IMFニュース・ブリーフス

メキシコの鉱山労働者との国際連帯続く

アルゼンチン、ブラジル、カナダ、ドイツ、スペイン、イギリス、アメリカの組合が、組合独立を求めるメキシコ鉱山労組の闘いを支援して行動を起こしている。


全世界:ヨーロッパと南北アメリカのIMF加盟組織は過去2カ月間に、組合独立を求めるメキシコ鉱山労組の闘いを支援して一連の行動を起こした。
メキシコでは、国内最大の鉱山会社グルーポ・メヒコと政府(前ビセンテ・フォックス政権および現フェリペ・カルデロン政権)が、メキシコ全国鉱山・金属・関連労組(SNTMMSRM)壊滅を狙って、自国の法律と国際基準を組織的に繰り返し侵害している。
IMFと加盟組織はメキシコ政府に以下のとおり要求している。
●政府が不法に没収した組合資金を全額返還すること。
●ナポレオン・ゴメス・ウルティアをはじめとするSNTMMSRM組合員に対する係争中の訴えをすべて取り下げること。
●文書および事実の改竄に加担した者全員を即刻かつ明確に起訴すること。
●レイナルド・エルナンデス・ゴンサレス殺害事件と、ソノラ州ナコサリのSNTMMSRM組合員20人の拘留・拷問に対するグルーポ・メヒコの関与を調査すること。

同労組を支援する継続的な連帯努力の一環として、IMFは2008年4月23日、メキシコにおける人権・労働組合権の侵害を記録した白書と18分のDVD「An Injury to One」を発表した。これらの資料発表後、世界中の労働組合がメキシコ鉱山労組への支援を引き続き表明するために一連の行動を起こした。

アルゼンチン:
アルゼンチンでは、IMF加盟組織が国会に書簡を送り、メキシコの状況を糾弾した。何人かの議員の支持を受けて、この問題は現在、国会の議題に盛り込まれている。

ブラジル:
ブラジルでは、CNM−CUTがウェブサイトや出版物でIMF白書とDVDを公表した。加えて同労組は、議員に白書と書簡を送り、この問題をメキシコ大使とともに取り上げるよう要求した。同労組は地方新聞にも、これらの行動に関するプレスリリースを送った。

EMF:
ヨーロッパでは、欧州金属労連がエリカ・マン欧州議会議員に、この問題をリマ・サミットで提起するよう強く要請した。EMFの書簡はIMFウェブサイトで公表されている。

IMF:
国際レベルでは、IMFが2008年4月23日にメキシコ鉱山労組とともに、メキシコにおける人権・労働組合権の侵害を記録した白書と18分のDVD「An Injury to One」を発表した。IMFは、5月1日のジュネーブ労働映画祭でこのDVDを上映し、IMFウェブサイトで資料を公表して加盟組織に回覧した。加えて、IMFはEU委員とEU議員にも書簡を送り、ペルーで開催されるEU/LACサミットでこの問題を提起するよう強く要請した。これらの書簡はIMFウェブサイトで公表されている。

ドイツ:
ドイツでは、IGメタルが外務大臣と外務省当局者に書簡を送り、政府がメキシコの現状を調査し、メキシコ政府に問題を提起するよう要請した。

メキシコ:
メキシコ鉱山労組は4月23日に記者会見を開き、ラサロ・カルデナスでストに参加していた2人の鉄鋼労働者がメキシコ保安軍に銃殺された事件の2周年を追悼して、鉱山労組に対する弾圧の終結を要求した。

スペイン:
スペインでは、労働者委員会金属労連(FMCO)がパスタ・デ・コンチョスに埋もれたままの鉱山労働者の遺体収容を求めて、労働者による署名運動を組織した。

ペルー:
ペルーでは、第5回欧州連合(EU)−LACサミットと並行して5月13〜16日に開かれた市民サミットで、ペルー全国中央女性鉱山組織(CNMM)とメキシコ鉱山・金属・関連全国労組(SNTMMSRM)が、メキシコの鉱山労働者に対する弾圧・迫害を公にした。記録映画「An Injury to One」が上映され、IMF白書が配布された。

イギリス:
イギリスでは、38人の議員の支持を受けて、ナポレオン・ゴメスとメキシコ鉱山労組を支援する時期尚早動議が議会に提出された。加えて、「コミュニティー」がデービット・ミリバンド外務大臣に書簡(ゴードン・ブラウン首相にも写し)を送り、イギリス政府に対し、メキシコ政府にメキシコの現状に関する懸念を表明するよう要求した。この時期尚早動議はIMFウェブサイトに公表されている。

アメリカおよびカナダ:
アメリカでは、全米鉄鋼労組が下院のヒスパニック系調整部会と何度か会合を開き、メキシコ大使と会談し、4月23日の記者会見にメキシコに代表団を派遣した。USW代表団はメキシコ鉱山労組の大会にも出席し、USW鉄鋼部門の女性組合員12人がスト中の労働者を支援するために使節としてカナネアに行った。

USWは5月13日、グルーポ・メヒコの企業慣行に関する情報を広めるためのウェブサイト開設も発表した。このウェブページ(http://www.therecordspeaksforitself.com/)は多くの資料へのリンクを張っており、国内外の従業員に対するグルーポ・メヒコの行為、環境、事業実施方法に関して、一般大衆に情報を提供するだろう。

[2008年5月30日]