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アルセロール・ミッタル労使、労働安全衛生に関する画期的なグローバル協約を締結

世界最大の製鉄会社アルセロール・ミッタルと、世界中の従業員を代表する労働組合が、同社全体で安全衛生基準を改善するために新しい画期的な協約を締結した。


ルクセンブルク:この種の協約が鉄鋼産業で締結されたのは初めてのことで、この協約は、安全衛生の改善において労働組合が重要な役割を果たすことを認め、国際的レベルの実績を達成するために、同社の全事業所に適用される最低基準を定めている。これらの基準には、同社の全体的な安全衛生に有意義な影響を与えるために、労使合同安全衛生委員会を設置し、訓練・教育プログラムを実施する措置が盛り込まれている。
また、労使合同グローバル安全衛生委員会を設置し、グループの各工場に照準を合わせ、安全衛生実績をさらに高められるよう支援することも定められている。
この協約は6月3日にアルセロール・ミッタル、欧州金属労連、全米鉄鋼労組およびIMFによって締結された。

アルセロール・ミッタルのラクシュミ・N・ミッタル会長兼CEOは、次のように論評した。「この協約は、当社がこれまでに実施してきた重要な活動を足場にする。安全衛生は当社の最優先課題であり、この協約の締結によって新しい業界基準を設定したい。革新と大胆な決断を下す意欲が、当社の成功の中心となってきた。パートナーである組合と協力し、同じ理念に基づいて安全衛生に取り組めることをうれしく思う」

ピーター・シェラー欧州金属労連書記長は次のように説明した。「この協約を単なる紙切れに終わらせるのではなく、その内容を実現させたい。社会的対話と相互尊重は成功を収める施策の基礎であり、この協約はそれらの原則を盛り込んでいる」

レオ・ジェラード全米鉄鋼労組国際会長は、こう付け加えた。「この協約の締結によって同業他社に、組合は安全衛生問題の原因ではなく解決策だというシグナルを送ることになるだろう。安全衛生は労働者にとって唯一最大の問題だ。世界一の製鉄会社でこの取り組みを実現できたことに満足している」

マルチェロ・マレンタッキIMF書記長が次のように締めくくった。「この協約の締結は、私たちが同社の現行安全衛生基準に有意義な影響を与えるために取り組んでいることを示している。この協約の成否は、社内での地位にかかわらず、労働者全員が1日の終わりに無事に帰宅するという目標を達成するために、私たちがたゆまず努力するかどうかにかかっている」

[2008年6月3日]