新着情報(労働リーダーシップコース)

第47回労働リーダーシップコースが無事閉校(2015年10月17日、京都)

2015年10月22日

第47回労働リーダーシップコースが無事閉校

2015年10月17日に閉校式、累計1623名が修了

39名全員が無事修了、修了書を胸に全員が記念撮影(セミナーハウス中庭で)

 金属労協が主催する伝統の労働リーダーシップコースの第47回は、2015年10月5日から、全国から39名の精鋭が、京都・関西セミナーハウスに集い、2週間にわたる多彩なプログラムを合宿制で受講していたが、17日(土)無事、閉校式を迎え、39名全員が香川校長から修了証を授与された。

前日にはゼミまとめ

 前日16日は午前9時半から11時半までは、各ゼミで個人レポートの発表と総括を行った後、11時40分から、5つのゼミナールでの成果を全員で分かち合う「ゼミまとめ」を行った。5つのゼミがそれぞれ順番に発表し、質疑応答、ゼミ指導講師の講評をそれぞれ行い、全員で各ゼミでの議論の成果をシェアしあった。ゼミまとめの最後には浅沼事務局長が総括コメントを行い、激励した。晩には、ゼミの指導講師も交え、お互いの健闘を称え、打ち上げ交流会を行った。

出発の集い

 17日の閉校式の前には、全員が大会議室に集まり、「出発(たびだち)の集い」行い、受講生全員が、このコースを受講した感想、思いを述べ合った。

閉校式

香川校長式辞

 午前10時半から、閉校式を行った。市川事務局次長の司会の下、最初にピアノ演奏を聴いた後、最初に香川孝三校長(大阪女学院大学大学院研究科長)が式辞を述べた。式辞の中で「今回のコースは、天候に恵まれ、体調を崩す人もなく全日程を終えることができた。名前の通り、このコースはリーダーを育成するコースである。リーダーの要素・資質は昔から変わらないが、一つは、(経営者や組合員に対して)相手を説得できるプレゼンテーション能力を持つことである。二つには、フットワーク、すなわち、自ら率先した行動力を持つことである。このコースもそういう意味で、自ら率先して行動するようなカリキュラムを組んである。皆さんは、これから、職場に戻って厳しい状況の中で、組合活動をしなければならない。昨日のゼミまとめを聞いて、これからの企業が生き残るためにどうすれば良いのか。組合員の雇用を、労働条件を守るにはどうすれば良いのかなど、みんなで悩み、解決を求めていることがよく理解できた。これからも、39名の修了生が連携をとりながら、様々な課題にチャレンジしていってほしい」と激励した。

修了書を全員に授与

 この後、香川校長から、受講生39名全員に修了書が授与された。39名最後の修了生番号は1623号となった。ちなみに区切りの1600号は、電機連合パナソニックエコソリューションズ労組の及川祐樹さんであった。

主催者代表挨拶:浅沼金属労協事務局長

 挨拶に移り、まず主催者を代表して、浅沼弘一金属労協事務局長が挨拶に立ち、「私は、開校式の時に、皆さんに、このコースで、①非日常、②不便、③人とのつながり、の3つを是非楽しんでほしいと皆さんに要望したが、いかがでしたか。この2週間には、いろいろな気づきがあったと思う。おそらくそれら全てがこれからの皆さんの糧になると思うので、強く心に留めておいてほしい。このコースを通じて、多くを学び、多くを語り、多くを考えたことと思う。おそらく2週間前と比べ、見えている世界が、考えている世界が、理解できる世界が大きく広がったと思うし、それを期待したい。ある意味で、ここに集われた39名の修了生の皆さんは、運命とも言うべき深い縁の下に集まられたと感じる。是非とも、39名の皆さんがそれぞれの持ち場に帰って、ここで学んだこと、得たことを実際の現場の中で活かしていただき、多くの皆さんに良い影響を与えていっていただきたい。改めて、香川校長を始めとする指導講師の先生方に感謝申し上げたい。また、39名の修了生の皆様にも感謝申し上げたい。そして、このコースに関わって、支えて頂いたすべての皆様に感謝申し上げたい」と激励した。

石田副校長挨拶

 次に、ゼミ指導講師の運営委員の先生方から挨拶をいただいた。最初に、当コースの副校長である石田光男同志社大学教授が挨拶に立ち、「私自身が、ゼミを通して多くのことを学ばせて頂いた。労使関係を専門とする学者の立場から、今、ものづくりの職場の最前線では何が起きているのか、何が課題なのか、今年もいろいろなことを学ばせて頂いたことに感謝申し上げたい。それとゼミで楽しい議論ができたことに感謝したい。大学のゼミで学生を指導しているときは、一から手を取り足を取り教えていかねばならないが、このコースのゼミの皆さんは、議論して基本方向さえ抑えておけば、必ず結果を出してくれることを改めて知った。やはり、日本の競争力を担う、日本の働く人たちの水準の高さを改めて再認識した。労働組合の活動を『労働力の取引』であるというルールを設定するという基本線をしっかり腹の内に落としてやってほしい。皆さんに贈りたい言葉として、一つは、私は、自分が長らく勉強していたイギリスの労使関係で『インダストリアル・デモクラシー(産業民主主義)』という言葉が好きであるが、その特徴である『自分たちの課題は、自分たちでしっかり話しあって、納得してやるんだ』という姿勢でこれからもやっていってほしい。もう一つは、私たち研究者は、どちらかというと、一人の力業でやることが多いが、労働組合の皆さんの場合は、みんなの力でやるという喜びがある。これからも職場で一人の力で無く、みんなの力を合わせてやるということを大切にしてやっていただきたい。最後に、ゼミでいろいろ議論をしたが、その中で感じたことは、労働組合として、何か特別なことをやるのではなく、労働組合の原点にもどって、職場において当たり前のことを継続的にひたすらにやり続けることこそ、本当の意味で立派なことなのだと自覚されて、楽しい職場生活、組合活動をやっていってほしい」と激励した。

中田同志社大学大学院教授挨拶

 続いて、中田喜文同志社大学大学院教授が挨拶に立ち、「皆さん、修了おめでとう。2週間短い時間であったが、多くのことを学んだことと思う。このコースを通して皆さんは、リーダーとして必要ないろいろなことを身につけられた。基本的に皆さんは、働く労働者の代表として労働条件の向上に取り組んでおられる。皆さんは、単に日本の労働組合のリーダーではなく、この国の経済、産業を担うリーダーとして育っていってほしい。目先の利益だけを考える経営者とは一歩距離を置きながら、労働組合としての立ち位置を明確にして、経済の、産業の、そしてこの国の行く末を考えていってほしい。これからも、豊かな社会をめざして、修了生の絆を大切に、汗をかいていただきたい。是非、また後輩達がこのコースに行くように勧めてほしい」と激励した。

冨田同志社大学教授挨拶

 続いて、冨田安信同志社大学教授が挨拶に立ち、「ゼミの中で、介護、女性、非正規労働」をテーマに議論したが、アベノミクスとダブルところが多いが、議論を通じて、アベノミクスがめざしていることと、我々がめざしていることが果たして同じか、これからきちんと検証していく必要がある。今回のゼミでは非正規問題についてはあまり議論できなかった。次回にしっかりと議論していきたい。これから、職場にもどって活躍されることを心から祈っている」と激励した。

上田同志社大学教授

 続いて、上田眞士同志社大学教授が挨拶に立ち、「皆さん、修了おめでとう。この2週間のゼミは、私にとっても有意義で楽しい時間だった。皆さんに心から感謝申し上げたい。お世辞ではないが、皆さんは、とても有能だと感じた。具体的には、課題への遂行力、自ら足を踏み出していくフットワークの良さ等あげればいろいろある。今回もそうであるが、何より皆さんの強みは、つい2週間前までは見知らぬ人同士が、お互いが腹を割って話し合い、修了の時には旧知の仲になっているという団結力、仲間になる力、仲間を創る力、これは組合の真骨頂であり、それは実は今の日本の会社の中で、職場において、ひいては日本の社会にとって必要な力だと思う。これから職場にもどってからの皆さんのご活躍を祈っている」と激励した。

受講生答辞:田中強級長

 次に、受講生代表による答辞が行われ、今回のコースの実行委員会のまとめ役である級長を務めた、JAMコマツユニオン大阪支部の田中強さんが、2週間のコースを受講しての思い、感想、これからの決意を万感の思いをこめて行った。最後に、全員で「卒業の歌」を合唱して、閉校式を終了した。

閉校式終了後、修了書を胸に掲げ、中庭にて全員で記念撮影を行った。

打ち上げ

 この後、最後の打ち上げを実行委員の信太さん(全本田労連)と小林さん(パナソニックデバイス労組)の司会で行い、ゼミ毎に、ゼミ指導講師へのメッセージを綴った色紙を贈呈して代表が感謝の言葉を述べた。また、2週間の期間中、お世話いただいたセミナーハウスの職員の皆さんにも感謝の拍手を贈ると共に、第47回受講生として卓球台の目録をシュペネマン館長に手渡した。最後に、車で帰る人もいるので、全員でウーロン茶で、お互いのこれからのお互いの健闘とこれからの友情の絆のさらなる発展を祈り、グラスの底に印のついた藤田さん(本田技研労組)が音頭を取り、全員で乾杯し、再会を期して散会した。