IMFニュース・ブリーフス
「インドネシアの労働者は奴隷ではない」

インドネシア・ジャカルタの街頭に1万人の組合員が繰り出し、最新のIMF不安定労働反対キャンペーン行動を開始した。


インドネシア:8月14日、1万人を超える金属労働者が街頭デモを行い、IMF加盟組織FSPMIが組織した不安定労働反対行動に参加した。デモ参加者は炎天下で「インドネシアの労働者は奴隷ではない」、「政府は労働者の苦況を無視するな」、「Hidup Buroh(労働者万歳)」などのスローガンを叫んだ。

デモ隊はジャカルタのハイアット・ホテル前から日本・韓国・シンガポール各大使館へ向かい、さらに労働省を経て議会とインドネシア大統領府に到着した。

日本・韓国・シンガポール各大使館前ではサイード・イクバルFSPMI会長が人々を鼓舞する演説を行い、これら各国の企業による不安定労働者の雇用を非難した。日本、韓国およびシンガポールの企業はインドネシアに多額の投資を行っており、非常に大規模に不安定労働者を利用している。

労働省ではリドワンFSPMI副会長が熱のこもった演説を行い、大臣との会見を要求した。同省の副大臣が姿を表し、労働者は、政府がFSPMIの苦情に基づいて措置を講じたり、手続きに従ったデモに対応したりするよう要求した。その後、デモ隊は議会と大統領府へ移動し、同労組が政府に抗議文を手渡した。

インドネシアのほかの場所でも、バタムやスラバヤで、規模はそれほど大きくなかったが同様のデモが行われた。FSPMIが組織化する工場にキャンペーン資料が広く配布され、掲示板に貼り出された。工場組合指導部が各工場の経営陣と会談し、不安定労働の廃止を要求した。FSPMIは、不安定雇用を阻止するために地方政府との会談も計画している。

サイード・イクバルFSPMI会長は次のように述べた。「不安定労働を管理しなければ、組合が破壊され労働者が搾取されることになる。不安定雇用のせいで賃上げが抑えられており、労働者が極めて困難な状況に追い込まれている。いかに長い時間がかかろうとも、私たちはこの問題に取り組み続ける」

注:9月に発行されるIMF季刊誌『メタル・ワールド』次号では、インドネシアにおける不安定労働者の組織化を特集する。



[2008年8月22日]