IMFニュース・ブリーフス
IMF、事務技術職労働者の組織化を重視へ

現業労働から事務技術職労働へのシフトが進む中で、労働組合は、より効果的に事務技術職労働者の組織化に目を配るべきである。

ドイツ:オーストラリア、ヨーロッパ、日本、北米、シンガポールのIMF加盟組織から集まった約50人の組合代表が、2009年10月29〜30日にIGメタル本部で会合を開き、全世界的危機を背景に事務技術職労働者の組織化手段・戦略について議論した。

金属産業の構造的変化に関する基調プレゼンテーションでは、ゲッティンゲン大学のフォルカー・ウィトゥケ教授が、オートメーション、技術革新、新しい製品・サービスへの需要、グローバル化によって、産業内部で現業労働から事務技術職労働への継続的なシフトが見られることを強調した。

これらすべての変化は、金属産業の中核的部門における労働力の構成に、また技能要件、作業編成および労働条件に大きな影響を与え、特に仕事量と作業強度が大幅に増大している。危機だけを理由に事務技術職労働者が労働組合に加入するわけではないが、ハンス・ベックラー財団のハイナー・ドゥリブッシュ博士が指摘したように、労働組合は今、組合の妥当性・有効性や集団行動の利益を証明する機会を利用することができる。

ヘルガ・シュビッツァーIGメタル執行委員が、「今年は1万3,000人の事務技術職労働者がIGメタルに加入し、組合員総数が前年より約1%減少した中で、事務技術職労働者数は2.4%増加した」と述べた。他国の代表も所属組織で同様の展開が見られたことを報告し、「これらの労働者は、もはや『自分は機構改革やコスト削減計画の影響と無縁だ』とは感じておらず、自らの権利の擁護のためにますます結集するようになっている」と主張した。

このセミナーは4つのパネル・ディスカッションを中心に構成されていた。すなわち、若年者への接触、ICT労働者と自営業者の組織化、エンジニアと専門家の組織化、現業労働者と事務技術職労働者との連帯の構築である。さまざまな国の組織化戦略に関するプレゼンテーションがきっかけで、事務技術職労働者の組織化にあたって加盟組織が直面している問題・課題をめぐり、活発な議論と意見・経験の徹底的な交換が行われた。

ユルキ・ライナIMF書記長が要約したように、ここでの議論の要点は今後の活動に関するいくつかのアイデアを提供した。

●すべてのIMF活動と組合構築プロジェクトにおいて、事務技術職労働者の問題を主流に組み込む。
●IMFウェブサイトの事務技術職セクションを更新し、内容を充実させる。
●ネットワークを作り、情報や資料、アイデアの交換を促進する。
●コミュニケーションと認知度:IMFウェブサイト、『IMFニュース・ブリーフス』、『メタル・ワールド』の記事
●組合権:事務技術職労働者の組織化に法的規制を課している国に関する行動

この会合で継続的交流の主題として強調された事柄は以下のとおり。

●革新的な組織化方法・事例
●組合権
●団体交渉問題
●コミュニケーションとサービス
●権利平等
●若年労働者

会合で行われたプレゼンテーションは、IMFウェブサイトに掲載する予定。

[2009年11月3日――アニタ・ガードナー]