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アジア全域で広がるアスベスト使用

国際アスベスト禁止事務局は、アジアにおけるアスベスト使用に関するレポート『Killing the Future』を発表した。


アジア:2003年、アジア諸国は世界のアスベスト消費量の50%近くを占め、中国49万1,954トン、インド19万2,033トン、タイ13万2,983トン、ベトナム3万9,382トン、インドネシア3万2,284トンと世界で最も使用量が多かった。この地域でアスベスト使用をやめたのは日本だけである。

国際アスベスト禁止事務局(IBAS)は、アジアにおけるアスベスト使用に関するレポート『Killing the Future』を発表した。このレポートは、インドとバングラデシュの船舶解撤産業をはじめ、アジア全域の多様な産業で極めて有害な温石綿が幅広く使われていることを立証している。

この最新レポートは、アスベスト被害者団体、先駆的な非政府組織、労働組合およびグローバル・ユニオン・フェデレーションが、この致命的な産業によるロビー活動の実態を明るみに出し、労働者の健康を守るために闘っていることを強調している。アジア全体に広がる無秩序かつ危険な作業慣行を示す写真を見れば、アスベストは「管理された条件」のもとであれば安全に使用できる、というアスベスト業界関係者の言葉が偽りであることが分かる。

著者のローリー・カザン=アレンIBASコーディネーターは言う。「世界中の何百万というアスベスト被害者が、『アスベストに関して言えば、汚染者が償いをすることはめったにない』ということを学んだ。この有毒物質の使用に伴う実質費用は、個人や家族、地域社会、国家が負担している。アスベスト関連疾患の負担を減らす最善の方法は、アスベストを禁止することだ。アスベストは過去の材料であり、疑わしい技術や廃棄物資のゴミ箱に捨てるべきである」

レポートのコピーについては、IMF(info@imfmetal.org)に連絡するか、IMFウェブサイトからダウンロードのこと。

[2007年8月31日]