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ロシアの検察当局が不公正な行動

検察当局は労働権を保護するどころか、ITUAを「過激主義」とする不合理な非難に固執している。2月3日の判決が明確に示しているように、地方裁判所は、この反組合的・反労働者的な態度を是認している。

ロシア2010年2月3日、ロシアのトベリで法廷審問が行われた。IMF加盟組織の自動車産業地域間労組(ITUA)は、現地の検察当局に反組合的な立場の責任を取らせようとした。しかし裁判所は、組合の要求を受け入れなかった。

2008年11月、トベリにある「TsentroSvarMash」工場のITUA加盟組合の指導者ドミトリ・コズネフが検察当局に書簡を送り、同工場の劣悪な労働条件、安全衛生対策の不備、低賃金を調査するよう要請した。

しかし、そのような書簡が何通か送られた結果、検察当局は使用者ではなく組合を取り調べた。「TsentroSvarMash」の小規模なITUA傘下組織の組合員全員が、検察当局に呼び出されて訊問された。

使用者がコズネフの排除を決定して解雇した際に違法行為を犯し、その後コズネフが裁判所の判決によって復職したにもかかわらず、検察当局は何も手を打たなかった。

当局が「TsentroSvarMash」労働者を保護せずにただ手をこまねいている間に、ITUAに対する圧力が徐々に強まっていった。

IMFリーフレットを含むいくつかのITUA資料が裁判所に「過激主義」とみなされ、極右パンフレットやイスラム原理主義プロパガンダと同列に扱われたが、裁判所は、ITUAはこの裁判事件の当事者ではないという理由で、判決の詳細を同労組に開示することさえ拒否した。

この法的混乱は2010年2月3日に頂点に達し、地方裁判所は、検察当局が「TsentroSvarMash」を取り調べなかったことには正当な理由があったとの判決を下した。これにより、当局の反組合的・反労働者的な態度が全面的に是認された。

2010年1月20日、全ロシア労働同盟(VKT)とロシア労働同盟(KTR)が、ロシアにおける大規模かつ組織的な労働組合権侵害に関して国際労働機関結社の自由委員会に提訴した。この提訴は、ITUA組合員に対する攻撃の証拠も挙げており、IMF、国際食品関連産業労働組合連合会(IUF)および国際労働組合総連合(ITUC)によって支持されている。
[2010年2月9日――イリヤ・マトベーエフ]