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船舶解撤労働者、IMOに災害防止を要求

船舶解撤労働者が命にかかわる危険を指摘し、改革を訴えた。


全世界:
インドの船舶解撤労働者が、今日ロンドンで開かれた国際海事機関(IMO)の会合に出席し、IMOメンバーに船舶解撤産業の規制と災害防止の支援を要求した。
世界で最も危険かつ不潔で規制されていない産業の1つである船舶解撤産業では、老朽船舶の再利用に従事したために、何千人もの労働者が死亡し、負傷し、病気になっている。
老朽船舶の95%が、バングラデシュ、インド、中国、パキスタン、トルコの海岸で解体・再利用されている。最悪の条件下で働く日給1ドル未満の船舶解撤労働者は、火災や爆発、高所からの落下、アスベスト曝露、重金属、ポリ塩化ビニルといった危険にさらされている。
船舶の再利用に関する国際的に合意された規則を立案するために、IMOで交渉が進められている。しかし、そのような規則の採用は2009年以降、適正な実施は(仮に実現したとしても)早くて2015年と予想される。
ムンバイ港湾トラスト・ドック・一般従業員組合の書記を務めるビジャーダール・V・ラネー氏が、船舶解撤労働者を代表して発言、IMOメンバーに、より明確な基準を設定する義務的な規則を実施し、直ちに船舶解撤労働者の生命を守るよう要求した。
「インドをはじめ世界各地の船舶解撤労働者は仕事を必要としているが、あくまでも安全な仕事を必要としている。アジアに老朽船舶を送っている先進国に対し、一定の責任を負って災害を防止するよう要請する」とラネー氏は訴えた。
船舶解撤産業の改革を求める労働者を支持して、バングラデシュとインドの労働条件を記録した短いフィルムがメディアに公表された。このフィルムはIMFウェブサイトで見ることができる。
船舶解撤労働者はIMFによって国際的に代表され、国際運輸労連(ITF)と国際自由労連(ICFTU)の支援を受けている。 船舶解撤に関する詳しい情報については、www.imfmetal.org/shipbreakingを参照のこと。

[2006年10月9日]