新着情報(機関会議報告-協議委員会)

第56回協議委員会・産別からの意見・要望

2013年12月16日

自動車総連 | 電機連合 | JAM | 基幹労連 | 全電線 | 本部答弁

《自動車総連》積み上げてきた努力と成果に対する適正配分求め責任ある要求掲げ取り組む

自動車総連ではこれまでの検討において、「全ての単組で賃金改善分に取り組む」ことを確認し、JCM方針である「人への投資」として「1%以上の賃上げをとする」ことを念頭

横田芳治協議委員     (自動車総連)

に、2014年闘争の推進の運動構築に向け論議を深めてきた。

自動車総連全体の運動の調和を図ることが重要

まず1点目は、過年度物価の動向、労働の質の高まり、生産性向上や競争力、さらには、デフレ脱却と2014春闘の意義など、今次取り組みの基本課題を見据えつつ、産業全体、各業種単位の両面から例年以上に突っ込んだ認識を深め合うと同時に、それらを基盤に各労連、単組、職場と共通理解にたった要求構築を通じ、自動車総連全体の運動の調和を図っていく事が重要と認識している。このことは本年のみならず、2015年以降の取り組みに向けても、産別、労連、個別労組、それぞれにおける運動の推進並びに迫力ある要求として経営に訴求していく土台づくりと認識している。

格差是正に向けた着実な前進を

2点目は、「格差是正」に向けた着実な前進である。これまでも産業内における業種間、規模間などの賃金格差の改善に向けた取り組みを行ってきたが、2013年の取り組みでは、賃金要求単組の約6割にあたる575単組が賃金改善分を要求し、そのうち196単組が賃金改善分を獲得した。これまでの努力と成果をいかしていくためにも、今次取り組みにおいては、メーカーのみならず車体部品や販売輸送など裾野の広い自動車産業の競争力の源ともいえる中小単組の交渉環境を、いかに整備・構築していくかが問われている。物価上昇局面にあっても着実に格差是正を前進させ、自動車総連として底上げを図っていきたい。

その意味では、来年4月の消費税引上げ分については、公正取引の確立と実効性が確保されるよう、適正な価格反映について経営者団体と産業労使会議の場で引き続き要請を進めるなど、交渉環境の整備を図っていく。なお、非正規労働者の取り組みについても、賃金の底上げも含めた労働諸条件の改善や特定(産業別)最低賃金の取り組みなどを通じ、未組織労働者への波及効果を高めていくことなどについて、具体的な検討を進めていきたい。

自動車産業は、長期にわたる超円高などを背景とする海外生産シフト、更には、事業構造改革に直面している企業労使の状況があることも一つの現実である。一方でリーマンショック以降、職場の組合員の一人ひとりは、度重なる困難に真正面から向き合いながら、ひたむきに努力を続けてきた。グローバル競争は一層激しさを増しているが、その努力が11つ実を結びつつあるからこそ、今があるのも事実である。このことも今回、我々が訴えていくべき重要な観点だと考えている。

 今次取り組みにおいても、積み上げてきた努力と成果に対する適正配分、物価上昇による家計への影響、格差是正の観点などを踏まえ、労働組合として責任ある要求を掲げ、労使の主体的な交渉を通じて賃金及び総合労働条件の改善に取り組み、経済成長と所得向上を同時におし進めることで経済の好循環を実現していくためにも、自動車総連としてその一翼を担っていきたい

《電機連合》「生活不安」「雇用不安」「将来不安」の3つの不安を払拭するために賃金・労働条件改善と合わせて、政策・制度の改善の取り組みも必要

2014年闘争の意義について

中島武志協議委員(電機連合)

 2014年闘争には、これまでの延長線上では測ることができない難しさがあると受け止めている。しかしながら、だからこそ過去から学んだことを生かして、新たな時代を築くという思いが必要であり、闘争をどのように構築し、成果に結びつけるかが、今後の労働運動に大きく影響を与えることになると言っても過言ではないと考えている。

  賃金を上げ、消費を増やして、デフレからの脱却を確実なものにしたいとする政府の考え方については理解するものの、賃金をはじめとする労働条件は、あくまで労使の責任において決定すべきであり、主体的に取り組むことはこれまでと変わりはない。その前提に立って賃金水準の改善を行うことで、日本経済の好循環につなげるという社会的な責任について、共通の認識に立てるよう強く訴えかけていくことが、我々の大きな役割だと認識している。

労使の主体的取り組みはもちろんのこと、社会的役割を従来以上に意識して取り組む

  私たち電機産業の状況をみると、全体的には業績の回復に明るい兆しはあるものの、依然としてまだら模様であり、先行きがまだまだ不透明な状況である。そんな中で、取り巻く情勢を冷静に分析しながらも、社会的役割を従来以上に意識し、賃金の引き上げ要求について前向きな論議を進めているところである。また、企業内最低賃金協定水準の引き上げについても、未組織労働者・非正規労働者を含めた勤労者全体の賃金・労働条件の改善が必要とするJCM方針に沿って、積極的に取り組む考えである。

  しかしながら、賃金を上げたとしても「生活不安」「雇用不安」「将来不安」の3つの不安が払拭されなければ、デフレ脱却は確実なものにはなりません。2014年闘争では、実質生活の維持・向上に向けた労使による主体的取り組みはもちろんのこと、産業の持続的成長をめざすといった、社会や産業に対する社会的役割を従来以上に意識する必要がある。

  そのためには「人への投資」により、産業の持続的発展につながる好循環を生み出し、すべての労働者の社会的波及効果につながる賃金・労働条件の向上につなげることが重要である。 特に、非正規労働者の処遇改善は、社会全体の課題であることを強く認識し、雇用の安定と労働条件の底上げの観点から、非正規労働者に関する取り組みの強化が強く求められている。また、労働者保護ルールの改悪は「雇用不安」を煽るだけであり、デフレ脱却の努力に逆行するもので、断固として阻止しなければならない。

  さらに「将来不安」の払拭に向けては、賃金・労働条件のみでなく雇用を基軸とした経済成長、社会保障の充実、税制の見直しなどの政策・制度の改善を合わせて行うことが必要である。この点についても、JCMの取り組みのより一層の強化をお願いしたい。以上、2014年闘争における成果の最大化に向けて、この難しい闘争全体にわたる指導性の発揮をお願いして発言とさせていただく。

《JAM》社会的波及力の観点から、中小、未組織労働者へのメッセージとしてできる限り要求額や回答額の数字開示の取り組みを

 

できる限り賃金構造維持分も含めた要求額や回答額を開示していく取り組みを

平野 覚協議委員(JAM)

1点目は、さきほど西原議長の挨拶の中で「金属労協全体で賃金決定への一定の社会的波及力を自覚し、よりマクロ及び社会的な観点から月例賃金の明確な引き上げに向かう」という点がありました。その点に関して、JCMでは「賃金引き上げ1%以上」という方針が提示されている。JAMの要求原案では、賃金構造維持分に加え、過年度物価上昇分と生活改善分として4500円としている。仮に賃金構造維持分が5,500円程度の単組の場合、1万円程度の要求になると思われる。それに加えて、これまでも行ってきた是正要求、JAMの場合は7,500円程度、10年間で年齢別の賃金が下がっているということであげているが、それの取り組みとして1,500円以上を取り組んでいこうとしている。方針としては、引き上げの4,500円については、パーセント表示はしていないが、所定内賃金から換算すると約1.5%程度の水準となる。 要求水準の表示については、JAMにおいてもJCM同様、個別賃金の絶対額水準重視が基本方針ではあるものの、JAMの中には賃金制度がなく、賃金構造維持分も算出できない単組があることから、JAM加盟の300人未満単組の賃金構造維持分4,500円を加えて、9,000円、是正もするのであれば10,500円以上という水準設定をしている。先ほどの話にあった、社会的波及力の観点から、こういった数字を未組織労働者へのメッセージとして、できる限り構造維持分も含めた要求額や回答額を開示していくような取り組みを指導いただきたい。

個人消費の活性化について

 2つ目に、今求められている「賃金・労働条件の向上による家計の改善、個人消費の活性化によるデフレ脱却と内需のバランスのとれた自律的経済成長」の観点から、個人消費の活性化についてです。個人消費の約6割を占める日常的に使われる基礎的支出と関連性の強い、毎月支払われる賃金の引き上げにこだわることが必要である。また、デフレ脱却は業績のいい一部企業だけでなく、従業員数の約7割を占める中小企業における賃金引上げが重要になる。しかしながら中小企業においては、円安による原材料費の上昇など、依然厳しい状況が続いている。現政権の法人税減税などの政策は、黒字を続けている大企業に対する効果はあるが、景気回復期にも赤字の続く中小企業には効果がありません。自律的な経済成長とその持続、また金属産業全体の総合力強化に向けた人へ投資の促進には、中小企業労働者の賃金引上げや、消費税増税分、原価の高騰などの外部要因の影響を社会全体で吸収できることが必要と考える。そのために適正な価格反映など、社会的な環境整備が必要と考えるが、JCMとしての考えを聞かせてほしい。

 JCミニマム運動について 

 3点目に、「未組織労働者・非正規労働者を含めた働く者の賃金・労働条件の改善に向けたJCミニマム運動についてである。「2014年闘争の推進」では、まず(1)企業内最賃、(2)特定最賃の取り組みついては、社会全体への波及効果の観点からこれまで以上に取り組みを強化していく必要がある。加えて(3)のJCミニマム(35歳)月額21万円の確立について、JAMは年齢別最低賃金の取り組みと合わせて取り組んでいる。また、非正規労働者の均等、均衡待遇といった視点で、たとえば同じ事業場で働く有期雇用者、派遣労働者など身近なところからJCミニマムを合わせていくところから始め、金属産業に関わる未組織労働者全体へ運動を進めていくといった取り組みが重要と考えます。以上3点意見を申し上げましたが、最後に、JAMが金属労協の方針を踏まえ、2014年春闘に積極的に取り組むことをお誓いし、発言とさせていただく。

《基幹労連》金属5産別が強固なスクラム組み、賃金引き上げを果たし、実感ある景気回復につながるようJCMの求心力を高めることを要望

向井伸行協議委員(基幹労連)

 日本経済は、実質経済成長率の増加がみられ、内外需ともにプラス成長が見込まれるなど、明らかな景気回復の動きがみられるが、一方で、所得の向上にはつながっておらず、働く者の景気回復の実感にはほど遠い状況である。その中で今次2014年闘争は、賃金の引き上げを中心とする労働条件の引き上げによって消費マインドを改善し、個人消費の拡大によって国内経済の活性化に資するという、日本経済にとってのまさに「転換期」にあたると考える。そして今次取り組みで大切なことは、経済成長や物価上昇を踏まえた賃金引き上げという観点だけでなく、望むべき未来に向けた賃金のあり方、すなわちすべての働く者の賃金の引き上げによって、経済成長と所得向上を同時におし進め、デフレの脱却、持続的な経済成長につなげていくことであると考える。

  基幹労連の今次AP14春季取り組みは、2年サイクル運動の「基本年度」にあたり、デフレ経済からの脱却を確実なものとするため、正規・非正規にかかわらず働く者全ての所得と生活水準の低下に歯止めをかけ、経済成長と所得向上を同時に実現することをめざした総合的な労働条件改善の取り組みとなる。 賃金改善要求についても、2014年、2015年の2年間分の要求を基本とし、継続的な賃金上昇によって、働く者の実質生活を守る取り組みを検討していく。金属産業の5産別が強固なスクラムを組むことで賃金の引き上げを果たし、その結果が労働界全体に波及することで実感ある景気回復につながるよう、JCMとしてさらに求心力を高めていただくようお願いしたい。

  また、今次2014年闘争を推進していく中、冒頭の議長挨拶にもありましたが、政府や財界から賃金引き上げに関する発言が数多く聞かれるようになった。発言の趣旨として否定をするものではないが、あくまでも、賃金引き上げは労使自治の交渉によって、働く者の生活を守り、やる気を高めることで今後の企業の発展につながるものである。賃金引き上げによる経済の好循環論は、元来労働組合として、これまでに一貫して主張してきたものであることを、さまざまな場を通じて表明していただきたい。

 あわせて、大会でも意見を申し上げたが、今後、日本経団連から「経営労働政策委員会報告」が発信されると思うが、月例賃金引き上げの必要性が経営側に広く行き渡るよう、JCMからの働きかけをお願いしたい。最後に基幹労連としても、デフレ脱却に向け、「人への投資」が図れるよう、組合員の実質生活を守るためJC共闘の一員として精一杯の取り組みを展開することを誓い、意見表明とします。ご安全に。

《全電線》組合員の雇用の安定と生活の維持・向上に向けJC共闘の一員として最大限努力

電線業界の状況

 電線業界においては、2013年度の銅電線需要改定見通しでは、建設・電販部門がやや増加するものの、電力会社の設備投資抑制による電力ケーブルの減少とその他内需部門の減少を

窪田直樹協議委員(全電線)

カバーすることができず、総出荷銅量は70万トンと予測され、依然として厳しい状況にある。また、大手を中心とした電線上場企業7社の上期決算において、売上については6社が増収、経常利益については5社 が増益となっているが、その内訳は、円高の是正や現在も進行している事業構造改革によるところが大きく、また中小においては、これによる副資材の高騰を価 格に転嫁できない状況や特定の既存品種に依存しているところが多く、こういったことから、電線業界としては、全体的にはまだ厳しい状況にあるとの認識であ る。

 このような状況での春闘への取り組みであるので、取り組みにあたっては、3点ほど留意点があると考えている。1つは、世界経済および日本経済の現状と今後の動向。2つ目は、連合・JCMにおける具体的な取り組み方針を考慮した設定。そして3点目に、各産業・企業における業績・実態を踏まえた対応である。組織論議としてまだ決定はしていないが、これらを十分に考慮していく中で、多面的な角度から日々状況変化を把握しつつ、組合員の生活実態を踏まえ、検討を進めていきたい。

 具体的な取り組み項目では、これまで組織内の諸会議において、とりまく情勢、産業・企業実態やそれぞれの単組動向などの状況把握を行なう中で検討を行っているが、賃金については、賃金構造維持分を確保した上で、実質賃金を維持するため、賃金引き上げを図りたいと考えている。また、賃金制度上における諸課題の是正を含め、実態に応じた取り組みを行うべく、JCM方針を踏まえながら今後、十分な組織論議を行う中で具体的な取り組みを決定していきたいので、ご指導のほどをお願いしたい。

 また一時金の取り組みについては、生活水準の維持・向上を図るための年間賃金の一部として、組合員の生活を守る観点から主張していきたいと考え、これまでの政策を基本に十分な組織論議を加えながら決定していきたい。

 最後に、60歳以降の賃金・労働条件については、60歳以降も働き続けられる環境づくりに向けて、経過措置を利用せず、65歳までの雇用確保をめざすとともに、労働の価値にふさわしく、かつ生活を維持することができる賃金水準をめざして取り組むこととし、労働者の立場に立った労働条件の向上に向け、秋の取り組みに引き続き春闘期間中も各単組の実態に即し取り組んでいきたい。

 以上、電線業界の状況と春闘への取り組みを中心に考え方を述べさせていただいたが、今後についても、組合員の雇用の安定と生活の維持・向上に向け、全電線として、JC共闘をよりどころに産別として精一杯取り組んで参りたく、JC共闘の一員として最大限努力することを申し上げ、闘争の推進について賛成の意見としたい。

●産別意見・要望に対する本部答弁●若松事務局長
JCM加盟5産別が一致団結してフロントランナーとしての役割発揮を

若松英幸金属労協事務局長

 それぞれ産別を代表して貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。最初に2014年闘争の推進として、ここで示した「1%以上の賃上げ」という基本的な考え方に沿って、各産別において具体的な要求基準の検討を進めていただいていることに関して、心から御礼を申し上げたい。先ほど提案したJCM2014年闘争方針は、加盟産別との十分な協議のもとで策定されていますし、各種会議、委員会の場でも意見を拝聴しています。さらには闘争の取り組み方針、様々な取り巻く環境についても、議長挨拶でも触れられた通りですが、事務局として若干のコメントをさせていただきたい。

 まず自動車総連から、2014年闘争は2015年以降の取り組みに向けて大変重要な取り組みであること。電機連合からは、 2014年闘争が今後の労働運動に大きく影響を与えること。基幹労連からは、2014年闘争は日本経済にとってまさに転換期にあたる取り組みであるといったご指摘をいただいた。金属労協としてもまったく同じ認識であり、グローバル経済化とデフレによって人件費抑制を余儀なくされ、それが経済活動の低迷を招いていた時代から、「失われた20年」を脱し、デフレ脱却の中で「人への投資」によって産業の競争力を強化していく時代へ、持続的な成長と勤労者生活の安定・向上を実現していく時代の転換を果たすべき時という認識に立ち、この闘争方針をとりまとめている。2014年闘争で確固とした成果を上げることが、わが国の持続的な成長への第一歩となるという認識で、金属労協として理論面・戦術面を通じ、産別単組の取り組み強化に役割を果たしていきたい。  

 具体的には、自動車総連から「要求の根拠をいかに理論構築していくかが大変重要である」ということ、基幹労連からは「労使自治の交渉によって賃上げを行い、働く者の生活を守り、やる気を高めることで、企業の発展に繋がるという好循環論は、労働組合がこれまで一貫して主張してきたものであり、あらゆる場でアピールせよ」とのご意見をいただいた。こうした面においても、金属労協として最大限の努力と力を発揮していきたいと思います。先ほどもこの協議委員会が始まる前にマスコミの記者会見を行い、考え方を表明したところですが、こういう機会をこれからも多くしていきたいと思っています。

 また基幹労連からは、「月例賃金の必要性が経営側に広く行き渡るよう働きかけを」、JAMからは「毎月支払われる賃金の引き上げにこだわれ」とのご要望をいただいた。働く者が消費を増やすためには、安定的な所得が将来にわたって確保されていることが重要です。そういった点での経営側のアピールを強化するとともに、月例賃金にこだわった戦術展開に努力していきたい。

 JAMからは「できるだけ賃金カーブ維持分を含めた要求額、回答額の開示を指導せよ」との要望をいただいた。中小労組への波及、未組織触媒のメッセージという点で重要な観点と考え、それぞれの産別における対応もお願いしたいし、金属労協としても、この点についてこだわった取り組みをしていきたい。

 全電線からは、「賃上げで実質賃金を維持した上で、実態に応じて賃金制度上の諸課題の是正に取り組むこと」、「60歳以降の就労確保について、経過措置を利用せず65歳までの雇用確保をめざすとともに、労働の価値にふさわしく、かつ生活を維持できる賃金水準をめざして取り組むこと」などについてご指摘をいただいた。いずれも極めて重要な取り組みであり、金属労協としても全力で支援していく所存です。

 自動車総連から、「物価上昇局面では中小単組における格差是正は簡単ではないが、これまでの取り組みを確実に前進させていく」との力強い発言がありました。2013年闘争では、大手が賃金改善要求をしない中で、JC共闘として386組合が賃金改善を獲得しています。自動車総連では196組合と、大きな成果を得ているわけであります。2014年闘争において大手を含む全単組が賃上げに取り組むことで、格差是正に向けた中小労組の勢いをそぐのではなく、さらに強めることができるように、強力な取り組みを行っていきたい。

 非正規労働者に関する均等・均衡処遇確立に関して、電機連合からは「生活不安」「雇用不安」「将来不安」という3つの不安の払拭に向けて、社会的役割を従来以上に意識する必要があり、特に非正規労働者に関する取り組みが求められるという発言がありました。JAMからは、同じ事業所で働く有期雇用者、派遣労働者など身近なところから始め、金属産業に関わる未組織労働者全体へ運動を進めていくようにとのご意見をいただいた。

 今回の闘争方針は、まさにその考え方にのっとり、まずは企業内において法令で労働組合に求められている行動、労働組合が関与できる分野について、従来以上にしっかりとやっていこうということで、従来から1歩踏み込んで、法令遵守義務と努力目標を8ページ下の四角囲みの中に記載し、取り組みを提案しています。このことも初めてのことです。産別・単組における積極的かつ具体的な展開を強くお願いしたいと思います。

 自動車総連から「消費税引き上げの適正な価格反映を産業労使の場で要請していく」という紹介がありました。JAMからは「原価高騰等を適正に価格反映できる社会的環境整備が必要」とのご指摘がありました。全電線からは「中小において資材の高騰を価格転嫁できない状況にある」という報告がありました。消費税の価格転嫁問題については、10月に消費税転嫁対策特別措置法が施行され、中小企業と継続的に事業者による買いたたきの禁止、転嫁カルテル、表示カルテルの独禁法からの適用除外など対策が進められてきている。

 連合でも、来年1月より「価格転嫁ホットライン」を開設することになっている。金属労協としても政策制度の中で、公正取引の確立、売り手と買い手との対等性確保は極めて重要な取り組み課題になるものと認識しており、これは例年の要求の中にも入っていることですが、加えて消費税転嫁ということになりますので、コンプライアンス、CSRの観点も強調して取り組みを強化していきたい。

 電機連合からは「将来不安払拭に向け、金属労協として雇用を基軸とした経済成長、社会保障の充実、税制の見直しなど政策制度の改善の取り組みを強化せよ」とのご要望をいただきました。政策制度課題については、20144月に今後2年間の取り組み内容を取りまとめることにしています。金属労協の取り組みは、この2年間をみても、円高是正、TPP交渉参加、ものづくり事業環境整備などの点で成果を上げることができました。引き続き民間ものづくり、金属の観点に立って、連合との重複を避けつつ持続可能な社会の構築、産業の健全な発展と勤労者生活の向上に向けて課題を整理し、強力な取り組みを行っていきたいと考えています。産別の積極的な参画をお願いしたいと思います。

 われわれは、国内ものづくり産業の事業拠点と雇用を維持していくために、円高是正やTPP参加、安定的なエネルギー供給などを政策として掲げ、金属各産別が一体となった取り組みを進めてきました。昨今、これらの環境が大きく改善される中で、国際競争力を確保すべく、産業労使が取り組むべき第一の課題は、多くの産別から指摘があったように、「人材への投資」、人材力、職場力を高める取り組みが重要であると考えます。2014年闘争は5年ぶりの賃上げ要求となりますが、生活の維持向上と雇用の安定を従属的に確保することはもちろん、産業や企業環境にバラつきが多い中での賃上げに取り組む統一闘争になります。JCM加盟5産別が一致団結して、フロントランナーとしての役割を果たしていきたいと思います。従前に増す皆様の一層の協力・支援をお願いし、来年闘争に向けて頑張りたいという決意表明を述べ、事務局からの答弁とさせていただきます。

 

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