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IMF、インドの船舶解撤労働者に関するレポートを発表

この画期的な調査は、世界一危険な産業で働く船舶解撤労働者の労働条件、賃金、経済的地位を明らかにしている。


インド:
FNV合同労連とのIMF船舶解撤プロジェクトは、このほど、インドのムンバイとアランの船舶解撤産業で働く1,600人を超える労働者に関する調査の結果を発表した。
 インドは世界で最も船舶解撤産業が盛んで、過去4年間に実施された船舶解撤活動全体の25〜38%を占めている。完全雇用状態では、ムンバイで6,000人、アランでさらに6万人の船舶解撤労働者が雇用される。
 この産業は主として、教育や法的保護をほとんど受けていない出稼ぎ労働者を雇用しているため、最も基本的な権利を守る発言権を持たない船舶解撤労働者は搾取されやすく、条件を改善しようとすれば甚大な悪影響を被る。
 「今回、この調査によって明らかになったのは、最大6万人の労働者が搾取に直面し、非常に危険で非衛生的な労働条件にさらされ、労働者の大多数が日給50ルピー(1米ドル)に満たないという実態だ」と、マルチェロ・マレンタッキIMF書記長は述べた。
 「これらの労働者は金属関連部門で最も弱い立場にあり、造船所の季節労働を求めて絶えず移動し、無情な使用者のもとで働き、政治当局に完全に無視されている。職場には飲料水から防護用具、医療扶助まで何もなく、労働者は船舶解撤場のすぐ横にある下水設備も電気もないあばら屋に住んでいる」
 この調査は、船舶解撤産業を組織化し、労働者の基本的ニーズや権利への注意を促す基礎になるだろう。

[2006年4月28日]