IMFニュースブリーフ

GMヨーロッパが連帯行動を実施

ヨーロッパ全域のGMの労働者が行動日に参加し、強制的な余剰人員解雇・工場閉鎖計画を拒否した。


ヨーロッパ:
10月19日、ベルギー、ドイツ、ポーランド、スペイン、スウェーデン、イギリスなどヨーロッパ全域で、数万人のゼネラル・モーターズ(GM)労働者が会合や抗議行動に参加した。このヨーロッパ行動日はブラジルのGM労働者にも支持され、2006年の終わりまでにヨーロッパで1万2,000人分の雇用と6億1,800万米ドルのコストを削減する同社の計画に反対して挙行された。
 参加国の大部分で、この行動日にGM工場の各シフトで一連の会合が開かれ、これは労働者にとって同社の提案についてより詳しく知り、組合と協議する機会となった。
 労働者らは、この問題に関して強力な国際連帯を示し、強制的な余剰人員解雇を拒否するとともに、GMヨーロッパに工場の維持を要求した。
 GMヨーロッパは10月14日の発表で、雇用削減の多くをドイツで実施することになっていると述べた。これに対して同社では、ドイツ北西部にあるボーフム工場で7日間のストライキが決行され、労働者らは実施される可能性のある工場閉鎖と雇用喪失に抗議した。その結果、通常GMボーフム工場が供給している部品が不足したため、リュッセルスハイム(ドイツ)、アントワープ(ベルギー)、エルズミアポート(イギリス)のGM工場でも生産事業が影響を受けた。
 会社側が「強制的な余剰人員解雇を回避し、ドイツの生産拠点を守るためにできる限り努力する」と約束したあと、10月20日にボーフムのGM労働者は職場復帰を票決した。
 GMヨーロッパとの交渉が続いており、労働者と各国政府は同社に対する圧力を強め、組合・労働者代表と適切に取り決められた社会的に許容できる解決策を見つけるよう求めている。
 ユルゲン・ペータースIGメタル・国際金属労連(IMF)会長は、労使が合意に達する可能性がある、と述べた。ペータース会長によれば、リュッセルスハイムでオペルが発表した「合同解決策」を誓約する声明は素晴らしい出発点となった。
 要約すれば、ヨーロッパ行動日では以下のような行事が報告された。

ドイツ
●ボーフムで、オペル工場の労働者が引き続きスト6日目に入り、行動日の一環として会合に出席した
●リュッセルスハイムで、1万6,000人以上の労働者がデモに参加し、部品不足が原因でオペル工場の生産事業が停止された。
●カイゼルスラウテルンで、約3,000人の労働者が行動日を支持して工場で作業を停止した。

スウェーデン
●トロルヘッタンのサーブ工場で、2時間(各シフト1時間ずつ)にわたって生産活動が中止され、労働者は勤務時間中に労働組合連絡会合に出席することができた。

イギリス
●エルズミアポートのボクソール工場で、3,000人以上の労働者が連絡・協議会合に参加し、雇用削減計画の矢面に立たされて脅威にさらされているドイツのGMの労働者との連帯を表明した。部品不足によって生産活動も影響を受けた。

ベルギー
●ベルギーでは、アントワープ・オペル工場において各生産シフトで会合が開かれ、GMの意図について労働者に情報を提供した。ボーフムでストライキが原因で部品が不足し、午後になって生産活動に遅れが出た。

ポーランド
●グリビーツェのオペル工場で会合が開かれ、連帯デモが実施された。

スペイン
●スペイン・サラゴサのオペル工場で各シフト20分ずつ連絡会合が開かれた。

ブラジル
●ブラジルの労働者も国際連帯を強力に示して三つのGM工場で会合に出席し、余分な生産をヨーロッパに輸出してヨーロッパ全体の労働者運動に損害を与えかねない動きを阻止することに同意した。
[2004年10月21日]