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監査で資金の使途が明らかに

詳細な報告書により、ゴメス氏に対する申し立てが無根拠かつ不正なものであることが証明された。


ジュネーブ/メキシコ:メキシコ鉱山・金属・関連全国労組(SNTMMSRM)の保有資金5,500万ドルに関する独立監査の結果、すべての資金の使途が確認され、ナポレオン・ゴメス・ウルティアSNTMMSRM書記長に対する横領・不正流用の嫌疑が完全に晴れた。

「これはナポレオンとSNTMMSRMにとって、またナポレオンに対する冤罪を繰り返し糾弾してきた世界中の組合指導者にとって、無罪を追認する強力な証拠だ」と、マルチェロ・マレンタッキIMF書記長は述べた。「この監査は、ナポレオンに対する訴えがすべて無根拠かつ不正なものであることを証明しているだけでなく、グルーポ・メヒコとメキシコ政府がSNTMMSRMを掌握するためにどれだけひどいことをするかを浮き彫りにしている」

この監査はIMFの委託により、スイス・ジュネーブのホーワス・バーニー監査事務所が実施した。

SNTMMSRM、全米鉄鋼労組、アメリカ労働総同盟産別会議(AFL-CIO)およびIMFの代表がメキシコシティーで記者会見を開き、監査結果を発表するとともに、メキシコ政府に以下のとおり要求した。

●ゴメス氏と組合の凍結口座を直ちに解除すること。
●ゴメス氏に対する係争中の訴えをすべて取り下げること。
●文書および事実の改竄に加担した者全員を即刻かつ明確に起訴すること。
●先ごろ発生したSNTMMSRM組合員の鉱山労働者レイナルド・エルナンデス・ゴンサレス殺害事件へのグルーポ・メヒコの関与を調査すること。

監査報告書、会計監査報告の概要、IMF執行委員17人が署名した声明をはじめとする文書が、フェリペ・カルデロン・メキシコ大統領と、ゴメス氏に対する訴えが今なお係争中の2州の知事に提出された。9月5日にラテンアメリカ全域のメキシコ大使館前で、連帯行動が実施される予定である。

今回の監査は、組合資金の違法使用に対する政府の調査を受けて実施された。2006年の2月、3月に、メキシコ政府は偽造文書を利用し、「ゴメス氏が組合保有資金5,500万ドルから不特定の金額を横領した」と公に非難した。政府はゴメス氏を書記長ポストから解任して後任者を押しつけ、個人資産とSNTMMSRMの資産をすべて没収した。

この数百万ドルの資金は、20年近く前の合意の結果支払われたものである。1989年と1990年に、メキシコ政府は3つの鉱山をグルーポ・メヒコに売却した。取引条件には、SNTMMSRMに対する支払いが含まれ、その金額は当時で合計3,100万米ドルに上った。グルーポ・メヒコは15年間にわたり、この条件を尊重することを拒否した。その後、2005年1月、同社はついに精算額5,500万米ドルの支払いを余儀なくされた。口座は現在に至るまで凍結されたままであり、ゴメス氏に対する訴えは州レベルで今なお係争中である。しかし、連邦裁判所でゴメス氏に対して起こされていた同様の訴えは不起訴となった。

「これは犯罪だ。グルーポ・メヒコとメキシコ政府は、法律に対して責任を負わなければならない。まさにその法律を、彼らはここまで露骨に都合よくねじまげ、労働者の生活を犠牲にして利益を得ようとしている」とマレンタッキ書記長は付け加えた。

監査概要のコピーをご希望の方は、IMF本部のクリスティン・ピーターまで。電話:+41 22 308 5031、Eメール:kpeter@imfmetal.org

[2007年9月4日]