広報ニュース

インダストリオール・ウェブサイトニュース第16号(2013年10月16日~10月31日)

オーストリアの金属労働者が2.85%の賃上げ達成

2013-10-31

 オーストリアで労使が合意に達し、1029日開始の予定だった金属労働者によるストは中止された。賃金が平均2.85%引き上げられる。

 最大規模の業界団体である機械・金属産業協会(FMMI)と労働組合DPA-dipおよびインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織PRO-GEとの数回にわたる交渉でほとんど結果が出ず、組合側は10月末のストを発表した。金属部門の全労働者18万人中12万人を対象とする協約が締結され、ストは土壇場で回避された。賃金は職務区分に応じて2.63.2%上がる。

 2年前から議論されてきたフレックスタイム制の問題は未解決のままだ。賃金交渉がすべて終わってから、この問題をめぐる交渉が始まると予想される。

 インダストリオール・グローバルユニオンのモニカ・ケンペール書記次長は言う。「オーストリアの金属・機械エンジニアリング産業で2.53.2%の賃上げを達成できたのは、この部門の従業員代表委員会と組合員が労働協約を要求する態勢を整えていたからにほかならない。オーストリアの同僚はストの準備をしていた。その戦闘即応性が、この躍進、この成功につながった」

 

不安定労働ストップへ日本が行動

2013-10-31

 全日本金属産業労働組合協議会(JCM)は今年、1025日に東京で世界規模のストップ不安定雇用キャンペーンのために行動を起こした。常任幹事を含むJCMのメンバーが、ディーセント・ワークを要求するリーフレットを配った。

ストップ不安定キャンペーンのアピールをするJCMメンバー(日本橋・JCM事務所前で)


 日本のインダストリオール加盟組織であるJCMとインダストリオール・JAFUAゼンセンは当初、連合や他の国内GUFと連携して東京で集会を計画していたが、台風のため2回にわたって中止された。

 連合は1034日に開催された大会で、2013年ディーセント・ワーク世界行動デーへのアピールを採択した。

 

タタ・スチールのグローバル・ネットワークが戦略計画を立案

2013-10-31

 アジアのタタ・スチール関連組合は先ごろタイのバンコクで会合を開いた。参加者はこの好機を利用して、地域の戦略・課題・機会やグローバル・ネットワークの今後の行動について討議した。

 タタには社内行動規範があり、全世界の事業における同社のビジョンと価値観を定めている。この規範は会社の基準となっており、ネットワークによって歓迎されている。しかし今回の会合で、規範が完全に実施されていない場合のあることが明らかになった。例えば、タイの現地経営陣は規範の内容をほとんど知らず、関心がないようである。ネットワークは、この状況を改善するうえで果たすべき重要な役割を担っており、経営幹部に問題を提起して同社の全事業で実施を確保すべく取り組んでいる。

 インダストリオール素材金属部会のマイケル・リーヒー部会長は言う。「タタは世界で最も倫理的な企業であるとの誇りを持っており、行動規範はその理念の柱だ。タイのような場所でも、ヨーロッパやインドと同水準の取り組みを望む。私たちの優先課題は、労使と協力し、それを実現することだ」

 経営幹部が会合に出席せず、問題に直接対応しなかったにもかかわらず、ネットワークは現地の組合を支援する行動計画を立案した。また経営幹部に対し、2014年にインドでグローバル・ネットワーク会合を主催することも申し入れた。組合側は行動規範の実施だけでなく、同社の安全衛生基準といった問題に関する共同アプローチも開発したいと考えている。

 

インドネシアで10月31日の全国スト発表

2013-10-28

 インドネシアの労働組合は1031日~111日の全国ストを発表した。労働者は最低給与の引き上げ、健康保険の実施、外部委託による不安定雇用の撤廃を要求する。

 インドネシアの労働組合は、最低給与の50%引き上げ、外部委託による不安定雇用の撤廃、健康保険の実施、インドネシア人家事労働者保護法の導入を求めてストに入る。

 インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織FSPMIとインドネシア労働組合総連合(KSPI)のサイド・イクバル会長によると、20州(さらに3州が合流の予定)と150(場合によっては200)県・市の労働者300万人が全国ストに参加する。このストは、外部委託教員や工場・空港・港湾・運輸労働者など、多様な産業・職業を対象とする。

「たとえどんなことがあっても、全国ストは予定どおり実施する。使用者は低賃金、不安定な雇用契約、不十分な健康保険によって、弱い立場にある何百万人もの労働者を搾取している」とサイド・イクバル会長は言う。

インダストリオール・グローバルユニオンは、この闘いの主張を支持している。ユルキ・ライナ書記長は言う。「インドネシアはインダストリオールの重要な一員だ。低賃金と低コスト労働を撤廃しなければならない。インダストリオール・グローバルユニオンは搾取撤廃闘争において組合員を支援する」

 

シーメンス従業員連盟が不安定労働者の組織化に注力

2013-10-25

 シーメンス従業員連盟(SEF)は、インドのシーメンスで直接間接に働く全労働者の組織化に取り組む3カ年プロジェクトを策定し、常用労働者と対等な権利・労働条件の確保を目指す。

 インダストリオール・グローバルユニオンは101618日、インド・マハラシュトラ州ターネーで

シーメンス従業員連盟(SEF)ネットワーク会合

を開催した。シーメンス8工場から18人の労働組合指導者が集まり、松崎寛インダストリオールICT・電機・電子担当部長およびダーク・ランデールIGメタル代表とともに、下記の議題をめぐって活発に議論した。

SEF傘下組合の現状と問題

●持続可能な職場と不安定雇用に焦点を当てた組合活動との促進

●シーメンス・グローバル枠組み協定の実施とその訓練

 シーメンス・グループはインドで19,000人以上の労働者を雇用し、21の製造工場を展開、全国にサプライチェーン網を張り巡らせている。SEF傘下組合は13製造工場で労働者約4,000人を組織化しており、南アジア・東南アジア地域最大のシーメンス労働者の組合ネットワークである。

 各工場から集まった組合指導者は、経営陣による圧力など、インドのシーメンス労働者が直面する共通の課題を共有した。ここ何年も、職場で不安定労働者(契約・派遣労働者)が激増し、組織化職場から未組織職場に雇用が移動し、経営陣が労働組合排除や望まれていない昇進を強制している。傘下組合の報告によると、シーメンスや同社サプライヤーの不安定労働者は組合加入・結成も禁止されており、賃金や医療給付、社会保障の面で常用労働者と大きな差がある。

 これらの問題に取り組むために傘下組合は、SEFがシーメンスの全職場で組合組織率を高め、組合ネットワークとして経営側との団体交渉で力をつける必要があることに合意した。この会合では、不安定労働者を含む労働者の組織化に関して、以下のとおり強調する決議が全会一致で採択された。

「社内外を問わず直接間接に当社で働くすべての従業員が、それぞれの構成組合の組合員になれるようにすることを決議する。関連組合は、当社の常用労働者と対等な権利と賃金・労働条件を確保するために努力する」

 SEFは、インドのシーメンスで直接間接に働く全労働者の組織化に取り組む3カ年プロジェクトを策定し、常用労働者と対等な権利・労働条件の確保を目指す。

 またSEFは、シーメンスの全職場でシーメンスGFAを実施し、労働者の権利・利益を守るためにSEFの組合ネットワーク開発にGFA(グローバル枠組み協定)を役立てることも強く要求した。SWUSEFの中核組合)のウダイ・マハレ書記長は次のように述べた。

 「GFA実施に向けて、SEF55人の組合代表を訓練することに決まった。訓練の主眼は、ILOの中核的労働基準と、GFAのその他の条項の重要性である。シーメンス・インドは南アジア・東南アジアで最も事業規模が大きいため、インドで次期拡大会合の開催が予想される。インダストリオールはSEFを支援し、拡大会合前に域内各地の関連組合と関係を作れるようにすべきだ。」

 松崎寛インダストリオールICT・電機・電子担当部長とダーク・ランデールIGメタル(ドイツ金属労組)代表は、1018日にシーメンス・インドの人事管理部門と会談し、労働組合ネットワークの重要性とGFAの実施について意見を交換した。経営側は、シーメンス関連組合と良好かつ建設的な関係を築く意思を示し、実施の第一歩として、組合と協力しながら職場に現地語版のGFAを掲示する。

 インダストリオール・グローバルユニオンとIGメタルは、引き続きSEFの活動を支援し、協定署名者としてGFAの実施に焦点を当てていく。

 

日産労働者の団結権を否認

2013-10-23

 10時間勤務、年金廃止、低賃金、強制的な夜間・週末労働。さらに、労働者が組合結成の希望を表明すると、工場閉鎖や賃下げに関する無言の脅迫が加えられる。これが米国ミシシッピ州カントンの日産工場労働者の現実だ。

 国際労働法研究者のランス・コンパとミシシッピNAACP(全米黒人地位向上協会)の報告書は、日産が組織化と団体交渉を希望する労働者の国際人権基準を侵害している実態を説明している。工場の労働者は経営側が開いた円卓会議への出席を命じられ、講義やビデオを通して、アメリカで組合を結成すれば工場が閉鎖されるとはっきり伝えられる。世界中の他の日産工場ではそんなことが行われていないと労働者が指摘すると、「アメリカでは組合イコール工場閉鎖だ」という答えが返ってくる。

 ミシシッピ州カントンの日産工場で働く専門技術者のシェイラ・ウィルソンは、脅迫には賃下げも含まれていると言う。

「私たちは労働者として、経営側による威嚇のない公正な労働組合選挙を要求している」

「日産は、国際労働機関(ILO)中核的労働基準や国連人権原則などの国際文書に正式に記された労働者の待遇に関する基準に従っていない。また、国連グローバル・コンパクトへの加入を通して国際基準を尊重するという日産自身の公約も破っている」とランス・コンパは言う。「ミシシッピ州カントンの大規模な日産工場の内部における待遇に関する労働者の話を聞けば、日産が国際的に認知された組合結成権を組織ぐるみで侵害していることが分かる」

 シェイラは週610時間勤務について語る。臨時雇用の場合、労働時間は週7日、112時間だ。そして勤務終了の1時間前まで、超過労働を命じられる可能性がある。この負担の重い長時間勤務は家庭生活に大きな影響を及ぼす。労働者は仕事と家庭の両立に苦労し、離婚率が急上昇している。

「そのバランスをうまく取ることができない」とシェイラは続ける。「そして先週、協議もなく、夜間と週末にも働かなければならないと告げられた。これは子どもに大きな影響を与え、健康面でも数々の問題がある。安全な働き方ではない」

 カッサンドラ・ウェルチリンは、「日産で全社員の公正な待遇を求めるミシシッピ州組織」の委員会に加わっている。この組織は2年前、日産がカントンの地域社会に及ぼす影響に対応するために設立された。

「日産が10年少し前にカントンに進出してきたときは、労働者を適正に扱うだろうという期待が高かった。そして、私たちは今もそれを期待している」とカッサンドラは言う。「私たちはミシシッピ州の市民権闘争を通じて、人々の権利が侵害されたときに黙って傍観していてはならないということを学んだ。ミシシッピの労働者は、基本的な人権であり国際的権利である団結権を与えられていない」

 カントンの日産工場は1シフト当たり300台を生産しており、13交代8時間勤務だ。それにもかかわらず、先ごろ労働者の年金が廃止された。シェイラ・ウィルソンは時給23ドルで、前回の賃上げは6年前の50セント増額である。臨時労働者の賃金はさらに少なく、時給12.5ドルで医療給付はない。労働災害が増加しており、労働者は負傷すれば解雇され、より賃金の安い臨時労働者に取って代わられている。

シェイラ・ウィルソンは言う。

「私たちは日産に対し、威嚇や国際労働法の侵害なしで自由な労働組合選挙を許可するよう求めている。引き続きこのメッセージを世界中に広げていく。日産には、私たちを尊重し、労働者としての権利を尊重してほしい」

インダストリオール・グローバルユニオンは、ミシシッピ州カントンの日産工場で苦境に置かれた労働者を支援する。

「私たちの役割は、すべての人が自由に労働組合に加入する権利を持てるようにすることだ。私たちは日産労働者を援助し、団結権や団体交渉権など国際的に認知された労働権に対する要求を全面的に支持する」とユルキ・ライナ書記長は述べている。

 

スウェーデンの鉄鋼工場で死亡事故

2013-10-23

「今、安全衛生対策緩和の影響が出ている。職場の死亡事故は絶対に許さない」と述べるアンデシュ・フェルベIFメタル会長

 スウェーデン北部にある主要高強度鋼メーカーSSABのルーレオ工場で労働災害が発生し、2人が死亡した。

 亡くなった2人は下請業者の従業員で、6年ごとに行われる保全作業の一環としてタンクからタールを出すために現場で働いていた。2人は悲惨にもタールのタンクに落ち、その後遺体で発見された。

 スウェーデンのインダストリオール加盟組織IFメタルのアンデシュ・フェルベ会長はこう述べた。「また悲惨な事故が発生し、ご遺族にお悔やみを申し上げる。労働者が職場で生命の危険にさらされるという状況を容認することはできない」と。

 職場の死亡事故は最終的に使用者の責任だ。過去数年間に、スウェーデン政府は職場の予防安全衛生対策への支援を削減している。

アンデシュ・フェルベ会長は続ける。「今、安全衛生対策緩和の影響が出ている。職場の死亡事故は絶対に許さない」

 インダストリオール・グローバルユニオンのユルキ・ライナ書記長は、「職場で2人が亡くなったのは実に悲惨な出来事だ。ご遺族にお悔みを申し上げる。2013年の終わりになってもまだ労働者が職場で死亡していることも痛ましい。安全衛生は何よりも重要であり、労働者を決して危険にさらしてはならない」とコメントした。

 

トルコとカナダの労働者、クラウンに組合つぶしの中止を共同要求

2013-10-22

10月21日にトルコ・イズミットのカルテペにあるクラウン施設前で行われたデモ

 労働者の利益に反する慣行をめぐってクラウン・ホールディングスに対抗するグローバル・キャンペーンが続いており、アメリカとスイスに続いて1021日にトルコ・イズミットのカルテペにある同社施設前でデモが行われた。ビルレシク・メタル・イスが主催し、USWも参加したこの行動では、トルコとカナダの労働者がともに声を上げた。

 インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のビルレシク・メタル・イスは昨年、トルコのクラウン事業で組織化キャンペーンを開始した。同労組は困難な勧誘活動の末、201211月に労働省から証明書を発行され、団体交渉資格を得た。

 クラウン・ホールディングスは、トルコの使用者が組合組織化を阻止するために広く利用している戦術として、このプロセスを失速させようと、直ちに地方労働裁判所で証明書に異議を申し立てた。トルコでは、この種の訴訟は長期に及ぶからである。

 その後、地方裁判所は今年前半に裁判手続きを完了し、ビルレシク・メタル・イスを支持して労働省発行の証明書は有効との裁定を下した。しかし、同社経営陣は地方裁判所の判決を不服とし、アンカラの破棄院に上訴した。トルコのクラウン労働者は、約2年前から基本的権利を享受できない状況にある。その間に、クラウン事業で行われた独立監査の結果、基本的権利の侵害が明らかになった。

 「クラウン経営陣によるあらゆる圧力・威嚇に負けず、労働者は組合結成を選び、労働省はビルレシク・メタル・イスを公認組合として認めた。クラウンは、この組合を見て見ぬふりをすることはできない」とアドナン・セルダログル同労組会長は述べた。「クラウンは労働者の利益に反する法律を利用して交渉プロセスを妨害しようとしているが、ここトルコだけでなく、カナダをはじめ世界各地でも労働側が勝利すると私たちは確信している」

 「9月初めからストに参加している労働者として、そのような世界的行動が実施されていることを誇りに思う」と、1018日にスイスのバールでデモに参加したUSWのマイク・クラッテンデンは語った。「クラウン経営陣は、世界中で沸き上がっているこの労働者の声を聞かなければならない」

 「加盟組織のUSWとビルレシク・メタル・イスが連帯し、クラウン・ホールディングスに対抗して共同行動を起こしているのは喜ばしいことだ」とケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は言う。「インダストリオール・グローバルユニオンは組合員が勝利を収めるまで、世界中でそのような行動を推し進める」


 

ロシアの自動車労働者がアントリンで勝利

2013-10-22

工場敷地内でストに参加するロシアの自動車労働者

 インダストリオールは、ロシアの加盟組織である地域間自動車労組(ITUA)が自動車部品メーカー、アントリンのサンクトペテルブルク工場でスト成功により勝利したことを祝福した。

 ITUAによると、長期の交渉を経て1015日にストが始まり、経営側は引き延ばし戦術を採用、最終的に9月初めに交渉を一方的に打ち切った。

 労働者の主な要求は、インフレ率を超える賃上げ、労働条件の改善、夜勤手当の引き上げ、有害な労働条件に対する補償の支払いなどだった。

 同労組は9月初め、「順法闘争」によって交渉を再開しようとした。しかし、2日間の行動でも使用者を交渉の席に戻らせることができず、あらゆる法的手段を尽くした組合は争議行為を決定した。

 経営陣はスト中に機動隊の出動まで要請したが、心理的圧力にもかかわらず労働者は固い団結を守った。夜勤労働者は2245分に作業を中止し、スト参加者は要求実現まで工場の敷地から出ないと発表した。

 ストを受けて経営側は交渉の席に戻り、交渉は1016日午後6時に始まってほぼ4時間半後に終了した。交渉の結果、特に以下の条項を盛り込んだ協約が締結された。

●スト参加者はいかなる処罰も受けない。

1024日に労働者集会を開き、団体交渉委員会を選出する。

●経営陣は111日までにインフレ率を超える賃上げに関する労働側の提案を検討し、その後交渉を開始する。

 サンクトペテルブルクのプラスチック部品生産工場は、自動車会社の主要サプライヤー、スペイン系グルーポ・アントリンの施設である。サンクトペテルブルク工場は約150人の労働者を雇用しており、その約半数がITUA組合員である。

 

欧州抗議行動でクラウン・ホールディングスに対抗するキャンペーンが拡大

2013-10-18

クラウン・ホールディングス欧州本社前で抗議行動を実施

 インダストリオール・グローバルユニオンとUSWUNIAの支援を受けて、バールの欧州本社前で抗議行動を実施し、スイス・ベルンの小売業者協会ProMarkaの要職に就く同社役員に警告した。

 UNIAツーク支部の活動家は20131018日、USW代表のマイク・クラッテンデンおよびインダストリオール・グローバルユニオンとともに、バールのクラウン・ホールディングス欧州本社前で抗議行動を実施した。

 抗議の際、ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長はこう述べた。「私たちは今日、代表たちに対し、これ以上の削減はもう容認できない。昨年倍増した利益のしかるべき分配がほしい。少ない給料・年金で働きたくないと伝えた。そして、トルコで可能な限り早く組合を承認するよう同社に要求している」と。

 ウズカン書記次長は、この2つの問題が公正に解決されるまで、インダストリオール・グローバルユニオンは世界中のクラウン事業で動員を続けると誓約した。

 スト参加中のクラウン従業員でUSW現役組合員のマイク・クラッテンデンは言う。「私たちは公正かつ誠実な協約を求めた。クラウン・ホールディングスは私たちに助けを求め、労働者は9年前にそれに応じた。しかし、会社側は利益が倍増したにもかかわらず、まだ助けを求めている。増益だけを目的に、労働者にさらに多くのことを要求してくる。私たちが求めているのは公正な待遇、私たちが会社のために稼いだ金額の正当な分配にすぎない」

 クラッテンデンは次のように付け加えた。「もうこれ以上は譲歩しない。二重構造賃金制度はよくない。職場が分断され、雰囲気が非常に悪くなっている」

 「手当削減反対」キャンペーンが継続中で、クラッテンデンは1021日(月)、インダストリオール加盟組織ビルレシク・メタル・イスがクラウン・ホールディングスに対する一連の抗議行動に備えているトルコの同僚に合流する。

 トルコにおける同社の行動について、クラッテンデンは次のように述べた。「労働者は、自分たちが民主的な投票で加入を決定した組合への加入を求めているだけだ。しかし、会社側は政府と共謀して労働者の組合加入を阻止している。直ちに組合を承認し、充実した公正な初の協約を取り決めるよう求める」

 

米GE労働者が工場閉鎖に抗議

2013-10-16

 ニューヨーク州フォートエドワードのゼネラル・エレクトリック(GE)工場労働者は組合員や地域社会とともに、工場閉鎖に抗議して1018日(金)に集会を開く計画を発表した。

 労働者とその代表組織であるインダストリオール加盟組織の全米電機ラジオ機械労組(UE)第332支部は、このコンデンサー工場が閉鎖されてフロリダに移転すれば従業員200人とその家族に壊滅的な影響を及ぼし、GEと取引のある地元企業の破綻によって地域社会にそれ以上の損害を与え、さらに多くの人々が収入を奪われると懸念している。

 しかし、労働者と組合の懸念はこれだけではなく、GEはフォートエドワード地域に非常に大きな負の環境遺産を残している。

 組合によると、GEフォートエドワード工場は1940年代から1970年代にかけて、毒性の強いポリ塩化ビフェニル(PCB)約130万ポンドをハドソン川に流した。GEはその損害に対する責任を逃れようとしており、現在、複数年にわたるハドソン川浄化プロジェクトが実施されている。この汚染は今なお環境と人々の健康の両方に影響を与えている。

 スコット・ゲイツは工場閉鎖について次のように語った。「GEが工場の雇用を奪い、汚染された土地と川だけを残して行くのは、この地域とニューヨーク州の全住民に対する極めて不当な行動だ。GEは私たちにもっと大きな借りがある。少なくとも、GEには工場の雇用をここに残す義務がある」

 インダストリオールは、フォートエドワード工場労働者とその家族、地域社会に全面的な連帯支援を表明した。ユルキ・ライナ書記長は第332支部組合員への書簡でこう述べた。「ゼネラル・エレクトリックには地域社会の従業員とその200世帯の生活を守る社会的責任がある、と私たちは確信している。さらにゼネラル・エレクトリックは、PCB数百万ガロンのハドソン川への投棄など、危険物廃棄場の浄化に関するEPA規則を厳守すべきだ。ゼネラル・エレクトリックは、自社の行動が環境と人の健康に及ぼす有害な影響に全責任を負わなければならない」

 

ホンダ労働者がメキシコシティーで会合

2013-10-16

 

メキシコシティ-で開催された自動車産業部会

インダストリオール・グローバルユニオンとFESメキシコは、930日から103日までメキシコシティーで自動車産業会議を共催した。会議終了後、インダストリオールのフェルナンド・ロペスとヘルムート・レンゼ、スザンナ・ミラーは、日本の自動車総連およびホンダ関連労組のハイレベル代表団と、メキシコ・ハリスコ工場の独立ホンダ労組(STUHM)代表2人との会合の進行役を務めた。

 解雇されたホセ・ルイス・ソロリオSTUHM書記長が、この独立組合の結成目的は組立工場における労働条件の改善要求、賃上げ交渉、労働安全衛生予防措置の改善要求だと説明した。

「私は10年以上ホンダ・メキシコで働いたが、組合代表を見たこともなければ、経営陣との交渉・対話メカニズムも知らない。いくつかのCTM傘下組合およびSETEAMIと使用者との保護協約が表に出てきたのはSTUHM正式結成後のことで、その時点で経営陣は労働協約が締結されたことを私たちに通知してきた」

 4月に解雇された労働者の1人であるルイス・ヘラルド・ロドリゲス・ルナは、会社側が絶えず労働者を監視し、STUHM脱退を求めて圧力をかけた実態について説明した。労働者たちは、工場でビラ配りをしているところを見つけたら解雇すると脅されたという。

 自動車総連代表は、STUHM執行委員全員の解雇、ホンダ工場での不運なアルマンド・アラナ死亡事故、20134月のストと同月中の労働者11人の解雇、STUHMが非難している脅迫や嫌がらせの問題について、こと細かに質問した。STUHMを支援しているFATのパティ・フアン・ピネダが、法的状況に関する最新情報を提供し、複雑な法律制度のいくつかの技術的側面を説明した。

 ヘルムート・レンゼ・インダストリオール自動車・ゴム部門担当部長は次のように強調した。「メキシコと日本のホンダ労働者代表による、この率直で開かれた議論を心から奨励し、歓迎する。この会議は、うまくいけばメキシコ・ハリスコ州のホンダ工場の問題を解決する非常に重要な第一歩になる」

 自動車総連代表は、「日本の組合代表が今後ホンダ経営陣と会談して解決を模索するうえで、STUHM組合員の声に耳を傾けたことは実に有意義だ」と語った。