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ILOはメキシコ政府に対し、鉱山労組との争議を解決するよう要求した。

結社の自由委員会は2年に及ぶ紛争を終わらせるために、メキシコ政府に9本の勧告を出した。


メキシコ:国際労働機関(ILO)結社の自由委員会は、一般報告書第350号を発表した。この報告書は、メキシコの鉱山争議(事件第2478号)を取り上げ、メキシコ政府に対し、全国鉱山・金属・関連労組(SNTMMSRM)とIMFが非難した行動に関する9本の勧告を出している。

第1の勧告は、労働社会福祉大臣がエリアス・モラレスを「違法に」承認し、ナポレオン・ゴメス・ウルティアを同労組の書記長から解任したことに遺憾の意を表し、「労働当局の行動は、自らの代表を自由に選出する労働者の権利を定めるILO条約第87号第3条に違反していた」と述べている。

同委員会によると、メキシコ政府は組合自警団メンバーの署名の偽造を除いて、労働当局が犯した「さまざまな不正行為」を明らかにしていない。ILO委員会はメキシコ政府に「情報の提供」を求めている。

同委員会は、「この事件のさまざまな側面と原告組合にもたらされた重大な偏見に関する」訴訟手続きが「過度に長いことを非難」し、当局に「労働組合権の行使に関して速やかな裁判を保証するために措置」を取るよう要求している。委員会は「政府に訴訟手続きの迅速な終了を確保するよう強く要請」している。

委員会の4番目の勧告は、労働者レイナルド・エルナンデス・ゴンサレスの死を深く悼み、進行中の刑事訴訟をできるだけ早く終わらせてほしいという強い希望を表明し、裁判所の判決を伝えるように政府に要求している。

5番目の勧告は政府に対し、「2007年8月11日に逮捕された労働組合活動家が釈放されたかどうか明らかにする」ことを求めている(これはソノラ州ナコサリでエルナンデス・ゴンサレスが殺害された日に同じ場所で攻撃された労働者たちを指している)。また同委員会はメキシコ当局に対し、SNTMMSRMが団体交渉に関する代表権を持つ8社で、その権利をめぐって発生している争議に関する情報の提供も要求している。これらの権利については他の組合も議論している。委員会は「カナネア鉱山の入口におけるスト参加者の乱暴な排除と、一般にこの労働争議への国家治安部隊の介入」に関する情報も要求した。

結社の自由委員会による最後の勧告は「関係者に対し、本件に関連する争議を解決するために交渉を続行する」よう要求している。

また委員会は政府に、組合員とその家族に対する殺害の脅迫、誘拐、殴打に関する申し立てに遅滞なく対応することも求めている。例えば、2006年4月20日に発生したシカルツアのスト参加者に対する治安部隊の攻撃や、原告組合の執行委員マリオ・ガルシア・オルティスの妻に対する誘拐、殴打および殺害の脅迫である。

マルチェロ・マレンタッキIMF書記長は2008年6月12日のILO総会に出席し、組合の提訴について概説した。

メキシコの鉱山労組の考えでは、このILO報告書によって「メキシコ政府は、同国政府に対する非難に基づくILO決議・勧告に従うことにより、鉱山労働者との本件争議の包括的な解決に向けて措置を講じ」ざるを得なくなる。また同労組は、この争議の結果、「政府が抑圧的、非効率的、独断的かつ専制的で、前政権から引き継いだこの重大な問題を終結させる能力がないこと、20カ月にわたって続いている争議を解決できていないことが明らかになった」とも述べている。

[2008年6月25日]