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グローバル・ジョブズ・パクトを実現

ITUCは、世界経済・金融危機に対応してグローバル・ジョブズ・パクトを利用・促進する方法について、現実的な指針を発表した。

全世界:8月20日、世界金融危機に対応して雇用を維持・創出するために国際労働機関のグローバル・ジョブズ・パクトを利用・促進する方法について、新しい指針が発表された。

この指針は国際労働組合総連合(ITUC)が作成したもので、全国組合が政府・使用者との議論を開始する基準として、2009年6月にILO総会で採択されたグローバル・ジョブズ・パクトの三者構成枠組みを利用するにはどうすればよいかについて概説している。

「グローバル・ジョブズ・パクトは目先の雇用課題だけにとらわれず、現在の社会・経済危機には根深い構造的な原因があること、これらの原因に取り組まなければ回復は一時的なものになり、将来同様の危機が再発するおそれが大いにあることを認識している」とガイ・ライダーITUC書記長は述べている。

ITUCガイドによると、組合は協約に概説される危機に対して、次のようないくつかの政策対応を提言すべきである。

●刺激策の利用などによる有効需要の拡大
●賃金水準の維持と賃金デフレ・スパイラルの回避
●雇用の維持
●社会的保護の拡大
●高齢者保障の提供

ITUCは、この協約を利用して危機の根本的原因に取り組むことも強く促している。特に、対策にあたって強調すべきは国家の役割の重要性と、不平等を抑え、持続可能なグリーン経済への転換を促進し、輸出主導型の経済モデルを再考し、金融部門が実体経済の役に立つようにすることの必要性である。

採用された措置の対象に臨時・非正規労働者を含めるよう確保することが重要である。

ITUCは、「この危機は労働者の諸権利を徐々に浸食するおそれがあり、組合は同協約や他のメカニズム(労働基準や多国籍企業宣言の批准・実施など)を利用して、労働者の諸権利を保護するとともに万人のためにディーセント・ワークを確保しなければならない」と警告している。結社の自由と団体交渉権の尊重を、すべてのプログラムの基礎としなければならない。

ITUCの指針はIMFウェブサイトに掲載されている。

ILOグローバル・ジョブズ・パクトは下記サイトで入手可能:

英語版:
http://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/---ed_norm/---relconf/documents/meetingdocument/wcms_108456.pdf
スペイン語版:

http://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/---ed_norm/---relconf/documents/meetingdocument/wcms_108439.pdf
フランス語版:

http://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/---ed_norm/---relconf/documents/meetingdocument/wcms_108438.pdf

[2009年8月31日――アニタ・ガードナー]