく制度を変更する

政策には限界がある。持続的な変化をもたらすには、労働組合自身を含む組織の文化を変える必要がある。アフリカ有数のフェミニスト学者であるアクア・オポクア・ブリットゥム教授は、2023年6月にケープタウンのインダストリオール女性委員会で次のように主張した。

「組織の構造や文化が変わらなければ、組合指導部を全員女性にしても、女性労働者の役に立たない組合になってしまう恐れがある」

スウェーデンの金属労組IFメタルは設立規約にフェミニストの原則を盛り込み、フランスの組合CGTは1999年、指導部委員会に男女平等参画を導入した。スペインのELAは2017年に全組合員を対象に無記名アンケートを実施、組合内部の差別や偏見について率直に尋ね、組合員の95%から回答を得た。結果は耳に痛いものだったが、とにかく同労組はそれに従って行動した。

この取り組みには男性も関与している。女性が家庭ですべてのケアを担当し、職場で平等を支持するすべての活動を行うことを期待する職場は、フェミニスト的な職場ではなく、疲弊した職場である。訓練を通じて、また、ジェンダー規範が男性にも損害を与えることに関する率直な対話を通じて、男性を直接関与させている組合や使用者は、より持続的な進展を遂げている。

5.自分の権利を知り、その行使を要求する

労働者には多くの人が認識しているよりも多くの権利があり、それらの権利は前の世代がそのために闘ったから存在する。職場のジェンダー平等に関しては、最も重要な保護措置のいくつかはILOが定めた国際基準に由来する。

暴力およびハラスメント条約(第190号)は、すべての労働者が、ジェンダーに基づく暴力を含めて、暴力やハラスメントのない職場で働く権利を有する旨規定している。同一報酬条約(第100号)」は、同一価値労働同一賃金の原則を定めている。これらは野心的な目標ではなく、批准国で拘束力のある基準となっている。

問題は多くの場合、行使である。書面上の権利は、その実施を求める圧力がなければ、ほとんど意味がない。その圧力をかけるのは、組合やキャンペーン、職場の組織労働者である。インダストリオールは、第190号条約に関するトレーナー訓練ツールキットを開発して十数カ国語で提供し、加盟組織が条約を実行できるよう支援している。

インダストリオール加盟組織が採択した2025年フェミニスト決議は、同一賃金や安全な職場から、ケア労働、気候の公平性、権威主義の高まりとの闘いまで、あらゆる課題を詳述している。この決議は、ジェンダー公正が労働運動にとって枝葉の問題ではないことを明確にしている。それこそ労働運動なのである。

「ジェンダートランスフォーメーションは闘わなければ実現しない。手段と枠組み、連帯はすでにある。問題は、私たちが決意と共通の目的を持ってそれらを利用するかどうかだ」とクリスティーナ・オリビエ・インダストリオール書記次長は述べた。

2025年11月にシドニーのインダストリオール女性大会に世界中から集まった女性労働組合指導者たち@IndustriALL

【原文記事URL】
5 ways to make gender transformation at work a reality – industriall-union