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USWがUSスチールと合意

新しい4年協約により、全米鉄鋼労組の組合員1万6,000人が賃金・年金増額と医療給付改善を獲得した。


アメリカ:米国14工場で働く約1万6,000人の組合員を対象とする全米鉄鋼労組(USW)とUSスチールとの新しい4カ年労働協約が、組合員の郵送無記名投票によって1万571票対2,670票で承認された。この協約は9月1日にさかのぼって実施される。
協約の成果は以下のとおり。
●賃金:労働者は現金6,000ドルを支給され、時給が1ドル上がる。2年目、3年目および4年目に賃金が4%引き上げられる。
●利益分配:2009年から、同社のヨーロッパ事業による四半期の利益分配が1時間当たり10ドルを超えた場合は、超過額を銀行に預ける。そして、組合員1人当たりの利益分配が年間2万ドルを超えた場合は、同労組の将来の医療費に充当するために設けられた信託勘定に超過額を拠出する。
●年金:USスチール・カーネギー年金基金の対象となる現USスチール従業員について、最小年金算定乗数を引き上げる。鉄鋼労働者年金基金(SPT)の対象となるUSスチール従業員に関しては、拠出率が1時間当たり1.80ドルから2.65ドルに引き上げられ、結果として月間年金乗数が100ドルになる。
●医療:この協約によって、有資格従業員全員の現行医療・処方箋薬・歯科・眼科・生命保険・傷病手当が引き上げられる。処方箋薬の自己負担額は据え置かれる。
経済的利益に加えて、この協約は会社側に対し、国内工場への多額の設備投資と「エネルギー効率・炭素放出タスクフォース」の設置も求めている。このタスクフォースでは労使が協力し、鉄鋼業と環境の保護・促進に取り組む。

[2008年9月20日]