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排出削減、雇用転換

「低炭素経済への移行は雇用を保証し、新しい適正な仕事をもたらさなければならない」と、気候変動に関する世界産業別労働組合の会合で参加者たちは述べた。


ドイツ:10月14〜15日、IMFと国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)、欧州金属労連(EMF)、欧州鉱山化学エネルギー労連(EMCEF)は、ドイツのバートオルブで「排出削減、雇用転換」と題する会合を開いた。

会合の目標は、デンマーク・コペンハーゲンでの来たる国連気候変動枠組み条約の会議で、産業労働者がどのように共通の立場を提示できるかについて議論することであった。いわゆるUNFCCC COP-15会議は、温室効果ガス排出目標に関する新しい合意を提案し、京都議定書に盛り込まれた目標を更新または変更することを期待されている。

ユルキ・ライナIMF書記長が会合で発言し、こう述べた。「私たちの関連産業部門は頻繁に、現在の環境危機をもたらした一因とみなされている。だが、これらの産業においてこそ、解決策がすでに存在するか、現在立案されているところだ。排出を削減すると同時に、雇用を増やして環境を保護したい」

産業別労組は、すでに実施された活動(ICEMが先ごろ採択した持続可能性に関する方針など)を考慮に入れて背景討議資料を作成した。この会合は、環境保護、持続可能な開発、部門別の問題、持続可能な雇用創出、公正な移行に関するパネル・ディスカッションを中心に構成された。

活発な議論の範囲は多岐にわたり、次のような指摘がなされた。

●環境危機は、最近の継続的な経済危機と同じくらい大きなグローバル資本主義の失敗である。
●質の良い雇用と汚染されていない環境は切り離して考えることができず、両方を達成できるか、どちらも達成できないかである。
●発展途上国に開発の機会を与えなければならない。しかし発展途上国の開発は、そもそも環境危機を引き起こした先進国と同じ有害な道をたどる必要はない。国際資本・金融機関、保護主義の復活、技術移転に対する制約は新たな植民地時代をもたらすおそれがあり、私たちはそれを防止しなければならない。
●労働組合は、特に持続可能性の社会的側面に関して、政府・使用者に責任を負わせなければならない。

4団体すべての代議員が、現在の環境危機を解決しようとする努力の社会的・経済的影響について議論する機会を歓迎した。全体として、「産業別組合はコペンハーゲンで意見を述べ、特に持続可能な開発の社会的側面を擁護する必要がある」ことについて意見の一致があった。確かに特定の産業・地域に懸念事項があるため、強力な「公正な移行」プログラムが必要だが、持続可能な雇用創出の機会も数多くある。

ICEM、IMF、EMFおよびEMCEFは今後数週間に、討議資料と寄せられたコメントを見直す予定である。この見直しに続いて、新しい協定を取り決める各国代表に私たちの意見を主張するために、コペンハーゲンでのCOP-15に提出する資料を仕上げる。

会合のあと、マンフレッド・ワーダICEM書記長が次のように述べた。「産業労働者と産業別組合にとって、低炭素経済への移行に関する重要な問題は、誰が移行の代価を払い、誰が移行の利益を得るかということだ。地球は1つしかなく、誰もが私たちの未来の保護に関心を持っている」

会合で発表された背景報告書とプレゼンテーションは、IMFウェブサイトに掲載されている。

気候変動に関する追加情報と産業労働者の立場については下記のウェブ・リンクを参照:
www.imfmetal.org/climatechange
http://www.icem.org/en/97-Sustainable-Development-Health-and-Safety
http://www.industrialpolicy.eu/COP15

[2009年10月20日――アニタ・ガードナー]