IMFニュースブリーフ
アルコアで組合が株主投票に勝利
USWAとAFL-CIOは、米国系多国籍アルミニウム企業の役員報酬慣行に関する決議の可決を目指して共同で努力し、年次株主総会で過半数を勝ち取った。


アメリカ
:国際金属労連(IMF)に加盟する全米鉄鋼労組(USWA)は、注目に値する勝利を収めた。4月11日にUSWAが巨大アルミニウム企業アルコアの年次株主総会に提出し、アメリカ労働総同盟産別会議(AFL-CIO)が後援した役員退職協定に関する株主決議案が、65%の得票率で可決された。株主は、同案に反対票を投じるよう勧めた会社ではなく組織労働者に従う決定を下したわけで、その点でこの達成はなおさら重要である。
 この決議には、アルコア取締役会は、経営体制の変更に伴う役員退職協定について株主の承認を求めるべきだと明記されている。これは、しばしば「ゴールデン・パラシュート」と呼ばれるもので、役員の現行報酬・賞与の3倍を超える高額の退職金である。この決議は株主に対し、「ゴールデン・パラシュートは度を超えており、合併につながる業績不振に対して報酬を与えることになりかねない」と警告した。
 この主要多国籍企業を標的にした理由として、USWAが1万2,000人のアルコア従業員を組織化していること、USWAの退職制度の多くでアルコア株が運用されていること、同社が法外な役員報酬慣行を実施していることが挙げられる。昨年、アルコアの株価は35%近く下落した。
 レオ・ジェラードUSWA会長の話では、同社の役員報酬慣行は「アルコアが最近USWA組合員に負担を押しつけてコスト削減に努めていることを考えれば、特に不適切である。この決議の可決はアルコア取締役会に、この種の企業の身びいきは受け入れられないという明確なメッセージを送るものだ」。
[2003年4月17日]