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エスコンディーダ銅山でスト終結

チリの労働者は、900万ペソ(1万6,791米ドル)の一時金と5%の賃上げを受け入れた。


チリ:
エスコンディーダ銅山で働く2,000人の労働者は、賃上げと条件改善を求めて実施されたストライキを中止した。25日間に及んだストは8月31日(木曜日)、労働側が会社側の提案を受け入れたことで終結した。
会社側による3回目の提示をめぐり、木曜日の午後に無記名投票が実施された。提示内容は、5%の賃上げ、争議を終わらせるための250万ペソ(4,664米ドル)の一時金、銅価格上昇を踏まえた労働者1人当たり650万ペソの追加一時金だった。アントファガスタにある同鉱山のスポーツ・センターで実施された無記名投票で、組合員2,052人のうち1,729人が投票し、1,607人が会社側の最新提示を承認、121人がスト続行を支持、1人が白票を投じた。これにより、世界最大の銅山であるエスコンディーダでのストライキが終わった。40カ月協約が締結されれば、動員は正式に終了する。
銅生産に影響を与えた争議の終結に先立って、水曜日に、組合の交渉委員会と英豪系企業BHPビリトン傘下の会社側との間で「事前合意」に達した。
労働者は8月7日に合法的に召集されたストライキを開始し、13%の賃上げ、労働者1人当たり1,600万ペソ(2万9,850米ドル)の一時金と付加給付を要求した。
今後24時間以内に、鉱山の業務は平常に戻る予定で、遅くとも月曜日までにはフル操業することになるだろう。同社は国内メディアに対し、協約の詳細について以下のとおり発表した。
「スト終結のために900万ペソの一時金を支払い、銅市場の状況を踏まえて200万ペソの無利息ローンを提供し、さらに基本給を実質5%引き上げる。当社は最終合意の一環としてこれらの給付改善に同意した。それと引き替えに、組合は協約有効期間の延長に同意し、2013年まで新しい不規則な4×4シフト・パターンを承認した。
さらに、新協約では前協約と比べて、労働者と家族の医療・教育・住宅手当が大幅に改善されている。
医療給付改善の内容は、病院・外来サービスの全額補助(閉鎖的制度を補完するため)、年間9億5,700万ペソの歯科補助金、健康再保険制度の1,000促進単位(Unidades de Fomento)から5,000促進単位への引き上げである。
教育給付金には、幼稚園児から大学生までの子どもを対象とする助成金の増額と、労働者1人当たり最高100万ペソの教育補助が含まれる。
住宅関連給付には、68億ペソの住宅基金の設立が含まれる。その他の給付として、出産・結婚・死亡手当の25%引き上げ、基本給の80%の年次休暇ボーナス、基本給の20%の年間年功加俸が挙げられる。
生産力向上奨励金の概念が導入された。労働者の業績をよりよく反映するために、奨励金の額が変更される。年間支給額には、1,120万ペソを限度として差がつけられる。アントファガスタのエスコンディーダ鉱山スポーツ・センターに、プロ仕様の人工芝サッカーグラウンドが造られる」

[2006年9月5日]