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メキシコ政府が電機労組つぶしを画策

10万人を超える人々がメキシコシティーで抗議行動を行い、電力会社閉鎖とメキシコの独立労働組合SMEをつぶそうとする動きに反対した。


メキシコ:10月15日、10万人以上がメキシコシティーを練り歩き、中央政府が同市の電力会社を閉鎖すれば4万5,000人の労働者が解雇されると訴えた。それに先立つ10月10日に、数千人の連邦警察官が、メキシコシティーと隣接諸州に電力を供給する国有の中央電力公社の工場を差し押さえた。

数分後、フェリペ・カルデロン大統領は、同社の清算と約4万5,000人の労働者全員の解雇を発表した。これによって、メキシコ電機労組(SME)は破壊され、組合員の労働協約と退職者2万人の年金給付が廃止されることになる。

SMEはメキシコ有数の歴史を誇る独立労働組合組織であり、国内で最も充実した労働協約の1つを締結している。SMEは、民営化や連邦労働法改悪案をはじめとするネオリベラル政策との闘いにおいて、主導的な役割を果たしてきた。

ハビエル・ロサーノ労働大臣は9月、「SMEの内部選挙は無効であり、政府はマーティン・エスパルザ書記長らの役員を承認しない」と宣言した。法的に認められた役員がいなければ、組合は協約交渉などの活動に従事できない。

「メキシコ国民のために漸進的変化を求めて運動する独立組合に対するこの侵略行為は、IMFにとって意外なことではない。SMEに対する攻撃は、2006年からIMF加盟組織のメキシコ鉱山労組に加えられてきた攻撃と何ら変わらない」とユルキ・ライナIMF書記長は述べた。

「SMEとメキシコの独立組合に対する今回の攻撃は実に衝撃的であり、国際社会によって許容されるものではない。警察や軍隊まで利用した政府の行動は、すべての国際基準に違反しており、メキシコの民主的な生活を大きく後退させるものだ」とライナは付け加えた。

IMFは国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)とともに10月14日にカルデロン大統領に書簡を送り、国際労働基準の違反に抗議するとともに、「この決定を直接かつ即座に覆し、SMEの完全な独立と自治を回復する」よう大統領に要求した。

[2009年10月16日――アニタ・ガードナー]