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ボーイングで機械工がスト

米国カンザス、オレゴン、ワシントン各州の工場で航空宇宙労働者2万7,000人が職場を放棄してピケラインに加わり、世界中の組合が連帯を誓っている。


アメリカ:全米機械工・航空宇宙労組(IAM)は、外部委託・医療・年金問題をめぐる世界最大の航空機製造会社ボーイングとの集中協議決裂を受けて、9月6日にストライキを発表した。
このストは米国カンザス、オレゴン、ワシントン各州のボーイング施設で働く2万7,000人の機械工に影響を与える。
「組合員が会社側の先の申し出を拒絶した重要な理由は、雇用保障に関する規定が盛り込まれていなかったことだ。そのためにボーイングは今、過去3年間で2番目に大きなストに直面している」とトム・ブッフェンバーガーIAM国際会長は述べた。「いつなくなるか分からない仕事なら、賃金がよくても満足できない」
世界中の労働組合とグローバル・ユニオン・フェデレーションは、ボーイングが誠実に交渉する意思を見せていないことに抗議し、IAMへの全面的な支援を誓っている。
IMFは傘下の金属労働者2,500万人を代表して、IAMとスト中のボーイング労働者への支援・連帯を確認した。マルチェロ・マレンタッキIMF書記長はIAMへの書簡で次のように述べた。「過去5年間に130億米ドルの利益を上げ、受注も埋まっている会社が、勤勉な従業員に利益の公正な取り分を与えたがらないというのは理解しがたいことです。ボーイングが経済的成功を収め、目覚ましい利益を上げているのは従業員の勤勉のおかげです」
148カ国の交通労働者450万人を代表する国際運輸労連(ITF)のデビッド・コックロフト書記長は、IAM組合員に次のように語った。「残念ながら、病気になったときの保障や不安の除去を求める全労働者の要求を反映するパッケージを作成しようとするIAMの意向に、ボーイングは応えていません。私たちはIAMの同僚を支援して、同社にそのような解決策の再検討・実現を求めます。しかし私たちは同社に、IAMが国際連帯の歴史を持つ組合であり、このような局面で当然ながら姉妹組織の援助を期待できる組織であることも知らせておかなければなりません。私たちITFは、誇りを持って援助させていただきます。経営陣が交渉の席に戻って公正な提案を作成するまで、私たちの支援を当てにしていただいてよいと約束します」
IAMはストを実施するだけでなく、連邦労働委員会に不当労働行為を申し立て、「ボーイングは組合を避けて従業員と直接交渉するために違法な戦略を採用している」と告発した。IAMによると、ボーイングは具体的な契約案に関して従業員と違法な「一対一の」面接を行っている。
スト関連情報と最新情勢については下記サイトを参照:http://www.iam751.org/

[2008年9月10日]