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金融危機が女性に打撃

以前から存在する不平等によって金融危機が女性に及ぼす影響が悪化している、と国際女性デーを記念して開かれた金属労組会合は結論づけた。

ルクセンブルク製造業で働く女性は不安定な低賃金雇用に過度に集中しており、金融危機によって大きな打撃を受けている、と2010年3月10日の金属労働者会合に参加した女性たちは結論づけた。

会合では、製造労働者が全般的に、自分たちには何の責任もない危機の犠牲となっている状況が報告された。女性労働者が特に大きな影響を受けているのは、女性が最も賃金の低い労働者グループに属し、ほとんどの場合、不安定雇用に就いているからである。現在、ますます多くの家族が女性の所得に頼って生き延びるようになっており、女性が職を失えばその扶養家族にも影響が及ぶ。多くの男性が失業したことによって、家族に対する圧力、したがって介護・支援労働の大部分を担う女性に対する圧力が強まっている。

この会合では、政府が実施する刺激策によって生み出された雇用は、建設やインフラ整備に特に焦点を当てているため、男性に与えられる可能性が高いことも報告された。

会合参加者は、金融危機下で金属・製造業部門の女性が置かれている状況を強調しようと努め、女性の雇用に何が起こっているか検証するとともに、これらの問題に取り組むために労働組合はどんな戦略を採用すべきかについて議論した。

会合の終わりに、組合行動に関する以下の勧告が出された。危機の結果、女性が被っている不利益に取り組むために、組合は以下の措置を講じるべきである。

●女性が危機下で不利益を被っている圧倒的に大きな原因は、現在、女性が経済力を欠いており、権力機構に参加していないことにある、という認識を高める。
●各国政府に対し、危機が女性に及ぼす影響を評価するとともに、危機対策がどの程度まで特に女性に利益を与えているか分析するよう要求する。
●女性労働者にも利益を与えることを刺激策の目標に掲げ、危機対策の立案において女性に発言権を持たせるための措置を講じるよう要求する。
●危機にもかかわらず、既存の差別・賃金格差への取り組みや最低賃金の改善に引き続き強く焦点を当てる。
●今後とも不安定労働に対抗する行動を強化していく。
●景気回復への積極的な貢献を促進する政策勧告を行い、女性の収入が増えるようにする。
●特に女性向けの訓練・教育に焦点を当てる。
●戦略や経験を国際的に交換する。

この会合は国際女性デーを記念して開かれ、欧州金属労連とIMFが共同で計画した。

[2010年3月11日――アニタ・ガードナー]