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スロベニアの金属部門で最低賃金を確立

労働組合が最低生活賃金の受け入れを拒否して闘った結果、スロベニアの金属・電子部門で賃金協約が締結された。

スロベニア組合側が「最低生活バスケット」を下回る賃金の受け入れを拒否した結果、2010年1月14日、スロベニアの金属・電子部門で賃上げについて合意に達した。

IMF加盟組織SKEIは2009年11月13日にストを主導し、部門最低賃金を「最低生活バスケット」の金額を下回る562ユーロから引き上げるよう要求した。スロベニア使用者連盟(ZDS)と商工会議所(GSZ)が大幅な増額について協議することを拒否したため、産別組合3団体(SKEI、SKEMおよびSKEIE)は2010年1月13日に再度ストを招集した。

プラネット・レイバーのニュース報道(SKEI確認済み)によると、使用者側が協定草案に同意したため、ストは回避された。協定は2010年1月14日に締結され、2月12日に発表された。

金属部門の協約は以下のとおり定めている。

●2010年1月1日付で、職階制に含まれる全区分の基本給を5%引き上げる。それぞれの賃金の引き上げが雇用保障を危険にさらすおそれがある場合、労使は労働組合の同意に基づき、賃金を引き上げないか、引き上げ幅を抑えることを決定できる。
●新しい部門最低賃金を総額562ユーロから724.51ユーロに引き上げる。その後、全国最低賃金を決定する最低賃金法(総額724.15ユーロ――税引後510ユーロ)が実施された。
●2010年に総額750ユーロに達する年次有給休暇手当を支給する。

エレクトロニクス産業の賃上げ率は、職務分類に応じて1.54%(主として困難な仕事)から7.01%(基本的職務)である。労使は、2010年の年次有給休暇手当を総額750ユーロとすることでも合意した。

また、ソーシャル・パートナーが2010年前半以降に再び会談し、部門の現状を評価するとともに、この協約の実施状況を調べ、変更の必要がないかどうか検討することについても合意した。

金属材料・鋳物業分野のソーシャル・パートナーは、2010年1月1日付で全職業区分の賃金を3.2%引き上げることに合意した。部門最低賃金は総額748.20ユーロである。その結果、新しい全国最低賃金よりも高くなる。今年の年次休暇手当は総額760ユーロとなる。
[2010年3月22日――アニタ・ガードナー]