新着情報(セミナー報告-政策セミナー)

2012年度政策セミナー「震災後の日本のエネルギーと地球環境問題」(2011年10月24日)

2011年10月24日

2011年10月22日 東京・電機連合会館にて

「震災後の日本のエネルギーと地球環境問題」テーマに開催

金属労協2012年度政策セミナー

 

眞中行雄政策委員長

亀山康子氏

内山洋司氏

岡本昌史氏

弥久末顕氏

金属労協は2011年10月24日、東京港区の電機連合会館において、「震災後の日本のエネルギーと地球環境問題」をテーマに、2012年度の政策セミナーを開催した。金属労協5産別、企連・単組、および友誼組合の政策担当者など、120名が参加した。

東日本大震災以降、今後の原子力発電所の位置づけについて議論される一方、再生可能エネルギー特別措置法が成立するなど、日本のエネルギーのベストミックスのあり方が再検討される状況となっている。また、火力発電所の活用拡大により、わが国のCO2排出量の増大が見込まれているが、一方、2011年11月に南アフリカで開催されるCOP17において、ポスト京都議定書の枠組みづくりが最終局面を迎えることになる。金属労協として、さまざまな次世代エネルギーの将来性、問題点、COP17の見通しなどについて理解を深め、金属産業としての産業政策立案に役立てていくことを目的としたものである。

冒頭、眞中政策委員長(副議長・JAM会長)より、「民間・ものづくり・金属」の立場からの金属産業の政策・制度、産業政策の取り組みに関し、これまでの歴史的な経過を振り返り、この日のセミナーの狙いを紹介するとともに、2012年4月にとりまとめ予定の「金属労協政策・制度課題」策定への幅広い参画を訴えた。

続いて、国立環境研究所持続可能社会システム研究室室長・亀山康子氏より、「COP16の評価とCOP17の見通し」をテーマに講演を受けた。気候変動枠組条約、および京都議定書の長い取り組み経過、ポスト京都議定書を巡るCOP15、COP16の議論経過に関し、わかりやすく紹介された。11月のCOP17については、画期的な合意が期待できるわけではないこと、日本の主張は理想的と言われながらも、現実的でないために日本の姿勢を懐疑の目で見る人もいること、アメリカでは、連邦議会の同意を必要とするような対応は事実上不可能であることから、政府の裁量の範囲で取り組める枠組みにする必要があること、などが説明された。

次に、筑波大学大学院システム情報工学研究科教授・内山洋司氏より「次世代エネルギーの評価と課題」と題し、再生可能エネルギーの先進的技術として、地熱発電、洋上風力、藻類バイオエタノールについて、また先進的原子炉技術として、EPR、HTGR、トリウム炉、TWRについて、それぞれ技術の現状と将来に向けた課題について、お話しを頂いた。

講演ののち、「今後のエネルギー・環境対応とわが産業」と題して産別報告を受け、電機連合書記次長・岡本昌史氏からは、分散型エネルギーシステムの構築などについて、基幹労連事務局次長・弥久末顕氏からは、エネルギーの「安全確保」「安定供給」「環境対策」「経済効率性」の必要性などについて、それぞれ現時点における産別の考え方が紹介された。最後に若松事務局長が総括コメントを行い、セミナーを閉会した。