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富士通問題で労働者を支持する判決

フィンランド高等裁判所は富士通に対し、10年前に不当解雇された労働者にほぼ300万ユーロを支払うよう命じた。

フィンランド富士通は2000年、ヘルシンキ近郊のエスポーでパソコン生産工場を閉鎖した。この決定は労使関係に関する法律に違反し、義務づけられた労働者代表との事前協議なしで下された。解雇された労働者450人のうち223人を代表する11組合(IMF加盟組織のフィンランド金属労組と俸給従業員労組を含む)と会社側との間で訴訟手続きが始まってから10年後、裁判所は労働者を支持する判決を下し、不当解雇に対する補償金が支払われることになった。

2010年3月8日、フィンランド高等裁判所は評決を下した。それに従って会社側は、解雇された従業員に6カ月分の給料・賃金を支払わなければならない。補償総額は245万ユーロに上り、2001年5月以降の利子が加算される。加えて富士通は、訴訟手続きの費用全額を支払わなければならない。

この決定は、2009年9月に欧州裁判所(ECJ)が示してフィンランド高等裁判所が受け入れた、大量解雇に関する指令の解釈に基づいている。ECJによると、富士通は最終的な企業レベル決定を下す前に、エスポーの工場従業員代表と協議すべきだった。

補償の対象となる労働者のほとんどがフィンランド金属労組の組合員であり、合計144万ユーロを受け取る権利を与えられる。補償金に占める割合が2番目に大きいのは俸給従業員労組の組合員で、合計49万ユーロ以上を受け取る。11組合の中には、フィンランドの組合総連合3団体(SAK、STTKおよびAkava)すべての加盟組合が含まれている。

組合側は、この高裁判決は先例を示したと考えており、したがって今後、使用者が企業における協力・協議に関する法律を無視した場合の代償を慎重に検討するようになると期待している。

[2010年3月30日――アレックス・イワーノウ]