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メキシコの検事当局、ナポレオン・ゴメス氏に関する調査を打ち切り

ゴメス氏の弁護士は、検事当局が「連邦犯罪の証拠が確認されなかったため、この問題は管轄外だ」と述べたことを明らかにした。


メキシコ:
2006年にメキシコ鉱山・金属・関連全国労組(SNTMMS)書記長を解任されたナポレオン・ゴメス・ウルティア氏にとって、新年は幸先のよい滑り出しとなった。ビセンテ・フォックス政権は、同氏をマネー・ロンダリングで告発していた。
この方向転換は、次期政権が「この問題は管轄外だ」と述べたことによる。新政権は、「連邦犯罪の証拠が確認されなかったため調査を打ち切る」と述べ、事件を連邦区の検事当局に委任した。
ナポレオン・ゴメス氏のフアン・リベロ弁護士はメディアに対し、「検察庁長官は、ダニエル・カベサ・デ・バカ前検察庁長官による告発にもかかわらず、ゴメス・ウルティア氏が連邦犯罪を犯したことを示す証拠はないと認めた」と語った。
同弁護士は、検察庁長官が「今後、ナポレオン・ゴメス氏がマネー・ロンダリングに手を染めたという申し立てや、組織犯罪に関与したというその他の告発について調査は行うことはない」と付け加えた。「最も重要な点は、前政権はこの事件を政治的手段として利用したが、連邦政府にはもはや鉱山労働者の紛争で利用する合法的な武器がないということだ」
同弁護士の説明によれば、事件が解決したわけではないが、「検察庁長官は、この事件は管轄外であると述べ、ナポレオンとその家族に対する申し立ての詳細すべてを連邦区の検事当局に委任した」。
同労組のカルロス・パボン・カンポス政治問題担当書記は、日刊紙『La Jornada』のインタビューに応じ、この事態の展開は「フランシスコ・ハビエル・サラサール・サエンス前労働大臣によるゴメス・ウルティア迫害運動の存在を明らかにしている」と語った。同書記は、連邦区の検事当局は法律を完全に遵守して行動するであろうとの信頼も表明した。
カンポス書記は、そうなればナポレオンはメキシコに戻って組合指導者としての職務をまっとうすることができる、と述べた。
同書記は、組合が得ようと努めているのは「譲歩や刑罰の免除、赦免ではなく正義だ。犯罪行為はいっさいなかったのだから」と強調し、ハビエル・ロサーノ・アラルコン現労働大臣の態度を称賛した。組合は同大臣と何度か会談し、サラサール・サエンス前大臣が引き起こした紛争を「除去」しようと努めてきた。前大臣はゴメス・ウルティアを組合書記長として承認しようとせず、代わりにエリアス・モラレス・エルナンデスを組合指導者として承認した。
「ロサーノ・アラルコン大臣は約束を守ってくれるだろう。現政権は私たちと真っすぐ向き合っている。大臣は紛争解決だけに興味を示し、労働組合の自主性を尊重したいと考えている。私たちは1月3日に大臣と話し合った。大臣が法的手段によって問題を解決したいと言っているので、来週もう1度会談する予定だ」と、インタビューの最後にカンポス書記は語った。

[2007年1月15日]