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アメリカン・アクスルがUAW雇用保障協約に違反

「アメリカン・アクスル・アンド・マニュファクチャリング社は、UAWとの協約の雇用保障条項に違反した。同社は、メキシコに作業を外部委託するという2009年の決定の影響を受けた労働者に補償金を支払わなければならない」と調停者は裁定を下した。

アメリカ調停者は3月24日、「アメリカン・アクスル・アンド・マニュファクチャリング社は、UAWとの2008年全国協約の条項に違反し、メキシコ・グアナフアト工場に8.25車軸生産事業を移転した。同社は影響を受けた労働者に対する責任を果たさなければならない」と裁定した。

「これは関連労働者にとって大勝利であり、調停者が2008年協約の強力な外部委託禁止規定を支持してくれたことに大いに満足している」とロン・ゲッテルフィンガーUAW会長は述べた。

2008年の労働協約は、アメリカン・アクスル5工場でUAWに加入する労働者3,600人以上が3カ月に及ぶ激しいストを実施したのち締結された。労働者は、1時間当たり約10ドルの賃金カットと給付削減に抗議したが、結局、それらの引き下げと休暇日数削減、休憩時間短縮、約2,000人の時給制雇用削減に関する協約を承認した。

1年も経たないうちに、会社側はデトロイトで労働者からさらに譲歩を引き出そうとした。労働者がまったく譲歩しなかったため、会社側は、車軸生産の大半をデトロイトからメキシコ・グアナフアトに移転することを決定する。

アメリカン・アクスルは、同社には製造する製品や製造の場所・時期に関する大幅な自由裁量があると主張した。しかしUAWは、2008年の全国協約で明確な部品調達約束を取り決めたことを指摘した。会社側は、2008年後半から2009年にかけて自動車産業を襲った景気後退に対応して労働者数を調整することはできるが、デトロイト・アクスルについて保証した作業を自由に外部委託することはできない。

両当事者は、外部委託によって影響を受けた労働者の正確な人数、不適切な外部委託のためにレイオフされた労働者の人数、それらの労働者に支払うべき賃金・給付の金額を確認するよう命じられた。
[2010年4月1日――アニタ・ガードナー]