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サンパウロで第12回IMF世界自動車会議開く

自動車労組が集まり、世界の自動車産業における機構改革の課題に取り組んだ。

サンパウロ:2008年6月16〜18日、27カ国から200人近くの代議員が第12回IMF世界自動車会議に集まり、自動車部門全体に及ぶ産業・企業再編プロセスの基本的な課題に取り組んだ。「連帯と持続可能性――世界の自動車産業の機構改革への対応」が会議のテーマで、代議員は現行の対応を強化・拡充しつつ、革新的な戦略を提示することに焦点を当てた。

ロン・ゲッテルフィンガーUAW会長・IMF自動車産業会長は、基調演説で「私たちは、各国の政治構造の枠内で職場における組合の力を強化することによって、また、国際貿易・開発に関する協定・政策に影響を及ぼすことによって自動車部門のグローバルな機構改革に対応するにあたり、一蓮托生の運命にある」と述べたうえで、「大手国際自動車メーカーとサプライヤーで組合の力を強化する道を切り開かなければならない」と強調した。

マルチェロ・マレンタッキIMF書記長は、近年この部門で起こっている出来事を概説し、次のように力説した。「これに対応し、影響を受ける労働者とその家族の利益を最終的に保護するうえで、IMF加盟組織の力が極めて重要だ。だが、機構改革の課題は依然解決しておらず、すべての労働者と地域社会のために社会的に容認できる公平な結果を確保すべく、もっと努力しなければならない」

世界自動車会議の議事では、以下の3つの主要議題に焦点を合わせた。

●雇用慣行、不安定労働と仕事の質――労働組合の課題と対応
●ネオリベラルな世界における競争的調達:労働者・地域社会を互いに競い合わせようとする試みへのグローバルな組合の対応
●より地球に優しい環境、有利な雇用および安全な労働の確保――労働者と環境を守る自動車の設計・製造・使用方法

代議員は不安定労働の課題に取り組むために、不安定労働者への現行労働協約と正式組合員資格の拡張、主たる使用者との交渉など、産業レベル、法律・政治レベルおよび国際レベルにおける一連の行動を強く促した。その他の勧告として、重点的勧誘キャンペーンの利用、国際枠組み協約の条項の利用、10月7日からのグローバル・アクション・デーへ向けての動員があった。

会議の代議員は、競争的調達の課題に対応するために、複数工場を対象とする企業レベルのキャンペーンも含めた組織化の重要性を強調した。国境を超えてより強力に団体交渉を調整する手段の構築、これらの活動を支援するネットワークの利用拡大も、会議の勧告に含まれていた。

代議員は「地球に優しい仕事とは、十分な給与と安全な労働に基づく安定した雇用を提供する、労働組合によって保護された仕事だ。新しい革新的な無公害車両・燃料技術の開発・生産・利用は、自動車産業の発展に不可欠である」と強調した。自動車部門にとっての持続可能な開発とは、雇用基盤と技能基盤の強化によって、環境保護と公衆・職場安全衛生保護を改善することを意味する。

マルチェロ・マレンタッキ書記長は、結びの言葉で次のように主張した。「私たちは不安定労働を話題にするとき、不安定労働を改革したり、ただ規制したりすることを目指しているわけではない。究極の目標は、あらゆる形態の不安定労働を撤廃することだ。必要なのは、未来を築く基礎にできる高賃金の安全な常用雇用である」

6月17日の議事終了後、代議員はグアルリョスのカミンズ・エンジン工場で働く労働者との連帯集会に参加し、不安定な雇用条件の全般的な撤廃を求めるとともに、すべての労働者に世界中で自らの権利、質の高い雇用および人並みの生活を保証するよう要求した。

第12回IMF世界自動車会議の勧告をはじめ、すべての会議関連文書がIMFウェブサイトで公表されている。

[2008年6月25日]