IMFニュースブリーフ

南アフリカの自動車産業でストライキを回避

NUMSAは南アフリカ共和国の自動車小売業で働く18万人の組合員を対象とする協約の取り決めに成功した。


南アフリカ共和国:
9月1日に始まる予定だった自動車小売業の「生きるか死ぬかの」ストライキは、実施されない。8月21日、国際金属労連(IMF)加盟組織の南アフリカ全国金属労組(NUMSA)と燃料小売業者協会、小売自動車業界団体は、ガソリンスタンド、部品製造工場、自動車ディーラー、車体修理工場で働く労働者18万人を対象とする1年間の賃金協約を締結した。
 この協約は9月1日に発効し、下記カテゴリーの自動車小売労働者の賃金を引き上げる。
● 農村部のガソリンスタンド店員は14.8%の賃上げ。
● 都市部のガソリンスタンド店員は、最低賃金率の労働者について9%の賃上げ。最低賃金率を上回っている労働者については、8%の個別(実質)賃金の引き上げを保証する。
● 部品製造労働者は、時給が12ランド(1.60米ドル)を下回っている労働者について9.5%、上回っている労働者については9%の賃上げ。
● 自動車ディーラー労働者は一律9%の賃上げ。
 NUMSAは発表した声明の中で、この協約を真の勝利と呼んでいる。「この業界の歴史上初めて、使用者が大幅な賃上げ、特に実質賃金率の引き上げに同意した。……私たちは主要目的を達成した。この協約によって自動車小売業界の賃金が上昇するが、賃金格差縮小への道のりはまだ長い」
 ケープタウンの労働調査局(Labour Research Services)が実施した研究によれば、南アフリカでは平均的取締役と平均的一般労働者の報酬格差が1対46から1対92へと倍増している。1997年から2002年までに労働者の賃金が0.008%上昇したのに対し、同時期に常勤取締役は85%、非常勤取締役は164%報酬が増えた。
 これに先立って、NUMSAと自動車産業(自動車製造・組立工場)の使用者は、賃金を8.7%引き上げることで合意に達した。
 自動車小売業のストライキが回避されていなければ、9月8日に自動車メーカー7社の自動車労働者が後続の同情ストを開始していただろう。
[2003年8月25日]