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グルジアの金属労働者が権利保護のためにスト決行

グルジアの精練工場と7つの鉱山で働く労働者が、自らの権利を保護して労働条件を改善するために一連の争議行為を組織した。経営側は当初、脅迫や嫌がらせで対抗したが、その後ある程度譲歩し、協議が続いている。

グルジア3月31日、グルジアのゼスタフォニ鉄鋼工場で2人の労働者が解雇された。1人は著名な組合幹部の父親で、もう1人は組合活動家本人である。この行為によって、同工場とチアトゥラの鉱山で雇用される労働者2,800人の堪忍袋の緒が切れ、労働者たちは行動を起こすことに決めた。

工場と鉱山の平均月給はわずか400ラリ(231米ドル)と、最低生活水準を少し上回る程度で、グルジアの平均賃金よりも100ラリ少ない。鉱山と精錬工場の労働条件は極めて危険であり、安全衛生基準は低い。グルジア労働組合総連合(GTUC)に加盟するイメレティ地域の金属・鉱業労組(MMIWTU)によって代表される労働者は、ずいぶん前から賃上げを要求してきたが、経営側は要求に応じなかった。

4月10〜11日、経営側と警備員が介入しようと脅迫・挑発する中で、労働者と組合幹部との会合が2回開かれた。

4月20日、精練工場と鉱山の両方で労働者が警告ストを実施した。この行動は午前12時から午後2時まで行われ、工場での生産が完全に停止した。このストは、ゼスタフォニでは無事に完了したが、チアトゥラでは経営側が介入しようとした。鉱山の1つの管理者が、勤続27年の55歳の組合幹部に身体的な攻撃を加えた。

4月23日、ゼスタフォニとチアトゥラの労働者が2週間のストに入り、以下の10項目から成る要求を掲げた。

●組合活動家2人の復職
●50%の賃上げ
●チアトゥラの労働者の最低給与設定
●超過労働手当の支給
●夜間労働手当の50%増
●35日の年次休暇
●常用労働契約
●安全衛生基準と労働条件の各種改善(労働者への適切な工具・安全装置の支給など)
●組合の承認と労働者代表との誠実な交渉
●GTUCによる交渉参加の許可

スト開始からわずか3日後の4月26日、経営側は一連の譲歩を行い、生産が再開した。協約に従って、2人の組合活動家は復職し、労働者全員が常勤契約で雇用される。ストに参加した労働者は、争議行為が実施された3日間の賃金を補償される。

闘争委員会が交渉委員会に変わり、その他すべての要求の実施について経営側と協議する予定だが、労働者の要求が満たされなければ、組合はさらなる拡大ストを開始する構えである。

IMFと国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)はともに、グルジアの金属労働者の闘いを全面的に支持している。国際労働組合総連合(ITUC)は4月21日、グルジアのミハイル・サアカシュビリ大統領に書簡を送り、精練工場と鉱山における労働者の権利侵害と差別的措置を非難した。

5月5〜6日にはマンフレッド・ワーダICEM書記長がミッションでグルジアを訪問し、争議に関する生の情報を入手した。IMFはICEMと協力して、ゼスタフォニとチアトゥラの状況を密接に監視していく。

[2010年5月6日――イリヤ・マトベーエフ]