IMFニュースブリーフ

ダイムラークライスラーで協約締結

シンデルフィンゲンのメルセデス工場では、8年間にわたって雇用が守られている。


ドイツ:
7月22日(木曜日)深夜、ダイムラークライスラーにおける労使協議会とドイツの金属労組IGメタル、それに経営陣との交渉で、ドイツ・シンデルフィンゲンにある同社最大のメルセデス工場の雇用保障と労働コスト節約に関して合意に達した。会社側は、協約が締結されなければ同工場で6,000人分の雇用を削減し、新型Cクラス・メルセデス生産の一部をブレーメンと南アフリカのイーストロンドンの施設に移転すると威嚇していた。
 この協約は、シンデルフィンゲンその他の工場で少なくとも2012年までの雇用保護を定めている。この協約に基づいて、サービス労働者の週労働時間は2007年までに39時間へと段階的に延長され、60歳からは週34.5時間に短縮される。労働側は2006年に賃金を2.79%カットすることに同意した。これは同額の一時払いによって相殺される。すでに合意されたブルーカラー労働者とホワイトカラー労働者との平準化による賃上げは、1.5%に制限される。メルセデスEクラス車の将来モデルはシンデルフィンゲンで生産される予定で、この協約はサービスのさらなるアウトソーシングの回避に役立つ。
 ユルゲン・ペータースIGメタル会長は新たに締結された協約について、この妥協案は「このドイツ工場にとって素晴らしい解決策だ。……雇用が長期的に確保されたことは、いくら高く評価してもしすぎることはない成果だ」との考えを示した。
 交渉が進んでいる間、ダイムラークライスラー自動車労働者は、シンデルフィンゲン工場の労働コストを5億ユーロ(6億1,300万米ドル)にまで削減しようとする会社側の強引な戦術に抗議し、何度かストライキを実施した。7月15日(木曜日)に約6万人のメルセデス労働者が仕事をやめて全国規模のデモを行い、続いてシンデルフィンゲンでそのほかにもストがいくつか実施された。合意に達しなければ、組合と労使協議会は今日、ドイツ全域のダイムラークライスラー工場で別の大規模な抗議行動を計画していた。
 経営側は基本的に、報酬なしの労働時間延長を要求していた。国際金属労連(IMF)加盟組織はIGメタル会長とエーリッヒ・クレム・ダイムラークライスラー労使協議会会長に支援の書簡を送り、雇用と労働条件を守るために闘うダイムラークライスラー労働者への連帯を表明した。
[2004年7月23日]