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ブラジルの自動車産業が一斉ストで協約締結

ブラジルの主要な自動車工場の労働者は9月、賃上げ要求を掲げてストに入った。


ブラジル:9月1日、クリティバ市でフォルクスワーゲン・アウディ工場の労働者が1週間のストに入った。同市のボルボ工場とルノー/日産工場の労働者も、同じ日にストに突入した。

その週に、サンパウロ州各都市のフォード、ゼネラル・モーターズ、トヨタ、メルセデスベンツ、スカニアで24時間ストが実施された。

いち早く合意に達したのは、ボルボ(9月4日)とルノー/日産(9月5日)の労働者であった。組合側は、2.66%の実質賃金引き上げに過去12カ月間の全国消費者物価指数(INPC)上昇率に沿った7.15%を上乗せするという案を受け入れ、合計賃上げ率は10%となった。また、1,500レアル(約863米ドル)の一時金も取り決めた。

一方、労働者が12%の賃上げを要求したクリティバのVW-アウディでは争議が続いた。9月9日、労働者は11月からの11%の賃上げ(3.6%の実質賃金引き上げ+7.15%のインフレ調整)を受け入れ、ストが終結した。労働側は2,000レアル(約1,150米ドル)の一時金も取り決めた。

一連のストによって各社は、当初は非常に低かった提示額の引き上げを余儀なくされた。インフレ調整に加えて実質賃金が上がり、一時金も獲得できたことは、金属労働者にとって大きな勝利である。「だから、抵抗にはそれだけの価値がある。今度は10月の自動車部品部門、12月の金属・機械部門の次期賃金交渉に備えるつもりだ」と、パラナ州のクリティバ金属労組および「労働組合の力」のセルジオ・バトカ会長は述べた。

ABC――自動車産業の中心地

金属労連CUT−SPは9月6日、州内の全自動車労働者を対象とする有利な協約を締結した。国内の自動車産業中心地で労働者を代表するABC金属労組は、ストの指令を表明していたが、スト予定日の2日前に労働者が使用者側の提案を受け入れたため、ストの必要はなくなった。タウバテの組合も、フォルクスワーゲン工場とフォード工場が操業を停止したあと提案を受け入れた。

サンパウロ連合協約は、賃金が7,500レアル以下の労働者について11.01%の賃上げ(実質賃上げ3.6%+インフレ調整7.15%)を取り決めた。

賃金が7,500レアルを超える労働者は、7.15%のインフレ調整と289.30レアルの定額給付金を獲得した。部門の最低賃金は1,110レアルから1,250レアルに引き上げられ、12.6%増となった。

同様にABCとタウバテの自動車労働者も、9月22日に1,450レアル(845米ドル)の一時金を受け取った。この一時金を含めると賃上げ率は5%で、同労組にとって歴史的な勝利となった。

CNN/CUTに加盟するABC金属労組のセルジオ・ノブレ会長は、18時間に及ぶ交渉を経て「大きな価値のある」協約が達成されたと述べた。同会長は、ここ数年の自動車産業の成長によって、労働者がこれらの賃上げを要求する条件が整った、と付け加えた。


[2008年10月3日]