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ペルーの鉱山会社グレンコアの不正行為を糾弾

鉱山会社ロス・クエヌアレスの労働組合は、多国籍企業グレンコアの子会社である同社を脱税で刑事告発した。

ペルーエンプレサ・ミネラ・ロス・クエヌアレス鉱山労組は、スイス系多国籍企業グレンコアの子会社であるエンプレサ・ミネラ・ロス・クエヌアレスを脱税の罪で検察当局に刑事告発した。

同労組によると、同社は2008年第2四半期、経済危機を口実にイスカイクルスとヤウリヤクの生産拠点で反労働者的・反組合的な方針を採用した。同社は2009年前半にヤウリヤクで数百人の外部委託労働者をレイオフすると同時に、イスカイクルスの生産事業を閉鎖して労働者をヤウリヤクに異動させた。

組合によれば、鉱山会社ロス・クエヌアレスが報告した経済的損失の分析では、営業利益は2007年の3億7,100万米ドルから2008年には1億5,500万米ドルへと2億1,600万米ドル(前年比140%)減少した。しかし実際には、財務諸表を分析した結果、同社が2008年度に亜鉛精鉱のメートルトン当たり販売価格を自社に有利なように過小評価し、第4四半期160米ドル、年間平均250ドルと申告していることが分かった。

ロス・クエヌアレスの販売価格を、生産水準と営業利益が同社よりも低い他の亜鉛メーカーの価格と比較すれば明らかなように、やはりグレンコアの子会社でロス・クエヌアレス株の33%を所有するペルーバールは2008年度、亜鉛精鉱のメートルトン当たり平均販売価格を360米ドルと申告しており、この金額はロス・クエヌアレスの申告額より44%高い。

ロス・クエヌアレスは、外部委託労働者だけでなく自社が直接雇用している労働者にも、会社の利益を分配していない。加えて、同社の行動はペルーの国税徴収のみならず鉱業税収入の配分にも損害を与えており、例えばパチャンガ地区とチクラ地区は2009年に鉱業税収入を得ることができなかった。同社がもたらした経済的損害は最大6,600万米ドルに達すると推定される。

エンプレサ・ミネラ・ロス・クエヌアレス鉱山労組(ヤウリヤク支部)は今回の刑事告発にあたって、SINTRAMIN CUT MINERIAおよび全国中央女性鉱山組織と協力した。両組織は、2008年末に多国籍企業グレンコアがペルーバールの同志を不当解雇してROSAURAの鉱山を不法に閉鎖した事件をめぐる闘争で、同労組と連携した。両組織は労働組合運動に対し、天然資源の略奪をやめさせてしかるべき処罰を求め、多国籍企業に納税を、ペルー国家当局に誠実な義務履行を要求するために団結するよう呼びかけている。
[2010年3月22日――バレスカ・ソリス]