広報ニュース

第28号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2014年9月4~16日)

労組出身者がスウェーデン首相に

2014-09-16

 

スウェーデン次期首相のステファン・ロフヴェン氏

スウェーデンの組合IFメタルのステファン・ロフヴェン元会長が、スウェーデンの次期首相に就任する。ステファン・ロフヴェン氏が党首を務める社会民主労働党は、9月14日の総選挙で勝利を収めた。

 この選挙結果を受けて、スウェーデンでは保守政権に代わって8年ぶりに社会主義陣営が政権に復帰する。

 ロフヴェン氏は元溶接工で、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織IFメタルの組合員から、このスウェーデン有数の労働組合の会長になった。国際金属労連(IMF)執行委員も務めた。

 2012年にコペンハーゲンで開催されたインダストリオール結成大会における開会の辞で、ステファン・ロフヴェン氏は次のように述べた。

 「政治討論を行う場合は常に、労働者の声を聞いて尊重すべきだ。私は今も労働者の1人であり、それはこれからも変わらない」

  ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は言う。「この極めて大きな功績について同僚の皆様を祝福する。労働組合員が国家を運営することを誇りに思う。どんな課題が待ち受けていようとも、ステファンは民主主義に深く根差した経験豊富な交渉者だ」

2011年に来日し国会を訪問したステファン・ロフヴェン氏

 

米国イリノイ州のジュノー・ライティング労働者が勝利の喜びを祝福

2014-09-10

 

ワーカーズ・ユナイテッドからの感謝のメッセージが記載されたポスター

 米国、イリノイ州デスプレーンズのジュノー・ライティング・グループで労働者がストに入って3日後、グループ経営陣は、労働者の要求を満たすことに同意した。

  労働者たちは、8月の旧協約執行前の数カ月に及ぶ交渉を経て、適正な労働条件・賃金を求める闘いの最終手段としてストに入った。

  スト終結にあたり、ストに参加した労働者を代表するシカゴ・中西部地域合同委員会は、ジュノー・ライティング労働者の勝利を発表した。伝えられるところによれば、新たに締結された協約には、平均時給の11.90米ドルから13.30米ドルへの引き上げが含まれている。また労働者は、倍額の疾病手当や家族保険料の減額をはじめ、そのほかにも多くの給付改善を何とか獲得した。

  ワーカーズ・ユナイテッド/SEIUのリチャード・モンジェ国際副会長はインダストリオールへの書簡で、ジュノー労働者に公正を保証するうえでインダストリオール・グローバルユニオン・ファミリーの支援が重要な役割を果たしたことを称賛し、「これはジュノー・ライティングのワーカーズ・ユナイテッド組合員にとってのみならず、グローバルな労働者の連帯にとっての勝利でもある」と述べた。

  インダストリオール・グローバルユニオンのケマル・ウズカン書記次長は、この勝利について次のように語った。「ジュノー・ライティング・グループの争議が終結し、グループ経営陣が直ちに分別を取り戻して、労働者の要求を受け入れるという正しい選択をしたことを本当にうれしく思う。私たちはジュノー労働者の決意に敬意を表し、世界中のすべての組合員と勝利の喜びを分かち合う」

 

ジュノー・ライティング・グループ労働者がアメリカで適正賃金を求めて争議

2014-09-04

 

スト中の組合員

適正な賃上げと職場での尊重を求めストする組合員

組合員の生活を低下させようとする経営陣に抗議のスト

イリノイ州デスプレーンズのジュノー・ライティング・グループ労働者は9月3日、会社側に対してストを発表した。労働者たちは、適正な賃上げと職場での尊重を要求している。

  ジュノー・ライティング・グループの労働者は、インダストリオール加盟組織ワーカーズ・ユナイテッド/SEIUのシカゴ・中西部地域合同委員会(第2565支部)によって代表され、イリノイ州デスプレーンズの時給労働者の賃金・雇用条件を対象とする新しい労働協約をめぐり交渉している。スト決行の決定は、8月末の現行協約失効前後の数カ月に及ぶ交渉を経て下された。

  ジュノー・ライティング・グループは、2005年にフランス系多国籍企業シュナイダーエレクトリックに買収された民間企業である。

  ジュノー・ライティング・グループが協約失効前の数カ月間に強く主張した案は、受け入れれば労働者が生活賃金と尊厳を失うことになる内容であるため、組合側は不合理なものと考えている。第2565支部がすでに会社側の要求の多くに同意しているにもかかわらず、ジュノー・ライティング・グループは、さらに譲歩を求めている。組合は、同グループは1976年から成功を収めており、なぜ労働者への公正賃金の支給を拒否する必要があるのか理解できない、と述べている。

 組合によると、これは労働者の「貪欲」による闘いではなく、労働者のための公正をめぐる闘いである。残念ながら、組合員の生活水準を低下させようとするジュノー・ライティング・グループの動きを受けて、労働者はスト実施を余儀なくされた。

  ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長はスト中の労働者を支援するために、シュナイダーエレクトリック・フランス本社のCEOに書簡を送った。書簡の中でユルキ・ライナ書記長は次のように述べた。「ジュノー・ライティングが労働者による妥当かつ公正な賃上げ要求を受け入れようとしないため、第2565支部のワーカーズ・ユナイテッド組合員は、昨日の時点でストを実施しています。御社は要求を受け入れるどころか、今でさえ正当な賃金を支払われていない労働者に対し、賃上げ幅の縮小を提示しています。労働者は、個人医療保険や住宅、食料、教育など、生活費上昇の相殺に役立つ生活賃金を正当に要求しています」

  この書簡でライナ書記長はさらに付け加えた。「シュナイダーエレクトリックが、国内労働法と中核的国際労働基準を完全に遵守して、米子会社ジュノー・ライティングで労働者に適正な労働条件と公正な報酬を保証することが絶対に必要です」と。

  インダストリオールはスト中の労働者にも連帯メッセージを送った。

  ジュノー・ライティング・グループは1976年創設で、一連の埋め込み式/レール式建築照明製品の設計・組立・製造に従事し、市場規模120億米ドルの照明産業で主要企業の一角を占めている。