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金融危機で労働者の諸権利に対する攻撃が激化

労働組合権の侵害に関するITUC年次調査によると、労働者を取り巻く状況が悪化している。

全世界:世界金融危機は雇用保障や所得だけでなく、労働者の諸権利をも脅かしている。今年の労働組合権の侵害に関する国際労働組合総連合(ITUC)年次調査で実証されているように、全世界で労働組合権をめぐる状況が悪化している。

報告書によると、労働者の諸権利を守るために行動したことが原因で76人の労働組合員が殺害され、それよりもはるかに多くの人々が当局によって身体的な攻撃を受けたり、嫌がらせや威嚇、逮捕の標的にされたりした。世界全体の殺害件数は前年の91件から減少したが、労働組合員にとって世界で最も危険な国として悪名高いコロンビアの件数は、前年比10件増の49件に達した。

広範かつ深刻な反組合的慣行が残念ながら相変わらず見られる国々として、コロンビア、ビルマ、ベラルーシ、スーダン、ジンバブエ、スワジランド、イラン、パキスタン、フィリピンが挙げられる。ITUCの考えによると、今年はホンジュラスやグアテマラといった国々をこのリストに追加しなければならない。

この調査は、新しい形態の雇用関係が基本的権利に影響を与えていることについても報告している。先進工業国と発展途上国の両方で、下請業者や派遣会社だけでなく偽装自営の利用も増加している。報告書は、特に韓国、クロアチア、ポーランド、モンテネグロ、グルジア、ドミニカ共和国、エルサルバドル、ペルー、マレーシア、ベトナム、南アフリカ、チャド、モロッコの事例を確認している。

労働組合権は労働における人権として広く認められている。それらを定義・保証する2つの重要な国際労働機関(ILO)条約(第87号および第98号)は、ILOに加盟する世界182カ国中、それぞれ149カ国、159カ国によって批准されている。

下記サイトで英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語の報告書全文を閲覧可能:http://survey09.ituc-csi.org/

[2009年6月11日――アニタ・ガードナー]