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溶鉱炉停止で希望失うオーストラリアのエイジャックス労働者

自動車製造業の労使が合意に達しなければ、自動車労働者1万人の雇用に影響が及ぶ。


オーストラリア:
8月18日(金曜日)、オーストラリア全国の主要自動車メーカーに部品を供給するエイジャックス・エンジニアド・ファスナーズの救済策をめぐる交渉が行き詰まったようで、189人の労働者が無給で一時帰休となった。

 エイジャックス労働者は土壇場の打開に望みを託し、設備や溶鉱炉を稼働させ続けるため、週末に工場を占拠した。

 シーザー・メルヘム・オーストラリア労組ビクトリア州書記によれば、労働者は今日、「週末の交渉が決裂し、溶鉱炉が止められた」と言われた。「労働者はすっかり落胆している」とメルヘム書記は述べた。

 「労働者の行動はすべて正当なものなのだから、これは実にひどい仕打ちだ。労働者たちは、すぐに生産を開始できるよう設備と溶鉱炉を準備しておくために無給で待機したが、合意に至らなかった」

 労働者と組合役員と経営幹部は、買い手が見つかるまで向こう6カ月間、エイジャックスが操業を続けられるようにする救済策について合意したいと考えていた。だが、組合役員の主張によれば、自動車各社は難色を示し、労働者の雇用を犠牲にしようとしている。自動車メーカーは、買い手が見つかるまで同社事業にかかる費用を負担し、労働者の受給権を保障することに同意したが、費用分担に関しては交渉が行き詰まったままだ。

 エイジャックス・エンジニアド・ファスナーズは、グローバル・エンジニアド・ファスナーズ(GEF)の一部門で、自動車メーカーが必要とする200種類以上の自動車部品に利用される専用のナットやボルトを製造している。

 すでに一時帰休となったエイジャックス労働者189人のほかに、ホールデンのサウス・オーストラリア工場でも4,000人の雇用が危機に瀕している。また、フォードがビクトリア州の工場で労働者5,000人の一時帰休を検討しており、トヨタのメルボルン工場でも3,500人の雇用が失われるおそれがある、との報告もある。

 「エイジャックスの労働者と組合は公平な扱いを求めて闘い続ける。これらの労働者は、巨大自動車会社の怠惰のせいで不利益を被っている。まったくひどい話だ」と、メルヘム書記は述べた。

[2006年8月21日]