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有資格労働者を労働組合活動に統合

IGメタルは事務技術職労働者の組織化の戦略的重要性を強調している。

ドイツIGメタル地方組織の約3分の1が、事務技術職労働者を2010年の主要活動方針の1つに掲げている。産業の構造変化に伴い、この職業グループで組合の存在感を強化するために決定的な行動を起こす必要が生じている。ホワイトカラー労働者は組合活動を向上させる可能性があるが、同時に組合機構の全レベルで組織率を高める必要もある。

組合員総数は減少しているものの、IGメタルは昨年ホワイトカラー労働者の間で立場を強化することができ、この傾向は今後も続くと予想している。事務技術職労働者は、以前は学歴や資格が一定の保護を保証してくれると考えていたが、今や、自分たちも現業労働者と同様にレイオフや外部委託の影響を受けることを認識している。さらに、ホワイトカラー労働者は多くの工場で人数が増えて重要性を高めており、今では企業にとって大きな「コスト要因」となっている。雇用や賃金、給付をめぐる不安が高まる中で、ホワイトカラー労働者の態度が変化している。IGメタルは最近の紛争の際、この職業グループで新規組合員を勧誘することができ、組合員たちは組合加入や連帯の利益を身を持って実感している。

事務技術職労働者は多様な従業員グループを代表している。したがって、各々の事情に合わせたアプローチを採用し、これらの労働者のさまざまな利害や期待を考慮に入れる必要がある。多くのIGメタル地方組織がエンジニアや技術者を加入させており、彼らに関連のある問題に取り組む活動を立案している。IGメタル本部には、エンジニア向け基本方針の策定を支援する特別対策委員会がある。処々方々でホワイトカラー労働者のフォーラムが開かれ、共通の課題について議論したり、政策立案に参加したりする場を提供している。これらのフォーラムは組合員を引き留めておくだけでなく、新規組合員を引きつけるための手段にもなり得る。

今日の学生は明日の有資格労働者である。IGメタルは専門学校向けプロジェクトの一環として、一部の工場で何人かの新入生を引き入れることができ、学生たちは活発な組合員になっている。他国の組合と同様にIGメタルも、ドイツ国内で多くの専門学校や大学に事務所を開き、学生や大学院生に情報・サービスを提供し、組合の知名度向上に一役買っている。これらの事務所は、研究において理論と実践を結びつけ、企業と接触する機会を学生たちに与えている。学生組合員向け機関誌『Schnittstelle』もあり、研究、科学、仕事の世界に関する基礎的な情報を提供している。専門学校・大学事務所の概観については下記リンクをクリック:
http://www.hochschulinformaionsbuero.de/およびhttp://www.students-at-work.de/
[2010年3月1日――アンヌ=マリー・ミューロー]